仕事

今のクリニックのスタッフは、
僕を入れて17人になりました。
理学療法士2人、看護師3人、放射線技師1人、事務員10人。
それぞれがプロフェッショナルとしての意識高く働く
大切なチームです。

先日、名古屋医療センターの新人研修医たちに講義をしてきました。

「プロフェッショナリズム」についてのお話しです。
僕が話すのもおこがましいほどのタイトルですが、
医者である前に、社会人になるためには一番最初に意識しなくてはならないものです。

人生の中で多くの時間を費やす仕事。
これが、時間を切り売りする、時間をお金に換えるだけのもの
とするならば、人生はとても無味乾燥なものとなるでしょう。

僕は店主のこだわりだけを押し付ける
うまければ食べに来るだろうと思っているような
頑固が売りのラーメン屋などにはいきたくありません。

おいしい料理を提供する腕前があるならば、
おいしい料理をさらにおいしくする五感。
さらには、満足感や充実感といった第六感を演出することにも
気を配るお店に
同じお金を落としたいと思います。

お客さんが来なければ、いくらおいしい料理が作れたとしても
多くの人に食べてもらうことはできません。

プロならば、おいしい料理を作るだけでなく、
その料理をより多くの人に届けるにはどうしたらよいのか、
常に考え続ける必要があります。
それが、自分の能力を社会のために生かすことになります。

医療者としての知識や技術がその料理の味だとするならば
医療の知識や技術を磨くのは当然のこと。

その上で見た目にも気を配り、
相手が一番理解しやすい言葉を選び
最高の笑顔で
送り出す「お大事に」の一言に、
心から元気になってほしいと思う気持ちを込める。

一人ではなしえない仕事も、
仲間がいるからこそできるものだと謙虚に認識するからこそ
患者さんを大切にするのと同じレベルで
仲間を大切にする。

1+1は2ではなく、
チーム力により10にも100にもなる。
チーム力がなくては0どころかマイナスになってしまいます。

常に高い意識を持って
自分の目の前の人に何がしてあげられるのか
自分の隣人を幸せにすることができるか
考え、動き続ける。

仕事を通して人間は成長することができます。
仲間を通して人間は助けられています。

気持ちがへこんでいる時に
患者さんの笑顔に助けられることもしばしばあります。
「よくなったよ。」「ありがとう。」の言葉に
支えられることも何度あったでしょう。

僕たちは患者さんによって
自分達の存在意義を確認させていただいているのです。

患者さんの病気やけがを治すのが医療者の仕事ですが、
その先にある究極の目標は、
患者さんが訪れるだけで元気になってしまう場所なのです。

2012.04.18 | コメント(6)

コメント