ハイドロリリースについて

ハイドロリリースについてのお問合せが増えています。

というのも、6/11放送の
名医とつながる!たけしの家庭の医学
で、帝京大学の笹原先生により
ハイドロリリース注射が紹介されたからでしょう。

笹原先生は、
僕がよく参加している勉強会でも
講師を務められている、
ハイドロリリース界の第一人者です。

これまではトリガーポイントでのお問合せが多く、
メディアでもトリガーポイント治療で
放送されることが多かったのですが、

今回はテレビでハイドロリリースという名前で
頑固な肩こりや腰痛の治療が
紹介されたからですね。

ハイドロリリースというのは、
液体を筋肉や筋膜、神経周囲などに注入して
痛みの原因となっている筋肉、筋膜、神経を
治療する方法の総称です。

保険治療でそう言った治療があるわけではなく、
ここ数年で急速に広まりつつある治療コンセプトです。

従来保険収載されている
トリガーポイント注射というのは
ただ患者さんが痛いと言う場所に
麻酔薬を注射する方法のことを指していました。

しかし、患者さんの動きと痛みの出る動作を
診察で確かめて、筋肉のしこりを正しく触診し
本当に痛みの原因となっている場所を見抜いて
液体を注入(ハイドロリリース)すると、
これまで痛み止めや手術でも取れなかった痛みが
その場で和らいでしまう。

伸びなかった関節が伸びるようになり、
首が回るようになったり、
肩が上がるようになったり、
前屈可動域が増えて腰痛が軽くなる。
そう言った効果が見られます。

あくまでキモとなるのは
超音波を見ることではなく、
医者が身体の動きを分析する診察技術や、
筋肉や神経の触診技術です。

患者さんの中には、
超音波を見れば悪い場所がわかる!
とテレビを見て勘違いされる方もいますが
あくまで医師の診察技術が大切なのです。

テレビでは超音波を用いて注射をしていますが
実際の治療では必ずしも超音波を必要とはしません。

超音波は注射リスクのある部位や、
手の感覚だけでは注射が難しいところに
補助的に使用するものです。
それでも、同じ効果が得られます。

ご注意いただきたいのは、
これまでもテレビを見て受診したという
患者さんの中には、
治療して効果は出ているにも関わらず、

「超音波を見ていない」
「一回の治療で全て治ると思っていた。」
「医師の診察や検査はいらないから
超音波を見て注射だけして欲しい」

などと言われる方もいました。

当院ではトリガーポイント治療、
ハイドロリリース治療を行っていますが、
以下の点にご留意いただいた上で
受診するようお願いいたします。

個人個人によって異なる生活習慣から生まれる
さまざまな痛みの治療は
一回で終わる人もいれば、
何度も通ってもらって治療すべき人もいます。

注射は医師の診察と診断のもとで
必要と考えた場合にのみ行います。

注射は、必ず超音波を見て行うものではありません。

初診時にはレントゲンやMRIなどの検査が
必要な場合もあります。
(他院で行なった検査結果があれば、
是非お持ちください。)

身体の状態を知るために、
時には採血も行うこともあります。

「医師の診断は必要ないから、
ただ超音波を見て注射だけをしてくれれば良い」
と言う方も過去にいましたが、
その際には保険適応とはなりません。
その場合の自費治療は1部位1万円となります。
(東京の某院では初診注射1部位2万円でした。)
その場合の1部位とは、
右肩、左肩それぞれ1部位と数えます。

ハイドロリリースと同様の治療効果は
患者さんの状態により
リハビリや鍼治療で十分なこともあります。
医師の判断により、
最適な治療オプションを提示します。

以上の点を了承していただけるならば、
これまでなかなか治らなかった痛みで
困っている方のお役に立つのは喜びです。

これまでたくさん勉強してきた知識と技術で、
患者さんの痛みを改善に導けるように
頑張りますよ!

しばらくは混雑も予想されるため、
ご来院の際には、
朝は8:30頃
夕方は3:00頃から並んでいただくと
待ち時間は少なくなるかと思います。

午後は水曜、土曜は休診です。

受付終了時間は
午前11:00
午後6:00
となっていますが、
頑固な長引く痛みをお持ちの患者さんの
診察時間は長くなる場合もあるため、
混雑状況によっては
当日の新患受付をお断りする場合もございます。

受付終了時間間際の駈込みは
ご遠慮頂くようお願いいたします。

また、
超音波を用いたトリガーポイント鍼治療は
当院関連の名古屋トリガーポイント治療院でも
行なっております。

こちらは実費予約制となります。

これまで鍼治療はやったことあるけど、
うまく効果が上がらなかった
と言う方にもおススメです。

名古屋トリガーポイント治療院のリンクはこちらです。

2019.06.12 | コメント(0)

9月に電子カルテの入れ替えがあります。

開業から8年使ってきた電子カルテ。

パソコンの寿命もあり、
この度入れ替えることになりました。

当初7月からの入れ替え予定でしたが、
導入準備が長引き、9月になりました。

電子カルテが変わると、
診療内容は変わらなくても
画面の中のスイッチの場所が変わったり、
画面の開き方が変わったりと
慣れるまで時間がかかります。

現在スタッフみんなで残業しながら
新しい電子カルテの練習をしています。

それでも、システムが入れ替わる
9月初めの2週間ほどは
診療に遅れが生じる可能性があります。

待ち時間も長くなると思われるので、
痛みが強いとか、緊急の状態などでなければ
8月末までに受診されるか、
電子カルテ入れ替え後、
少し落ち着いた9月中頃以降の受診が
良いかと思われます。

もちろん、体調が悪い場合は
遠慮なく受診してくださいね。

しばらくご不便をおかけします。

2019.06.05 | コメント(0)

SAKURAの会 第8回 関西関節エコーEXPERT SUMMIT

今日は外来終了後、大阪へ。
SAKURAの会 第8回 関西関節エコーEXPERT SUMMITです。
関西のエコーエキスパートばかりが集まる、
とても面白い会です。

この会で症例提示をするのもこれで3回目。
今回僕が提示した症例は。。。

60代女性 抗CCP抗体 強陽性の再発性右アキレス腱炎、左膝蓋腱炎の一例
アキレス腱部の軽度浮腫と肥厚。
超音波では付着部よりも、アキレス腱、膝蓋腱の腱全幅にわたる著明なドップラー陽性像。皮下の浮腫像(+)

四肢関節の疼痛、腫脹、圧痛なし。
腰痛なし。
皮疹なし。
下痢・血便なし。
腰椎・胸椎所見なし。
アキレス腱は軽度浮腫上に肥厚しており、単なるメカニカルストレスによるアキレス腱炎とも違いそうな印象。
リンデロンを腱内に局所注入著効するも短期間に再発。
抗CCP抗体120 RF5 MMP-3 48 ANA 40未満 CRP 0.27 ESR 36 
RF、AS、PsA、OVERLAPなど鑑別に挙げつつ、局所注射も完全寛解に至らないため、MTX8㎎開始したところ、2週後速やかにアキレス腱部と膝の痛み消失。

フロアディスカッション
滑膜のない、腱から初発するRAも報告されている。
抗核抗体陰性であればほぼSLEは除外される。
抗核抗体陰性でも、抗ARS抗体、抗SS-A抗体は陽性のことがある。
四肢の浮腫がある場合には悪性腫瘍のスクリーニングは必要。婦人科系も含む。
腱の中にアコースティックシャドーを含めた石灰化もあり、痛風や偽痛風の可能性は。

やはり開業して一人でやっていると、よくあるパターンにはまらないときに
悩ましい症例に出会うことがあります。

大変ではありますが、こういうエキスパートの会で自分の症例と考えを提示して
様々な意見や最近のエビデンスについての知見を得ることはとても大切です。

され、その他の勉強としては、以下のようなものでした。
今回もとても楽しい会で、ためになりました。

膠原病膝 京都府立医科大学 免疫内科学 和田誠先生
関節初発のベーチェット病も18%あり。RAとして治療されている場合も。
線維筋痛症 関節超音波では付着部の炎症認めない。 ほかの膠原病とのOVERLAPも稀ではない。
SLE 44/65例に付着部炎
関節超音波による膠原病膝についての詳細な検討は多くはない。
PMRでも膝周囲の滑膜炎がみられることがあり、RAとの鑑別困難なことも。

OA膝 奈良県立医科大学 リウマチセンター 原良太先生
MRIで骨髄浮腫は軟骨損傷の予測因子となる。
早期の形態変化はレントゲンよりも超音波が検出しやすい。
半月板には環状靱帯がついている。
骨棘ができると半月板は外に逃げてしまうため、半月板の逸脱が起こり、半月板のクッション性は失われてしまう。
内外反ストレス、立位荷重ストレスでの超音波エコーを。
OAは単にすり減るだけではなく、多因子の病態。
low gradeな炎症は全身に影響する。
OAでも骨棘周囲にドップラー陽性の炎症像がみられることがあり、術中所見では滑膜が発赤している。
OAの炎症性サイトカインの中心と考えられているTNFだが、抗TND製剤をOAに使用しても効果がない。
OAはヘテロな疾患。炎症の強いものもあれば、軟骨損傷の強いものもある。

結晶誘発性膝関節炎 大阪市立大学 整形外科 岡野匡志先生
膝の大腿骨のdouble contour sign 感度42% 特異度100%
軟骨にプローブを垂直に当てると軟骨が良く見える。
時に輝度が高く映ることがあり、double contourの偽陽性も。
水腫のある関節では軟骨表面が白く見えやすい。プローブで圧迫するか、関節を屈曲伸展させながら水腫の影響を除くことで軟骨表面が白くなくなれば、DCではない。
腱の中の結晶沈着も結構ある。あえてアニソトロピーを利かしてスキャンすることで、石灰化かどうか判別することができる。
GOUTに関しては、エコーよりもDual Energy CTが有用との報告も。

CPPDは軟骨に石灰が沈着してくる病態。 
痛風は関節内に尿酸ナトリウムが析出しており、軟骨表面や半月板表面に結晶沈着する病態。
偽痛風性の関節炎は関節破壊が強くなる。
塩基性リン酸カルシウム結晶BCPを組織学的に証明することはできない。ミルウォーキーショルダーが高齢女性に起こることがあり、肩関節が高度に破壊されることがある。
腱や結合組織にも沈着することがある。
レントゲンで結晶がみられることがある。

膝周囲腱付着部 北播磨総合医療センター リウマチ膠原病内科 三崎健太先生
腱には直角にエコービームを当てて描出することが重要だが、付着部はアニソトロピーで黒く抜ける。そのため、関節を30度程度屈曲して腱付着部がまっすぐに伸びるようにすると描出しやすい。
腱付着部というのは骨から約2㎜の範囲を指す。
骨棘やerosion、石灰化がみられることも。
大腿四頭筋腱には4つのレイヤーがある。大腿直筋、中間広筋、内側広筋、外側広筋
表層から、大腿直筋腱、内側外側広筋が2,3層目、中間広筋が4層目
膝蓋腱 90度屈曲位で超音波観察するときれいに見える。
鵞足の描出 内側側副靱帯の遠位に下内側膝動脈を認め、その遠位部に鵞足を描出する。下内側膝動脈を鵞足の炎症と間違えないように。
MCLの遠位部に縫工筋腱が乗ってくる。そのやや遠位に、表層から、縫工筋腱、薄筋腱、半腱様筋腱が描出される。

2019.06.02 | コメント(0)

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