レミケードとアクテムラ
祝日明けの土曜日。
仕事を終えたあと、大阪へと向かいました。
生物学的製剤の草分け的存在
レミケードの講演会を聞くためです。
まず最初に、慶應義塾大学の竹内勤先生から
レミケードの増量研究、Rising Studyについて発表がありました。
レミケードを初回、2週目、6週目に投与した後、
10週目の段階で3㎎継続群、6㎎への増量群、10㎎への増量群と
割り振ります。
すると、3㎎群では30%、6㎎群では40%、10㎎群では45%で
寛解を達成できたとのことです。
また、低疾患活動性は
3㎎群 40%、6㎎群 50%、10㎎群 55%でした。
現在の生物学的製剤には、
炎症性サイトカインであるTNF-α、IL-6
また、その上流にあるT細胞を標的としたものがありますが、
TNF-αを抑制するレミケードでは、
患者さんの持つTNF-αの量に合わせたレミケード濃度が必要となります。
リウマチの発症早期にその患者さんが必要とする濃度まで速やかに増量することで
高い寛解率が得られることが示されました。
現時点では一般臨床の現場では、患者さんの持つTNFαの濃度や
レミケードの濃度を測定することはできませんが、
その患者さんのレミケードによる症状改善の程度から
レミケードの濃度不足を速やかに察知し、増量することで
レミケードのもつ力を十分に発揮させることが必要です。
また、産業医科大学の田中良哉先生の発表では
4種類の生物学的製剤が出そろった2008年以降のデータを比較すると
レミケード、ヒュミラ、エンブレル、アクテムラ
いずれも1年間の継続率、副作用出現率に有意差はありませんでした。
しかし、レミケード、ヒュミラでは寛解からの休薬率が高いことが示されました。
レミケードでは、半年以上寛解を維持できた方では
半分の人でレミケードを休薬できること。
もしリウマチが再燃しても、レミケード再開で速やかに効果が得られることも
示されました。
また、日曜日のアクテムラ3周年記念講演会では
アクテムラを含めた生物学的製剤の病診連携と
現時点でのアクテムラのエビデンスにつき発表がありました。
アクテムラはサイトカインIL-6を抑制する生物学的製剤ですが、
TNF-αを抑制する生物学的製剤が無効であった患者さんや
肺や腎臓の合併症などでMTXが使えない患者さん
または、長期にリウマチを罹患している患者さんでも
高い効果が望めることが示されました。
確かにとてもありがたいお薬なのですが、
感染症の際に指標となるCRPの上昇や、発熱などが出づらくなってしまい、
感染症に気づきづらくなるという側面も持ちます。
今後クリニックレベルにおいてアクテムラを使いこなす先生が
増えていくためには、
医師が基本的な感染症診療の知識と診療技術をもつことと、
リウマチ基幹病院との密な病診連携の体制をとることが求められます。
2011.09.26 | コメント(2)
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