アクテムラの望ましい導入時期とは?

爆弾低気圧が過ぎたあとも
しとしと長雨が続きますね。

毎年桜が咲いたかと思うと
春の雨で散ってしまうなあと
さみしい思いをしている気がします。

さて今日は、
名古屋大学リウマチ班の
生物学的製剤研究会のうち、
トシリズマブ(アクテムラ)グループの
ミーティングがありました。

4月末の日本リウマチ学会で
発表する内容を事前に内輪で検討しあう
予行演習の回です。

名古屋医療センター時代は
僕も毎年演題を出していましたが
今年は開業初年度ということもあり
発表はおやすみとしました。

今日の診療が終わってから駆けつけたので
一部しか聞けませんでしたが、
アクテムラという生物学的製剤は
発症1年以内の早期に導入することで
Boolean寛解という、
とても厳しい寛解基準を満たすほどの
成績を出しやすくなることがわかりました。

Boolean寛解というのは
圧痛関節数1つ以下
腫張関節数1つ以下
CRP1以下
患者さん自身の病状評価10mm以下
という4項目をすべて満たすものです。

リウマチは全身性の炎症疾患であり
火事に例えれば、
ボヤのうちにしっかりと消火しないと
次第に火の勢いは強くなり
消火が難しくなるだけでなく
骨を溶かし
関節の機能が破壊され
痛みを完全になくすことが難しくなっていきます。

どの生物学的製剤にも共通することですが
早期に適切なタイミングで導入することで
最大限の効果を引き出し
関節を壊すことなく
痛みや腫れのない元通りの生活に
戻ることができるようになります。

リウマチの治療は進歩しているのです。

2012.04.06 | コメント(3)

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