生物学的製剤アクテムラの勉強会

福島赤十字病院 内科 消化器科の
宮田昌之先生の

トシリズマブ治療でメトトレキサートは併用すべきか

というタイトルのご講演を拝聴しました。

ACT RAY試験では、
MTXを併用してもしなくても、
最終的には効果に優位な差はない。

一方発症から4年未満の患者さんを対象とした
日本のサプライズ試験では
MTXとアクテムラを併用した方が
MTXを止めてアクテムラにしたものよりも
早く炎症を抑えた
との結果が出ています。

MTXを中止する理由がないのであれば、
そのまま継続しても良いのではないか

ただし、MTXを併用している場合には
肝機能障害が起こってくる頻度が
多くなる

インスリン抵抗性、肥満、過食

酸化ストレス、炎症性サイトカイン、脂質過酸化
などが加わって、
NASHが発生してくる

ゆっくりと進行する血小板の減少、
肝線維化、手掌紅斑、顔面紅斑、
食道静脈瘤など
肝硬変にも注意が必要。

MTXがNASHを引き起こす可能性も示唆されるため
アクテムラで寛解に至れば、MTXを減量するのも
戦略の1つである。

NASHの確定診断は肝生検によるが、
原因不明の肝障害があれば、
肝線維化マーカーである
type4コラーゲンやヒアルロン酸、
血小板数をフォローすることもよい。

とのお話をいただきました、

消化器専門医であり
リウマチも見ている先生からのお話は
我々整形リウマチ医に
古くて新しい視点を与えてくれました。

2015.12.05 | コメント(0)

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