院長ブログ

第7回 小牧リウマチ conference seminar

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今日は小牧市民病院のリウマチ病診連携の会
小牧リウマチconference seminarで
講演の機会をいただきました。

これから小牧でのリウマチ病診連携を強化するために
リウマチ専門医として
総合病院の勤務医と
開業医としてとの両方の立場での経験について
お話しして欲しいとのことでした。

今タクシーで小牧に向かいながら
iPhoneでブログを書いています。
隙間時間、隙間時間、、。

今日の講演内容は
世界的には7種類の生物学的製剤を始め
DMARDSの併用療法など治療が進み、
リウマチ専門医にかかれば
寛解も普通の出来事になりました。

また、超音波診断により
まだ採血でもCRPが陽性になる前から
リウマチが診断可能となり
さらに、今の治療で本当に関節の炎症がおさまっているのか
超音波画像で見てわかる時代に入りました。

一方、治療の格差が問題となっており
経済的に生物学的製剤が使えない人がいる一方
生活保護の人ではどんな高いお薬でも使い放題です。
もう一つの格差として
リウマチ専門医の資格は持っていても
医師の治療経験や勉強不足により
その人のリウマチを抑えるのに十分な治療を行っていないと
弱い治療を続けるのみで関節が壊れるのを待つことになります。

大切なのは、
3ヶ月ごとにその患者さんは真の寛解を達成しているか
時には超音波まで含めて確かめることです。

もし寛解が達成していないなら
現在の治療でBESTなのか、
常に見直すことです。

地域の開業医の先生が
関節リウマチのプライマリーケアについて
もっと得意になれば
総合病院のリウマチの先生たちの負担は減り
患者さんも長く待つことなく近くの先生に見てもらえます。

早くそんな時代が来ることを願って
今日の講演をしてきます。

写真は講演後
小牧市民病院の山田先生
カワムラ整形外科の河村先生と。

2013.11.13 | コメント(0)

リウマチの医療経済学

今日はウェスティン名古屋キャッスルで開催された
RAプライマリーケアセミナーで
座長を務めさせていただきました。

ご講演いただいたのは
静岡県の三宅整形外科医院 三宅信昌先生です。

三宅先生は僕がリウマチ修行をした名古屋医療センターの
大先輩であり、
開業医としても大先輩です。

現在は僕たちの日常診療と
厚生労働省の医療制度とを結ぶための
大切な役割も果たされており、
医療経済についても詳しい先生です。

今後厚生労働省も
医療に使われる薬剤の経済学的効果を重視してくるようで
NNT、ICER、QALY、DALYといった指標が
費用対効果を判定するために用いられているとのこと。

限られた医療財源を有効活用するためには
効果のないお薬や、費用対効果の少ないお薬は
できるだけ使いたくないですものね。

三宅先生のお話しでは
関節リウマチになった場合には3年以内に25%の人で
10年以内で50%の人で仕事ができなくなってしまうため
発症早期のリウマチ患者さんでは生物学的製剤を早期に使用することで
生物学的製剤の高価な薬剤費を支払っても、
労働損失をすることに比べれば収入としてはメリットがあり
積極的に早期から生物学的製剤を導入しているとのことでした。

また、膝や股関節といった荷重関節にリウマチが発症した場合
関節が壊れることによる障害が大きくなり
経済的なデメリットも大きくなるため
積極的に生物学的製剤を使用するとのことです。

生物学的製剤は高価なお薬ですが、
薬剤費や治療費といった直接医療費だけでなく、
通院のための交通費、介護ベッド、ヘルパーなどの直接非医療費
通院のための休業、労働損失などの間接医療費も考慮して
総医療費を考える必要があり
2005年(まだ生物学的製剤が発売されて間もないころ)でも
リウマチ患者さんの疾病負担は総コスト229万円/年/人
労働損失としては152万円/年/人
だそうです。
現在では生物学的製剤により治療コストはもっと上がっているでしょうね。

日本経済から考えると、
病気になったことにより税金を払えなくなる人が一番多い疾患はうつ病。
2番目は筋骨格系疾患だそうです。

生物学的製剤は目先のコストは高い治療になりますが、
リウマチは仕事のパフォーマンスが下がるだけでなく、
仕事ができなくなる可能性も高い病気です。

最近ではDRUG HOLIDAYの提案もされており、
病勢が強いときには早く、強くリウマチを抑え
寛解に導入できたらしばらくお薬を休んでみる、というのもよいでしょう。

三宅先生は
WTP(Willing to Pay) 支払意思についてもお話しされました。
患者さんが自分の病気をコントロールするために
その薬剤費を喜んで支払ってくれるか。
これまでは関節破壊を防ぐことこそが医療の正しさだとされてきましたが、
経済の中で生活する患者さんが
関節が壊れる可能性を含みながらも生物学的製剤を選択しないというチョイスも
経済学的には支持される選択肢となります。

リウマチ治療にかかわる医療者は
病勢の強いリウマチにより関節が壊れる可能性
それに伴う日常生活ADLの低下や労働損失
についても患者さんに理解をしていただいたうえで
経済的な患者さんの背景を尊重して治療を進めることが大切になります。

2013.10.20 | コメント(0)

知多リウマチを考える会

知多リウマチを考える会川崎先生
9/28土曜日は第3回知多リウマチを考える会での
1時間の講演の機会をいただきました。

看護師さんに向けてのナースセミナーです。

僕の講演の前に一般演題として発表されていた
竹内整形外科内科の看護師さんは
生物学的製剤の導入から管理までの様子を聞かせてくれましたが、
診療が終わった後に月に1回ほど
看護師さんたちで集まってリウマチの勉強をしているとのことで
そのモチベーションと行動力に感銘を受けました。

僕の講演は
「リウマチクリニック立ち上げから2年間のとりくみ
  ~リウマチの素朴な疑問にお答えします~」
というタイトルで、
どのように専門的なリウマチ診療を行う体制を整えてきたのか
これまでの苦労と改善の積み重ねをお話しさせていただきました。

事前に出席予定の看護師さんたちからは

・BIOの位置づけ、使用状況、導入のタイミング
・BIOを患者さんに受け入れてもらうポイント
・ペン型製剤のメリット、デメリット
・薬剤による診療報酬の違い
・自己注射指導の工夫、看護師に求めること
・院内で気を付けている点、ルール、患者さんの管理
・リウマチ診療において看護師に求める役割
・患者さんからよく質問されること

といった多岐にわたる質問をいただいており
それらを盛り込んだ講演内容を作ったら
1時間では足りないくらいにお腹いっぱいの内容になってしまいました(^_^;)

ともあれ、
以前当院の看護師が東京のRAトータルマネジメントフォーラムで発表させていただいた
リウマチ診療の工夫と変遷についての発表スライドを
僕の講演の途中にはさみ、
実際に当院の看護師からお話ししてもらいました。
その時その時の課題を少しずつクリアーして
現在の当院の診療体制ができてきたことを
参加されたナースの方たちにも一番よく伝わったのではないかと思います。

主婦であり、お母さんである看護師さんたちが
こうして時間を割いて勉強会に出てくることは大変だとおもいます。

家族の支えがあって、仲間の支えがあって
現在のリウマチ診療体制が少しずつ前進してきたことを感じます。

講演の後は、座長をしてくれた富貴ノ台整形外科の院長 川崎慎二先生と
お食事の機会をいただきました。

知多では数少ないリウマチをしっかり見ていらっしゃる先生で
超音波も使って診断治療をなさっているとのことでした。

先輩院長としての苦労話や、
リウマチ診療、整形外科診療にかける思いも共有し
とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

川崎先生、どうもありがとうございました。
今回の講演をサポートしていただいたファイザーの方々にも
この場を借りてお礼申し上げます。

2013.09.29 | コメント(0)