院長ブログ

第58回日本リウマチ学会

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24日から日本リウマチ学会に参加しました。

今回も2演題エントリーして、
ポスター発表でした。

アクテムラの妊娠症例5例6件の検討と
超音波によるCRPに頼らないリウマチ診療。
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自分の発表を読んでくれている人がいると
それだけ興味を引くテーマを発表できたのかな、と
嬉しくなります。

さて、今回の学会3日間のおさらいです。
やっぱり一通りBIO全盛の時代も落ち着いてきて
薬価の安さも相まって従来の抗リウマチ薬の併用はトピックですね。
新しい内服薬、ゼルヤンツの報告については、
まだ全国でも症例数が少ないためか目につかなかったですね。

・MTX単剤、BUC単剤よりも、併用のほうが効果あり。
・2年以上落ち着いていたリウマチ患者さんの内服薬を
 同じまま継続した場合には22%が再燃。
 プラセボに変えた場合には38%が再燃。
 裏を返せば、中止しても60%の人は再燃していないとのこと。
 
 では、プラセボで再燃した38%の人に
 もとのお薬を再開した場合、3か月後には半数が無効だったとのこと。
 1年後では35%の人のリウマチは再度活動性なしに。
 これは1996年のLANCETに載っていた論文の引用でした。

ということは、2年以上リウマチが落ち着いていた場合
お薬をやめるチャレンジをすれば6割の患者さんは再燃しないけど
再燃した場合にはもともとのお薬で再度寛解に戻れるかはわからないよ。
ってことですね。

やはり、経済的な理由や副作用がなければ
あえて休薬にチャレンジするより
継続して内服していたほうが安心かもしれませんね。

・レミケード使用中のPCP肺炎のリスクは
 PSL6㎎以上の使用、既存肺疾患、65才以上
 の条件を多く持つほど増える。

・リウマチの治療は世帯年収にかかわらず
 一定の割合で高額になる。
 これは公的補助がないことによりますね。

・リウマチの鑑別診断としての自己炎症症候群
 TNF受容体関連周期熱症候群TRAPS 
 家族性地中海熱FMF
ありふれた病気ではありませんが、知っておかなくては。

 
強直性脊椎炎や乾癬性関節炎も、リウマチ医として生物学的製剤を駆使して
治療にあたっていかなくてはならない病気です。
・強直性脊椎炎の問診
 炎症性背部痛(IBP) 下記のうち4項目以上でIBP
 (安静で改善しない。運動で改善。潜行性に発症。40歳以前に発症。夜間の疼痛。)

 ブドウ膜炎、皮膚疾患、炎症性腸症候群、食中毒、尿道炎
 脊椎関節炎の家族歴、HLAの検査歴
 フォローアップはBASDAIとBASFIで。
 強直性脊椎炎に対するTNF阻害薬は
 年齢が若いほど、CRPが高いほど、機能障害が少ないほどよく効く。

 
 改訂ニューヨーク基準は骨格系の異常が現れてからでないと診断できない。
 また、末梢病変については考慮されていない。
 non-radiologic SpA (レントゲンに現れない時期の脊椎関節炎)は
 腰痛+MRIでひっかける。
 TNF阻害薬を使っても骨化阻害は困難だが、早期に使えば可能かもしれない。

 
・乾癬性関節炎
 発症から6か月で50%以上の患者さんに骨びらん出現
 皮膚病変が先行するものが70%。関節炎が先行するものが15%
 乾癬性皮膚炎は関節炎の前段階ではないか。
 皮膚科に通院中の乾癬患者946人をリウマチ医が診察したら、
 関節炎は30%に認められた。そのうち41%は関節炎が見逃されていた。
 頭皮、殿裂肛門周囲、爪の乾癬は関節炎発症のリスク。
 3か所以上にわたる乾癬性皮膚炎も関節炎のリスク
 乾癬に関節炎が加わると爪病変が増える。
 
 乾癬性関節炎CASPAR分類:関節、脊椎、付着部の炎症があり、
 乾癬性皮膚炎、爪病変、リウマトイド因子陰性、指趾炎、手足のXpの傍関節骨増殖

さて、今日はこのくらいで。

2014.04.28 | コメント(0)

4/24-26は日本リウマチ学会

今日から日本リウマチ学会です。
いつもの東京で4/24~4/26の開催です。

その間、院長は休診になるため、代理の医師が診察に当たります。
リハビリは通常通り治療を行っております。

ゴールデンウイークについては、カレンダー通りの診察日となります。

さて、今回も2演題の発表をおこなってきます。

1つは、リウマチの診断や寛解の判断に、
CRPの値に頼りすぎてはいけない。
CRPが陰性でもリウマチを発症していることはあるし、
深い寛解と思っていても、
足趾に超音波を当てるとまだリウマチが燃えていることがあるよ、
という発表。

もう1つは、
生物学的製剤アクテムラを
妊娠発覚まで使用した6件の妊娠についての検討です。

アクテムラを妊娠発覚まで使用した場合、
アクテムラ中止後にリウマチは悪化しますが、
5件では新生児に奇形や合併症は見られませんでした。
1件は重度のリウマチを患った母親からの新生児で、
低出生体重のため出産後人工呼吸器が必要でした。

これまでアクテムラを使用しての妊娠の報告は非常に少なく、
エンブレルが無効の患者さんにとっては大切な報告だと思います。

4/24からの3日間、最新のリウマチ情報を入手してこようと思います。
パワーアップしてまた月曜から診療に戻りますね。

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2014.04.24 | コメント(0)

見逃してはいけない関節疾患と関節関連疾患

12/14土曜日には
ヒュミラのエーザイとabbvie主催の
5A TRUST FORUMに出席しました。

ヒュミラが適応となっている
リウマチ、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、JIAのほか、
これからの研究課題である変形性関節症といった
関節疾患についてその分野で著明な先生からお話しを聴ける良い機会です。

当院でも、開業してから3年ほどの間に
腰痛の患者さんの中にまぎれて
仙腸関節に異常陰影が認められる強直性脊椎炎の患者さんが
3名ほど見つかりました。

いずれもこれまで様々な医療機関でレントゲンやMRIまで行い
異常ないといわれて来た患者さんです。

今回の講演でもお話しされていましたが、
やはり腰痛の中にそのような病気が隠れている可能性を考えながら
診療にあたることで見えてくる、診断につながる疾患です。

腰痛患者さんの腰椎のレントゲンを見るときには
必ず正面像で仙腸関節まで疑ってみることにしてからは
強直性脊椎炎が見えてくるようになりました。

治療はNSAIDsとBIO
末梢関節炎にはアザルフィジンも効果があります。
ステロイドは付着部炎、仙腸関節炎に対する局所投与は推奨されます。
リウマチと異なり、MTXには効果のあるエビデンスに乏しいとのことです。

レントゲン上の鑑別としては
DISH(Diffuse Idiopathic Spinal Hyperostosis)
が上がります。
こちらは過剰な脊椎の骨棘が上下椎体を結んでしまうものです。

また、末梢DIP関節の変形性関節症も
単なるへバーデン結節だと片付けずに
常に皮膚病変の有無にも気を付けて
乾癬性関節炎の可能性も考えたいものです。

こちらはインターネットに公開されているPDFファイルで
九州医療センターの末松先生が作成したものですが、
リウマチの早期診断に必要な鑑別疾患が
間欠にまとめてあります。
http://www.hakatara.net/images/no14/14-2.pdf

以下 強直性脊椎炎と乾癬性関節炎の分類基準を添付しておきます。

強直性脊椎炎 改訂ニューヨーク基準
(Modified New York Criteria 1984年)

1. 臨床基準
 ・運動により改善し、安静によって改善しない、3ヵ月以上持続する腰痛
 ・矢状面、前頭面両方における腰椎可動域制限
 ・年齢、性別によって補正した正常値と比較した、胸郭拡張制限
2.X線基準 ※
 ・両側のgrade 2以上、あるいは一側のgrade 3~4の仙腸関節炎
 
⇒確実例:X線基準と、1項目以上の臨床基準を満たす場合
⇒疑い例:X線基準を満たさないが、臨床基準3項目を満たす場合
     X線基準を満たすが、臨床基準が一つもみなれない場合
※Ⅹ線基準のgrade
grade 0:正常
grade 1:疑わしい変化
grade 2:軽度の仙腸関節炎(関節裂隙の変化を伴わない限局的な骨侵食や硬化)
grade 3:中等度の仙腸関節炎(骨侵食、硬化、裂隙の拡大や狭小化、部分的な強直を伴う)
grade 4:完全な強直

ASAS:Assessment in Ankylosing Spondylitis軸性脊椎関節炎分類基準
3ヶ月以上続く腰背部痛,発病時が45歳未満
I:画像診断で仙腸関節炎がみとめられる
脊椎関節炎の特徴が1項目以上ある
II: HLA-B27が陽性
脊椎関節炎の特徴が2項目以上ある

#脊椎関節炎の特徴
炎症性背部痛(専門医)
関節炎
付着部炎(踵)
ぶどう膜炎
指炎
乾癬
クローン病/潰瘍性大腸炎
非ステロイド性抗炎症剤に良く反応する
脊椎関節炎の家族歴
HLA-B27が陽性
CRPあるいは赤沈の亢進

X線あるいはMRIによる仙腸関節炎
MRIにより活動性(急性)仙腸関節炎がある
X線所見:仙腸関節炎が両側2度以上,
     もしくは片側3度以上(1984年改正ニューヨーク診断基準)

乾癬性関節炎のCASPAR基準
炎症性関節炎の存在に加え、以下のうち3点を満たす
1.乾癬皮疹 現在見られる(2点) 病歴上(1点) 
  2親等以内に家族の乾癬がある(1点)
2.爪の乾癬(1点)
  爪甲剥離、爪点状陥凹、爪肥厚
3.血清リウマチ因子陰性(1点)
4.指炎 現在見られる(1点)、専門医による過去の診断(1点)
5.手または足のX線検査で関節周囲の骨形成(1点) 骨棘は除く

2013.12.15 | コメント(4)