院長ブログ

テニス肘の治療

いわゆるテニス肘 

上腕骨外側上顆炎は、肘の外側が痛くなる疾患です。

手首を返す動作で肘の外側に痛みを感じたり、手首を反らす力が入りにくくなったりします。中指を伸ばす力も落ちることがあります。

肘の外側には、手首を背屈させる筋肉と、指を伸ばす筋肉、小指を伸ばす筋肉が付着しています。

俗語ではテニス肘というものの、テニスしない方やゴルフでも痛くなることが多い場所です。パソコン作業が多く、手首を反らして使い続けている人もこの筋肉を酷使するため、テニス肘と同じ痛みが生じます。

肘の外側の骨の突起は外側上顆と呼ばれ、そこを圧迫すると痛みを感じます。

超音波で見ると、外側上顆に赤々と光るシグナルが見られることがあり、整形外科ではそれを炎症と考え、ステロイド注射をすることが多いと思います。

テニスエルボーバンドなどの装具を付けることを勧められることも多いでしょう。

ステロイド注射は一回で著効することも多く、教科書にも書かれている治療ですが、ステロイド注射を複数回行ってもすぐに再発してしまう患者さんもおり、またステロイド注射を繰り返すことで靭帯組織が弱くなるとも言われ、できればステロイドは注射したくないところです。

僕は開業以来筋肉の治療を研究し続けており、ここ最近はステロイドを使用せずに治療しています。

そもそも外側上顆にストレスをかけていた筋肉自体にステロイドを使わない注射(ハイドロリリース)をすることで、硬くなった筋肉をほぐし、肘へのストレスを減らすという、根本原因の治療になっていると考えています。

注射により肘の痛みがその場で軽減し、リハビリも含めて筋肉全体をほぐし、週に1回、3〜5回程度の通院でだいぶ良くなる人が多いです。

通院ごとに痛みも軽減し、手関節の背屈筋力も回復してきます。

この筋肉の悪い場所を触診で見つけるところが腕の見せ所です。

もし、なかなか治らないテニス肘でお悩みの方は、一度ご相談くださいね。

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斉藤究

465-0097

名古屋市名東区平和が丘1-10

052-776-3110

https://saito-seikei.jp

2022.04.05 | コメント(0)

運動器エコーと石灰沈着性腱板炎

先週発売のフライデーに
先日診療を見学させていただいた
白勝先生が記事になっていました。

「ヒザ痛、肩痛、足首痛 最新治療法がついに確立された!」

白勝先生も、まだ教科書にも載っていない最新の検査や治療をいち早く取り入れて、日々の診療内容を向上させている一流の先生です。

整形外科治療に運動器エコー検査を早くから用いておられます。

私も10年前の勤務医時代にリウマチのエコー診療を学び、その後運動器エコーの世界にどっぷりと浸かりました。

今では、運動器エコーのない整形外科診療は考えられなくなっています。

フライデーの文中にあった石灰沈着性腱板炎は、女性に多く、突然の肩の痛みで全く動かせないくらいに激痛が走る疾患です。

ちょっと動かすだけでも痛いので、反対側の手で痛い方の腕を押さえながら来院されたりします。

文中にあるように、レントゲンだけでは石灰が沈着しているのが見えるだけですが、正確な位置まではわかりません。

エコーを当てると、正確な位置が分かり、炎症が起こっているところは赤く光って見えますので、正確でキレの良い注射もできるようになります。

文中には、
「運動器エコー」という治療法だ
と書かれていますが、これは間違い。
エコーはあくまで治療ではなく検査です。
治療はエコーを見ながら行う「注射」です。

何より大切なことは、
こういう記事が出ると、
エコーを当てればなんでもわかる!
と思い込んで来院される方がいらっしゃいますが、重要なのはエコーを当てる前に行う医師の問診と診察技術。

どこにエコーを当てるべきか
エコーを使いながら何を見れば良いのか
それがわかっている医師の診察が
何より大切であり、
この患者さんの状態にはエコーを用いる必要があるかどうか判断するのも、医師の診察によるものです。

もしお近くの運動器エコーをやっている
整形外科に受診するときは
このことを忘れないようにしておきたいです。

また、すべての肩の痛みの原因が
石灰沈着性腱板炎なのではなく
肩関節周囲炎、腱板断裂、筋膜性疼痛、骨頭壊死、リウマチ、滑液包炎、腱炎、変形性肩関節症、骨腫瘍、肩鎖関節炎、リウマチ性多発筋痛などなど
肩の痛みを起こす可能性のある
広い鑑別疾患を理解した上で
診断できる医師に頼ることが重要です。

文中にもありましたが、
日本整形外科学会の専門医試験にも
運動器エコーは出題されないし、
運動器エコーを使いこなせる医師も
この名古屋にもまだほとんどいません。

なぜなら、自分たちが教わってきた先輩も
運動器エコーを使っていないから
先輩からも教わってきていないのです。

そのため、白先生も書かれていたように
整形外科医がエコーの使い方を学ぶ場所がなく、
医師個々の熱意によるところが大きいのです。

そのため、僕も日夜自分自身が運動器エコーを使うことで得た知見を、様々な場面で講演させていただいています。

また、名古屋トリガーポイント治療院の鍼灸師とともに、医師や理学療法士、鍼灸師、柔道整復師などの医療者に対して、運動器エコーの使い方をレクチャーしたりしています。

ベッドサイドですぐに使えて
患者さんとともにリアルタイムに画面を見ながら
そこが痛いんです!
と、一緒に痛みの原因部位を共有することのできるのは
運動器エコーの凄いところです。

今週は豊田の病院からお声をかけていただき
運動器エコーとハイドロリリースの講演と実技講習を行なってきます。

運動器エコーと触診について学びたい医療者の方は、
ケアネットからDVDが出ていますので
是非こちらをご参照ください。

ケアネット
肩腰膝の痛みをとるDr.究のトリガーポイント注射

2020.01.21 | コメント(0)

痛みの診断の進化

身体の痛みの診断は、レントゲンの時代が長く続きました。
長い間、関節の変形や腰椎すべり症、椎間板の変性が痛みの原因と考えられてきました。
レントゲンでは骨などの硬いものしか写らず
筋肉や神経、血管、椎間板、半月板などの軟部組織は写らないため、
レントゲンの変形から起こっている現象を推測していました。
レントゲンでは骨折やすでに変形してしまった結果はよくわかります。
または、石灰化病変や骨が溶けている腫瘍像などはわかります。

MRIの時代がきて、レントゲンでは見えなかったものが見えるようになりました。
椎間板が実際に神経を圧迫している画像がみられるようになったり
腱板や半月板、関節唇、靱帯の損傷も診断できるようになりました。
軟部腫瘍やレントゲンで変形が始まる前の骨の壊死像も見えるようになりました。

そして超音波の時代がきて
MRIよりも解像度のよい軟部組織画像が得られるようになりました。
しかも、ベッドサイドですぐに行えて、
患者さんの筋肉を動かしながら、触診しながら、痛みの原因を探ることができるようになりました。
軟部組織の腫瘍や神経、血管の異常はもちろん、
さらにはドップラーによる血流の増加から腫瘍の血流の有無や、炎症を推測できるようになりました。
この炎症像をとらえることで、関節リウマチや乾癬、強直性脊椎炎などの炎症性関節炎、付着部炎の診断も進化して、超早期から診断できるようになってきました。

そして、痛みの治療の大きな進化は
患者さんの痛みを訴えている部位(被害者)ではなく、
痛みを起こしている部位(加害者)を治療する、という概念です。

痛みの原因の多くは筋肉(筋膜)にあることが多く、
加害者である筋肉や筋膜を適切な圧で押さえると痛みが再現されることです。
これがトリガーポイントです。
トリガーポイントが起こす痛みは筋膜性疼痛症候群と呼ばれます。

加害者であるトリガーポイントに注射をすると、被害者である痛みが軽減、または消失します。
注射薬は麻酔薬である必要はなく、点滴の補水でも同じ効果があることが分かりました。

そこに超音波という武器が加わり、正確で安全な注射ができるようになりました。

トリガーポイントの診断は、その加害者と被害者の関係である関連痛の概念、筋肉の解剖と作用、支配神経、動作分析、全身のつながりであるアナトミートレインや筋膜の解剖の理解、そして、圧痛を確認できる適切な触診技術が必要になります。

レッドフラッグと言われる手術や入院が必要な「病気」を
医師としてしっかり除外した後に残る「痛み」。

その治療のために当院では
院長の診察と注射、薬物療法による痛み閾値の改善
リハビリによる姿勢と動作の改善
トリガーポイント針治療
筋肉解剖を理解したセラピストによるリラクゼーション
という選択肢により総合的に取り組んでいます。

他院で治らなかった痛み、関節の変形が原因、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄が原因と言われた患者さんは、手術をする前に一度ご相談下さいね。

痛みの総合的な診断と治療
さいとう整形外科リウマチ科

トリガーポイント鍼治療
名古屋トリガーポイント治療院

筋肉解剖を理解した施術
リラクゼーションルーム ファシア

2018.08.30 | コメント(0)