院長ブログ

関節リウマチの評価を語る会

CIMG5358

今日はucb主催の勉強会
EICI(Expert Interactions in Clinical Intelligence)に参加しました。
参加者は8名限定という、
忌憚のないディスカッションが可能な面白い会です。

横浜市立大学付属市民総合医療センターの大野滋先生
千葉大学医学部付属病院の池田啓先生がhostとなり
お二人が参加されたOMERACTをもとにdiscussionが進みました。

OMERACT(Outcome Measures in Rheumatoid Arthritis Clinical Trial)とは
関節リウマチをはじめとしてrheumatology全般の
評価基準などを検討している
2年に1回開催されている会です。

患者さんを含めて疫学者や医師などが
さまざまな視点から現在のエビデンスを評価し
次世代の評価基準を検討する会で
その中のテーマから
今日の勉強会のメインテーマとして
関節リウマチの再燃と超音波評価について
語り合いました。

患者さんの主観的評価は現在
全般的な評価と痛み評価の二項目が数値化されていますが
それ以外にも
倦怠感、睡眠、機能的損失、経済的な問題、薬による副作用など
痛みの次に患者さんが解決したい問題は
山積みです。

今日の会ではリウマチ超音波のエキスパートが集まっていますので
超音波で滑膜炎として見えない炎症はあるのか、
潜在性滑膜炎を評価、診断することはできるか、
非炎症性の痛み、慢性疼痛などにも
話が膨らみました。

内服でコントロールが不良な患者さんでは
経済的に許すならばアグレッシブに生物学的製剤で
寛解導入すればよいのですが、
そうもいかない場合も多く、
患者さんのセルフマネジメントとしての
休職や運動の自粛、安静臥床、局所安静のためのサポーターの活用など
薬物療法以外の治療も考慮した寛解導入についても
語られました。
古くはこれしかなかったですものね。

お食事会での池田先生との痛みのディスカッションもできて
最近では一番面白いリウマチ勉強会でした。

さて、明日は大阪でアクテムラのお勉強です。
新幹線で大阪移動中です。

2015.06.27 | コメント(0)

DMARDsを語る会

今日はエーザイ主催の
DMARDsを語る会に参加してきました。

DMARDs(抗リウマチ薬)を語る会
といいつつ、エーザイ主催なので
エーザイのお薬である
イグラチモド(ケアラム/コルベット)
を語る会になっていましたが(^_^;)

さて、そのイグラチモドですが
名古屋大学石黒教授がまとめられた成績や
今日の豊橋の平野先生のご発表では
MTXに併用することで
特に目立った重篤な副作用は見られず
良好な併用効果がみられるようです。

当院でもイグラチモドはよく使いますが
MTXだけでは十分寛解に至らず
あと一押し、という時に用いています。

もちろん、MTXを12㎎以上用いても
まだリウマチの勢いが強い場合には
生物学的製剤の導入を考慮します。

これは
本日のパネリストである
名古屋膠原病痛風リウマチクリニックの玉置先生の
使い方と同じでした。

一方僕のリウマチの師匠である
名古屋医療センターの金子先生は
合併症などでMTXが使えない患者さんに
おもに用いているそうで
医師による使い方に差があることもわかりました。

現在7種類の生物学的製剤が選択でき
ほとんどのリウマチ患者さんで
寛解~低疾患活動性まで
リウマチの活動性を落ち着かせることが
できるようになりました。

BEYOND REMISSIONを考える時代に入った今
いかに患者さんの経済的負担、
ひいては社会的経済的負担を少なく
関節リウマチを寛解導入して、
そして寛解を維持するか

一つのストラテジーとしては
MTX単剤の増量で速やかにリウマチの勢いを弱め
あと一押しならばイグラチモドの併用や
リマチル、アザルフィジンの3剤併用
療法
従来通りのタクロリムスの併用療法
などが選択できます。

もちろん、MTXのみで
リウマチの勢いがまだまだ強い場合には
生物学的製剤や
経口JAK阻害剤のゼルヤンツを考慮しますが
効果は頼もしいものの
経済的にはとても負担の大きい治療になるため
導入を躊躇される場合もあります。
また、長期継続はそれだけ経済的に
負担の大きいものとなります。

寛解導入後には
生物学的製剤の延長投与や減量投与が
選択肢になり、
生物学的製剤を休薬するための
MTX+他剤併用療法への切り替えも
寛解が維持できるならば
考えるべき選択肢になってきます。

関節リウマチ治療は
DMARDs併用療法により
BIOによる寛解導入後の維持を考えた
BEYOND REMISSIONの時代に
入ってきています。

2015.06.20 | コメント(0)

バイオシミラー レミケードBS

今日は土曜日午前診療の後
東京日帰り弾丸ツアーをしてきました。

日本化薬から今後発売されてくる生物学的製剤
レミケードBSの講演会の聴講です。

10年前に田辺三菱製薬からレミケードが発売されて10年を経て
特許が切れた今回、レミケードの開発技術を模して造られた
BIO similar(バイオシミラー)がレミケードBSです。

ジェネリック医薬品と同様に
現在発売されている薬を模して生産されるため
0からの開発費がかかっていない分
薬剤コストが安くなるのが特徴です。

もともと生物学的製剤は非常に高価な薬剤であり
保険を使用しても3割負担の方では
月に40000円から50000円の自己負担分が薬剤費だけで
必要となります。

しかし重症のリウマチにおいては
病気による関節痛や
リウマチをそのまま放置して関節が壊れてしまい
仕事や家事ができなくなった場合に発生する損失コストに比べ
高価であっても生物学的製剤を使用したほうが
生涯損失コストは少なくなることがわかってきました。

また、
レミケードの場合には体重に応じて
100㎎のボトルを2本以上使用することになりますが
3本使用した場合には高額療養費制度が適用となり
その患者さんの収入に応じた支払上限以上は
保険から支払われることになります。

しかし一方、
高価な生物学的製剤が使用されればされるほど
残りの70%の医療費は医療保険から支払われることになり
限られた医療財源を圧迫してしまうことも
問題になっています。

レミケードBSは薬剤費がオリジナルの7割程度になるのでは
と予想されていますが、
そうすると保険医療財源にとっても患者さんにとっても
懐にやさしい薬ということになります。

レミケードBSはバイオシミラーであり、
ジェネリック医薬品ではないとのことですが、
これがわかりづらいところです。

ジェネリック医薬品は
同じ成分を用いた医薬品ということで
”同一の薬”という扱いを受けるため
医師が処方した薬そのものでなくとも
薬局薬剤師がジェネリックに変更してしまうことが可能です。

(しかしオリジナルと”同一”とされるジェネリック医薬品は
市販後の調査も最低限となるためコストは下がりますが
その分薬としての安定性や効果がオリジナルのものよりも
劣ってしまったり、
薬効成分以外の混合物により
オリジナルの薬では起きなかった副作用がでることもあります。
つまり、混合物まで含めて全くオリジナルと同一の薬ではないということです。)

バイオシミラーであるレミケードBSは
オリジナルのレミケードのジェネリックではなく
”同等、同質”の効果が得られるであろう”similar”
であるとのことです。

治験も行われており、
日本人での安全性と有効性が検討されているところです。

本日の講演の最後に
産業医科大学の田中良哉先生は
レミケードBSはレミケードの後発品というだけではなく、
これまで発売された7剤の生物学的製剤に次ぐ
第8の生物学的製剤と位置付けて
発売後の安全性と有効性について十分に検討していく必要がある
と締めくくっていらっしゃいました。

リウマチ治療の選択肢は
生物学的製剤と同等の効果を持つ内服薬であるゼルヤンツも含め
ますます広がってきています。

患者さん個々の状態に合わせた
パーソナルな治療が可能となってきています。

2014.10.05 | コメント(0)