リウマチ勉強会で東京です。
今日は仕事が終わった後、東京に来ています。
リウマチの生物学的製剤シンポニーのお勉強会です。
講演内容の要点を箇条書きにしますね。
リウマチの患者さんや、リウマチ患者さんを診療している先生のお役に立てますように。
明日は痛みのお勉強です。これも東京。
TNF阻害薬によりもたらされたRA治療の変遷
レミケード休薬 RRR試験 2010
平均罹病期間5.9年の患者さんでも
深い寛解DEEP REMISSIONになれれば、レミケード休薬も可能。
HOPEFUL3
ヒュミラの休薬試験
RA BEAM試験
ヒュミラはJAK阻害薬オルミエントと同等以上の骨破壊抑制効果
RANKLに依存せず、TNFαとIL6により誘導される破骨細胞がある。
2013 TNF阻害薬を使用すると重症心血管障害MACEが減る。
2018 ANOUBEAU試験
ヒュミラを使うことで仕事ができるようになり労働生産性が上がる。
2015 PARA試験
妊娠前の疾患活動性が高いと妊娠しづらい。
早産のリスクにもなる。
レミケードは胎盤透過性があるので妊娠末期は中止すること。出産後の子供の免疫力が低下する。
2017 RF 抗CCP抗体が高力価であればTNFαも高いと推測される
ACPA-ICはRFが高力価で存在するほど、マクロファージからのTNFαを強く誘導する
2019 抗核抗体上昇は、生物学的製剤の効果不十分と関連する。
特にレミケードで抗核抗体が誘導されやすい。
CRPが1.5以上や、高疾患活動性の患者さんでは、シンポニーは100mgが望ましい。
2018 生物学的製剤をつかってもリウマチの分子寛解molecular remissionは達成できていない。
リウマチ患者さんは増えている。
治療が良くなったことで長生きになっている。
D2T RAとは、
2剤以上の生物学的製剤やJAK阻害薬でもLDA寛解できない。
ステロイドの減量が困難
年間にかかる医療コストが高額になる。
KURAMAコホート 2021
RF高値や肺疾患があるとD2T RAになりやすい
65歳以上はHAQ改善が難しい
→QOLが落ちる前に早期診断、早期に寛解を目指した治療が必要。
D2T RAを疑えば、
まず診断がリウマチで正しいのか見直す。
エコーを使って活動性滑膜炎なのか評価する
活動性滑膜炎がないのに無闇に薬を変え続けないように。
変形性関節症によるものであれば手術も検討。
D2T RAを生まないためには
早期診断、早期治療、T2T
有効性を見極め、安易な薬剤変更を行わない。
ステロイドに依存しない治療
合併症のマネジメント
患者さんの服薬指導
寛解後に生物学的製剤からやめるか、MTXから辞めるかの薬剤taperingについては、アメリカリウマチ学会とヨーロッパリウマチ学会では逆の推奨。
2023.07.29 | コメント(0)