骨粗鬆症治療薬フォルテオ発売一周年
週末は東京でした。
世界で初めての骨形成促進薬
フォルテオの一周年記念講演会。
メタボリックシンドロームと言われる
高血圧や悪玉コレステロール、糖尿病から
ひいては脳梗塞や心筋梗塞となり、
介護が必要となる方が多いのは有名ですが、
ロコモティブシンドロームと言われる
筋力低下や関節の変形、骨粗鬆症になどによる転倒や骨折も
要介護となる原因の実に21%を占めます。
なかでも脊椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折が
寝たきりの原因や生命予後に関わりが深く、
しかも一度骨折すると再骨折の可能性も
非常に高くなります。
骨粗鬆症の治療薬では、
これまでは週に一度から月に一度内服する
骨を壊れにくくするお薬が主流でした。
しかし、新しい治療薬フォルテオは
これまで骨折歴のある方や
内服薬では骨量増強効果が十分ではない患者さんでも
優れた効果が得られるとのことです。
しかも、今回の講演会で興味深かったのは、
骨粗鬆症による骨折後、手術を行っても
骨癒合が十分でなかった患者さんに
フォルテオを投与したところ、
再び骨が活性化し、骨癒合を得られ、
痛みも改善したという症例も
複数提示されていました。
会場内の医師達によるアンケートでは
フォルテオは注射製剤ですが、
主に使用しているのは70~80代の
骨折歴や重度の骨粗鬆症のある患者さんで
導入には大きな困難はないとのことでした。
当院でもすでに30名ほどの患者さんが
フォルテオを導入しており、
80代の方でも1~2回の看護指導で
お一人でも打てるようになっています。
フォルテオがその効果を最大限に発揮するのは
注射開始から半年以上経過してからとのことです。
最大二年間まで投与可能なお薬フォルテオ。
これまで骨折したことがある方や、
ご両親に骨粗鬆症による骨折のある方は
ぜひご相談ください。
2011.12.06 | コメント(24)
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