院長ブログ

痛みはどこから?

体の痛みを感じた時に、まずはどこに相談しますか?

お医者さんならば、首、肩、腰、膝なら整形外科。
お腹の痛みなら消化器内科や産婦人科。
耳、喉、鼻なら耳鼻科。
頭痛なら神経内科や脳外科、または内科。
性器の痛みなら泌尿器科や婦人科。
お尻なら肛門科。

そんなところがお医者さんの一般的な利用の仕方だと思います。

でもこの診療科のどこで検査しても病気は見つからず、うちの科の問題ではないですねえ。と、行くところがなくなってしまう。

そうなると、ペインクリニックで神経ブロックをしたり、痛み止めをどんどん増やしたりして、痛みの原因はわからないまま痛みを感じなくする治療になっていきます。

現在の整形外科では、首の痛み、腰の痛み、膝の痛みなどで相談に行くと、レントゲン上の変形やMRIで神経が圧迫されていると言われます。
その変形の程度や神経の圧迫が軽度であれば、手術は必要ないから、痛み止めを飲んで自然に治るのをまちましょう。と言われます。
でも、痛みは治りません。

どうしましょう。

そして、近所にあった接骨院や鍼灸院に行くと、ちゃんと体に触って痛いところに手を当ててくれました。

でも、触ってもらった時は少し楽だけど、またすぐに痛くなる。

そんな経験をされている方と多いと思います。

なぜそんなことが起こっているのでしょう。

お医者さんは病的レベルに壊れてしまった部分をなんとかすることは得意なのですが、正常と異常の間を診察するのは苦手です。

でも、科学的に画像検査を行うことは、重症の病気ではないことを確認できるという意味では安心できます。
何より保険診療で相談できるところは、気軽に受診できるのでありがたいです。

接骨院は画像検査はできませんが、手を当てて痛い場所を見つけてくれます。徒手療法という、指圧やマッサージ、ストレッチ、その他さまざまな方法で筋肉や関節の異常を整えてくれます。
でも、十分に病気のことを勉強している接骨院の先生は非常に少ないので、本来病院にかかるべき状態を見逃すリスクはあります。

本当は、最初から整形外科のお医者さんが病気を除外した上で、体にちゃんと触って痛い場所を的確に探し当ててくれる技術があると良いのですが、現在の医師教育体制は、画像診断中心の医学にひきづられていて、身体の解剖学的な触診や患者さんの姿勢や動作から痛みを見抜く力を養う教育は皆無です。

でも、それが本来患者さんが整形外科のお医者さんに期待しているあるべき姿です。

もちろん、リウマチや骨折などはきちんとお医者さんで治すべき病気やケガになります。

しかし、痛みについては手術するようなものではなく、かといって薬も効かない、というものがたくさんあります。

その秘密を解く鍵は、筋膜であり、筋肉にあります。

僕は内科、救急、整形外科、リウマチ科で研修した上で、筋肉、筋膜の痛みを勉強しました。
そして現在も筋肉の世界、理学療法の世界を勉強しながらその知識と技術を深めています。

当院ではさまざまな視点から痛みを診断し、病気を除外した上で、注射によるトリガーポイント治療、筋膜治療、理学療法士による徒手療法、トリガーポイント鍼灸治療、全身の筋膜をほぐすリラクゼーションなど、さまざまなアプローチで、これまで他院では治らなかった難治性の痛みの治療を行っています。

これまで他の病院では治らなかったと言われると、ワクワクします。

もし当院を受診される場合は、初診の方は午後1番の時間(15:45)がオススメですよ。
以前行った検査画像や採血結果があれば、お待ちいただければ助かります。

2018.04.15 | コメント(0)

さいとう整形歓送迎会

少し早い桜が咲く年度末。
人の動く時期です。

当院では新しく女性理学療法士さんとリハビリ助手のスタッフをお迎えし、
皆さんのリハビリを担当させていただいた理学療法士の古沢が卒業となります。

また、当院の開業後7年半のうち、6年間を支えてくれた
受付スタッフの一人が卒業することになりました。

大きな組織ではありませんが、
当院でも20代~50代のスタッフがみんなで今の雰囲気を作りあげてくれています。
若いスタッフは元気と無邪気さ、かわいらしさで明るさ、楽しさを添えてくれます。
大人たちは若者たちに分別と常識と愛情を注ぎます。

小さい組織ながらも、それぞれの年代が患者さんに向かい合うチームとして協力しあう中で
みんなが学びあい、成長していきます。

中でも今回卒業となった受付事務さんは、ホントに大きく育ってくれました。

周りをよく観察して仕事を覚えることができ、
覚えたことはすぐに行動に起こして、その結果を見て即座に修正して正解にたどり着く。

自分の立ち位置をよく知っていて、どう動けば全体がうまく回るか
目配りをして、声をかけ、忙しいときほどその力を発揮する。

新人が入職した時には、年上でもすぐにあだ名をつけて壁を壊し、
スタッフの仲間の輪に引き入れてしまう。

事務のリーダーさんになってからの成長も目覚ましく、
事務の中の和、部門間の和を上手にとってよいチームを作ってくれました。

何より、いつも明るく楽しく仕事ができる空気を作ってくれました。

結婚後、いつか赤ちゃんができておなかが大きくなってお休みになると思っていましたが、今回は大切な旦那様の転勤で大阪に行ってしまうとのことで突然の辞令だっただけに悲しさも寂しさもひとしお。

みんな涙涙の送別会になりました。
(写真は笑ってますけどね^^)

もし当院のスタッフとして、仲間に入ってみようかな、と思われる方、ご紹介したい方がいらっしゃいましたら、ぜひ下記求人情報をクリックして見て下さい。
当院の新たな1ページを一緒に作ってくれる仲間を募集しています。

さいとう整形外科リウマチ科 求人ページ

2018.03.26 | コメント(0)

骨密度と骨質と生活習慣病

今日は京都で開催された骨粗鬆症フォーラムに出席してきました。

かかりつけ医が診る骨粗鬆症診療
洛和会音羽病院 内分泌内科 三浦晶子先生

STOP at ONE
一つの圧迫骨折をしたら、その骨折を最後にしましょう。

大腿骨や脊椎圧迫骨折を起こすと、骨折治療費に加えて、その後の介護費用がかかる。
骨粗鬆症検診受診率は最も高い山梨県でも14%!!
全国平均では5%。京都は2%

2㎝以上の伸長低下は椎体骨折を起こしている可能性が高い。(リスク13.5倍)
レントゲン側面像で25%以上の骨の扁平化
いつのまにか骨折があれば、骨粗鬆症の診断となる。
日本ではFRAXのスコアが15%以上では骨密度が骨粗鬆症の診断基準を満たさなくても、薬物治療開始基準となる。

転倒リスクが高い人、骨折の既往歴のある人、骨粗鬆症リスクのある人では検査を。
65歳以上の女性、70歳以上の男性
65歳未満の女性、70歳未満の男性でも、骨粗鬆症リスクがあれば検査を。

橈骨遠大腿骨頚部の25%、橈骨遠位1/3の5%が海綿骨。つまり、皮質骨が多い部位。

BIS剤またはデノスマブでの顎骨壊死は多くても0.1%
2010年の指針では、3か月程度の休薬が望ましいとされていたが、2016ポジションペーパーでは、休薬の有無にかかわらず顎骨壊死の発生頻度は変わらなかったため、必ずしも休薬する必要はないとされた。抜歯が避けられない場合は、術前から抗菌薬を投与し、侵襲を最小限にするように心がけること。

骨粗鬆症の治療は1年以上続けて、効果判定を。
治療にも関わらず、2か所以上の新規脆弱性骨折がある、1か所の新規脆弱性骨折に加えて、骨代謝マーカーが改善していないときは治療変更を考える。

東京慈恵会医科大学 整形外科 斎藤充先生
いつから始める?いつまで続ける骨粗鬆症治療

骨密度は同じでも、手術の時の骨の硬さは違う。
骨は他の臓器とくらべても圧倒的な新陳代謝のスピード
年間40%が入れ替わる。
何歳であっても、治療介入1年で骨折防止効果はどんな薬剤でも50%以上。
NNTは7-50 スタチンの心血管イベントはNNT150以上 
だから、骨粗鬆症治療によるメリットは大きい!

脊椎骨折 60%は痛みのない「いつのまにか骨折」。じわじわつぶれるものは痛くない。
伸長が4㎝縮んだら、74%の人に椎体骨折がある。
一つ目の骨折を放置すると1年以内に4人に1人は再度骨折する。
大腿骨頚部骨折を起こすと反対側の骨折リスクは18倍(65-74歳) 75歳以上では3.3倍。
骨粗鬆症治療により死亡率も下げられる。
男女問わず、性ホルモンの減少により石灰化度の低下と微細構造の破綻により骨密度が低下してくる。
BIS剤は石灰化度の上昇と微細構造の改善で骨密度を増加させる。
破骨細胞を押さえると同時に、骨形成も同時に抑制するため、新陳代謝が止まる。
性ホルモンが欠乏している以上、骨粗鬆症治療を止めればまた骨密度は下がる。

骨密度が高くても骨折する人がいる。
・BMI>30の過度の肥満
・動脈硬化、糖尿病、高脂血症
・慢性腎臓病、メタボリック症候群、脂肪肝、高血圧、脳卒中、COPDなどの生活習慣病

コラーゲン線維には善玉架橋が掛かって強度をアップさせている。
善玉架橋のためには、性ホルモン、vitB6が必要。骨粗鬆症治療薬も善玉架橋を誘導する。
悪玉架橋AGEsは加齢、閉経、活性酸素の増加、高血糖などで形成され、細胞のアポトーシスを起こし、骨にマイクロクラックが増えてくる。アパタイトの配列異常も起こるため、同じ骨密度でも骨は弱くなる。
AGEs化されると骨は黄褐色になってくる。
骨は新陳代謝しているので、生活習慣の改善により悪玉架橋は改善できる。

活性酸素の増大は骨、血管の老化につながる。
糖尿病では高い骨密度でも骨折する。骨質劣化型骨粗鬆症。
糖尿病以外には閉経、高ホモシステイン血症、透析症例、CKD、続発性副甲状腺機能亢進症ではAGEs増える。
高ホモシステイン血症>13μg DM、CKD、COPD、RAなどでホモシステインは上がる。

骨ペントシジン
DM、HbA1C≧7.5%は骨折リスク高い。高ければ高いほど骨折リスク高い。
DMコントロールで
腹大動脈石灰化 L1~L4の前方で動脈石灰化をスコアリング(1~3点×前壁後壁×4椎体)
初診時の圧壊の重症度や椎体骨折の数は続発性骨折のリスクと相関。

骨密度が低いと骨折リスクは3.6倍
骨質が低いとリスク1.5倍
骨密度、骨質ともに低ければ7.2倍

ARM SPAN>身長 5%以上の差があれば

YAM70~80%でも、HbA1C7.5以上、eGFR60以下、腹部大動脈石灰化2椎体以上では治療したほうが良い。
DMコントロールが悪ければ、FRAX>15%でも骨折する。
FRAXに尿中ペントシジン高値を組み合わせれば骨折予測精度を向上させる。

酸化ストレス環境にいる人は、血管も骨も劣化する。
体を一つの水槽とみなくてはならない。

SERMの骨吸収抑制効果はBP剤に比べてマイルドである。
SERMは酸化ストレス・血中ホモシステインを下げる。
骨質改善作用がある。
骨吸収をマイルドに抑制し、骨密度も改善させる。
骨吸収亢進型にはBIS 酸化ストレス増大型、骨質劣化型にはSERM
ラロキシフェンに比べてバゼドキシフェンはFRAX値が高いひとにも効果がある。
治療開始時に高度圧壊椎体骨折や多発圧迫骨折がある場合にはバゼドキシフェンが良い。

エディロールは骨密度を増やし、悪玉架橋は減らす。ベースで使用を。

2018.03.10 | コメント(0)