院長ブログ

リウマチ患者さんからのよくある質問

当院に通院中のリウマチ患者さんからのお問合せで
よくあるものをまとめました。
ご参考になさってください。

Q. MTX(リウマトレックス、メトレート)を飲み忘れたらどうしたらよいですか?

A.
 1日遅れで内服すれば大丈夫です。
  翌週からは、いつも通りの曜日に内服してください。
  もし数日間も忘れたのであれば、その週は内服をせず、
  翌週からいつも通りに内服してください。

Q. MTXを服用後、気持ち悪くなった場合はどうすればよいですか?

A. MTXを飲める量には個人差があるため、
  増量後に気持ち悪くなった場合にはご来院の上、
  その旨を医師に伝えてください。 
  MTXをもとの量に戻すか、減量しながら、
  他のお薬の併用などを考えてまいります。

Q. 風邪・発熱・口内炎・帯状疱疹などの症状がある際は、薬を飲んでいいですか?
A. 軽い風邪程度であれば通常通り内服してください。
  発熱や咳・痰、痰のない空咳などの症状がある際は、
  肺炎などの可能性もあるため、内服を中止して速やかに受診してください。
  口内炎はMTXの量が多い時や、疲れているときに出現します。
  日頃から疲れをためず、はやめに休息をとり、
  十分な睡眠と手洗い、うがいをこころがけましょう。

Q. 自己注射を忘れた場合はどうしたらよいですか?
A. 翌日投与すれば大丈夫です。
  週1回投与製剤の場合には、もし数日間遅れてしまった場合には、
  翌週のいつもの曜日に投与してください。

Q. 自己注射部位が赤く腫れた場合はどうしたらよいですか?
A. 注射によるアレルギー反応の可能性があります。
  赤く腫れた部位を写真で撮影したうえで、受診してください。
  注射針が毛細血管にたまたま当たってしまうこともあり、
  その場合には小さな出血斑(紫斑)ができることがありますが、
  その場合にはいつもよりしっかり圧迫止血をしていただければ大丈夫です。

Q.旅行に行く際に注射する日が重なります。注射の日を変更してよいですか?
A.週1回製剤の場合、1日程度であれば早めたり遅らせても構いません。
 もし数日間ずらすようであれば、その週は投与を見合わせ、翌週から投与しましょう。
 2週間に1回、4週間に1回などの投与の場合は、数日間ずらしても構いません。

Q.お薬を服用後、皮膚のかゆみや発赤が出ました。どうしたらよいですか?
A.内服によるアレルギー反応の可能性があります。
 特にアザルフィジンでは、飲み始めに発熱とともにみられることがあります。
 その他、たまたま季節のアレルギーや食物アレルギーが重なる場合もありますので、
 症状が出た部位の写真を撮って、受診するようにしてください。

2018.12.26 | コメント(0)

岡崎からリウマチWEBセミナー

10/24水曜日は、診療後の夕方から岡崎へお出かけし、
加藤整形外科の加藤武史先生と
リウマチが専門ではないけれど
リウマチの患者さんを診療している
開業医の先生たちに向けて
インターネットwebセミナーを行いました。

今は関節リウマチの治療薬が進化して
専門医にかかれば
ほとんどの人がリウマチを忘れられるほど
よくなることができるようになっています。

その一方、専門医にかかっていない患者さんは
まだなかなかリウマトレックスやメトレートといった
基本のMTX製剤も十分に使われておらず
注射の生物学的製剤や、
JAK阻害薬という低分子化合物の内服薬も
使用できずにいます。

何より大切なことは、
足趾を含めて全身の関節をちゃんと触診して、
壊れる可能性のある関節を超音波で見抜いて
発症超早期の関節が壊れる前の段階で
治療を開始することです。

今回は、
これだけは覚えておきたい!
プライマリケアのリウマチ診療
というタイトルで
僕からはリウマチ診断編として
手がこわばる、と患者さんが訪れた時に
鑑別すべき疾患と考え方についてお話ししました。

続いて加藤先生からは治療編として
いかに早期にMTXを増量するか
寛解に至らなければ速やかに生物学的製剤を導入するか
そして、加藤先生が実践されている、
リウマチ発症早期に行う
ヒュミラとMTXの同時投与の経験などを
お話していただきました。

現在は基本のお薬であるMTXを
いかに早く16mgの最大容量まで増量して
その人に必要な有効血中濃度に達するか
がとても大切であると言われています。

僕や加藤先生の実経験でも
診断してすぐにMTX8mg
2週後に12mg
その後2〜4週で16mgまで増量して
速やかにMTXの効果を最大限発揮します。

副作用としての吐気や倦怠感、
採血異常値などがみられたら、
HIT&AWAYで速やかにMTX容量を減らします。

それでも寛解に至らなければ、
早期にその人に1番よいと思われる
生物学的製剤をチョイスします。

特に発症超早期の人であれば
ヒュミラを選択します。

HIT EARLY & HARD
そして
HIT & AWAY
がとても大切なコツです。

ヒュミラは寛解後に中止できる患者さんも
他の生物学的製剤に比べて多く、
実際に関西グループのANSWER cohortでも
それを証明する論文が出てきました。

発症超早期のリウマチ患者さんに
出会うことの多いプライマリケアの先生が
ちゃんとリウマチを診断して
MTXを使いこなし、
必要であればヒュミラまで導入して
BIO freeまで達成する。

そんな治療格差のない時代が来るとよいですね。

もちろん、自分ではそこまでなかなか治療できない
という開業医の先生は
速やかに専門医に紹介していただきたいと思います。

治療も診断の技術も確立されてきた現在では、
医師がいかに早く診断するか
が1番大切なポイントになってきています。

今回の企画をしてくださったabbvie、エーザイの皆様と最後にパチリ。

よい機会をありがとうございました。

2018.10.26 | コメント(0)

強直性脊椎炎の画像診断

今日はabbvie主催、第2回Spondyloarthritis Imaging Seminarに参加してきました。
藤田保健衛生大学 整形外科の森田充浩先生の会で、small groupで延々discussionが尽きない会と聞いて来ました(^_^)。
19:00終了予定で、終わったのが20:30を回っていました。
噂通りです( *´艸`)

僕も自験例から強直性脊椎炎と関節リウマチの区別が難しい、seronegativeなオーバーラップ症例について提示させていただきました。

今日のご講演は、聖路加国際病院 放射線科の野崎太希先生。
放射線科医には珍しく、整形外科・脊椎・骨軟部病変にとても詳しい先生で、ご自身も肩関節学会に所属されていたり、関節の解剖も行うハイブリッドな先生です。

今日は「脊椎関節炎の画像診断における読影のポイント」
として、これでもか!と60分の講演時間を30分間オーバーしての画像シャワーを浴びせてくれて、大変ためになりました。

僕は遅れて参加になってしまい残念でしたが、聴講のmemoを皆さんとshareさせて頂きます。

強直性脊椎炎の脊椎MRI
T1とSTIR or Fat sup T2が必要
硬化性病変をチェックするためにT1は必要。
仙腸関節はSTIR or Fat sup T2

MRI:椎体や椎間板が白くなっているびまん性の破壊性病変:Anderson病変
XP 椎体辺縁のerosionによる欠損像:Romanus lesionとその周囲の硬化性変化:Shiny corner→椎体全体が四角く見えるようになるSquaring

Pre-radiographic SpA
STIR,fat sup T2、、、骨髄浮腫を見る。特にFluid-sensitive MRI sequenceと指定して撮影する。
T1 炎症後脂肪変性、骨髄浮腫、骨硬化の評価

仙腸関節病変のMRIsignal
骨炎、骨髄浮腫 T1low STIRhigh
脂肪変性 T1high STIRlow
硬化性病変 T1low STIRlow
仙腸関節滑膜炎は造影しないとわからない。

腸骨硬化性骨炎 Osteitis Condensans illi
SpAに移行する症例報告もある。MRIでは鑑別難しい。
レントゲンの硬化像から診断。両側対称性。通常仙腸関節の狭小化はない。
腸骨側主体の三角形の境界明瞭な硬化像。

仙骨不全骨折も鑑別に。

脊椎病変の鑑別
SpAと化膿性脊椎炎、結核性脊椎炎は鑑別必要。生検すべき。
化膿性脊椎炎は下位腰椎に多い。結核性脊椎炎は胸腰椎移行部に多い。
Hodgkin病やmetaもSpAと鑑別困難。生検すべき。
SAPHOも鑑別に入る。

Modic変性(type1)は化膿性脊椎炎と鑑別困難。臨床的に結核、細菌感染が否定できなければ生検。

椎体中央のラインは血管溝

胸椎前面には正常高齢者でも前十靱帯骨化症がみられ、bamboo spineとの鑑別を要するが、臨床的に判断する。

2018.07.22 | コメント(0)