佐久平で講演。慢性疼痛と骨粗鬆症
今週末はイーライ・リリーさんの企画で
当院の看護師小島さんと
長野県 佐久平まで出張講演でした。
まだまだ佐久地域では
骨粗鬆症の骨形成促進薬フォルテオや
慢性疼痛治療薬サインバルタ
がそんなに使用されていないようで、
今回使用経験の多い私に講演の依頼が来ました。
名古屋駅から新幹線で東京経由。
北陸新幹線で軽井沢を超えて、佐久平に到着しました。
佐久平の町の結婚式場が会場となり、
医師だけでなく沢山の看護師さんが
聴講に来てくれていました。
僕からは、
「実臨床におけるフォルテオの効果と
当院の慢性疼痛治療戦略」
というタイトルで、
開業以来取り組んでいる
トリガーポイント治療や筋膜リリースを中心に
慢性の痛みの原因をしっかりと追究して治療することを中心に
痛みの慢性化に伴う知覚過敏や
高度な関節変形が痛みの原因になってしまった場合には
サインバルタ1錠でも効果のある症例が
よく見られることについて講演させていただきました。
同時にフォルテオのお話も頼まれていたので
1時間猛スピードでスライドをめくって駆け抜けました。
続く小島看護師は
「Drに丸投げされたフォルテオ導入の受け止め方」
という講演。
この講演タイトルを見て
聴きたい!
と来てくれた看護師さんも多かったようです(#^^#)
フォルテオ導入経験の豊富な小島さんのお話は
患者さんの導入実例も含めて、
患者さんが自己注射のために行っている工夫の数々を
参加した看護師の皆さんと共有してくれる
とてもいい講演でした。
懇親会では小島さんに
これまでフォルテオの患者さん指導がうまくできずに
あきらめてしまった看護師さんが話しかけてくれたり
たくさんの看護師さんから共感の声をいただけたようで
小島さんもはるばる佐久まで来てよかったと
とても喜んでいました。
最後に佐久まで講演のお声をかけてくれた
イーライリリーの水間君、当院担当の佐島さんと
記念写真を撮って
佐久講演の旅は終了しました。
帰りの新幹線では
僕たちの講演のために
てきぱきと仕事を進めて送り出してくれた
当院のスタッフたちに感謝しつつ
小島さんと3時間語りあえたとても大切な時間となりました。
また明日からの痛み診療、骨粗鬆症診療
みんなでがんばろっと。
2017.10.16 | コメント(0)
腰椎・大腿骨骨密度と骨粗鬆症診断基準
女性では50歳前後の閉経を迎えると
女性ホルモンの分泌が低下するために
急速に骨密度が下がっていきます。
骨密度や骨質が低下し、骨粗鬆症が進んだために発生する骨折を
脆弱性骨折と呼びます。
脆弱性骨折で頻度の多いものは
背骨、大腿骨のつけね、手首、上腕骨のつけね
などですが、
背骨(胸腰椎の圧迫骨折)や大腿骨の頚部骨折を起こすと
日常生活動作レベルが下がることにより要介護度が上がったり
高齢者では寝たきりにつながることもあります。
骨粗鬆症かどうかの診断は
2012年度改訂版の原発性骨粗鬆症診断基準によると
1.すでに脆弱性骨折がある場合
背骨の骨折がある または 大腿骨の骨折がある
その他の脆弱性骨折があり、かつ 骨密度が若年者の80%以下
2. 脆弱性骨折がない場合
骨密度が若年者の70%以下
となっています。
骨密度の測定部位は
国際的には腰椎、または大腿骨での測定が基本となっており、
当院では腰椎と大腿骨の両方を測定しています。
これまで普及していた手首や踵の骨密度測定は
腰椎や大腿骨で測定できない場合の参考値にはなります。
これまで手首や踵で測定して骨密度が大丈夫と言われた方でも
骨密度は身体の中で均一ではないため
腰椎や大腿骨といった重要な部位で測定すると
骨密度が低い場合もあります。
一度腰椎・大腿骨骨密度を測定することをおすすめします。
背骨はこれまで骨折を自覚していなかった方でも
若い時に比べて2cm身長が縮んだ方では骨折が隠れている可能性があると言われます。
胸腰椎圧迫骨折をしたことのある方では
再度圧迫骨折するリスクは3~4倍。
大腿骨のつけねを骨折するリスクは3~5倍になります。
大腿骨のつけねを骨折したことのある方では
新規に骨折するリスクが2.5~6.48倍となります。
骨粗鬆症を予防するためには、
思春期から閉経までにしっかりと運動して、カルシウムをとっておくことが大切。
閉経を過ぎると、食事だけでは骨密度が増えないことがわかっています。
背骨を骨折すると背が縮み、腰が曲がり、内蔵が圧迫されます。
肺の圧迫により呼吸が浅くなり、
胃の圧迫により胃酸がこみ上げることも増えます。
痛くて寝ている期間が長くなれば、全身の筋力も衰えます。
大腿骨を骨折すれば歩けなくなり、手術が必要となります。
手術をしても杖が必要になったり、車椅子になる人もいます。
骨折してから後悔する前に
まずは自分の腰椎・大腿骨骨密度を測定して
骨粗鬆症ならば時間を味方につけて早めにお薬で治療することが大切ですね。
2013.10.21 | コメント(0)
リタ活!セミナー
2012年度の小中学生の人数が
過去最低を更新したことが、
文部科学省の調査で判明したそうです。
http://m.huffpost.com/jp/entry/3788109
今回8/10土曜日に
ファイナンシャルプランナーの伊藤剛之さんを
お迎えして行った「リタ活!セミナー」
リタ活!とは、”リタイアしてからの人生を充実させるための活動”
のことだそうです。
今回参加された人には、伊藤さんからこのリタ活!ノートが
なんと無料プレゼントされたのですが、
内容はとても深いもので、
自分の生い立ちを見直し、自分の今後の生き方を考えるツールです。
今後の自分の生き方プランを見つめ返して夢を描き、
そのために必要なことを考える機会を作ることがまず大切。
その時に必要な元手の基礎となるのが年金ですが、
日本人の平均寿命は
1960年には男性65.32歳、女性70.19歳でしたが、
2012年には男性79.94歳、女性86.41歳と大幅に伸びました。
そして冒頭に挙げた少子化の進行ですから、
年金が60歳から65歳支給となっても、
その後の支給年月の伸びのほうが上回っており、
無理があることがここからもわかりますね。
そのため、まずは送られてくる年金定期便を眺めて
自分の年金額がどのくらいあるのか確認し、
それを基盤としつつ、自分の夢を実現させるためには
あとどのくらいの時間でどのくらい貯蓄すればよいのか
それをリタ活!計画ノートを用いることで
具体的に考える機会となることを
今回のセミナーでは教えてくれました。
また、すでにリタイアしている方も
最近書店で売られている各種エンディングノートなどを用いて
自分史を作ることで
その人らしい、理想的なお葬式が迎えられることも
教えていただきました。
そして、何よりリタ活!に大切なことは
生きているだけでなく、健康寿命の長寿を目指すこと。
僕からは、日常の整形外科診療の中から、
ロコモティブシンドロームについてお話しさせていただき、
いつも仕事で使うだけの同じ姿勢、同じ動作だけでなく、
全身を使って動くことでコリや痛みを防ぎ
筋力低下を防いで
いつまでも動ける身体と姿勢を維持することの大切さを
お話しさせていただきました。
みんなで健康寿命長寿を目指してリタ活!しましょう!!
2013.08.21 | コメント(0)