院長ブログ

トリガーポイントの講演

今日は神経障害性疼痛の治療薬 リリカや、慢性疼痛の治療薬 トラマールなどのお薬メーカーであるファイザーで社内講演に呼んでいただきました。

薬剤メーカーの講演では、どのように薬を使い分けるか、自社の薬剤の使いどころは、などを求められることも多いのですが、今日は

「いかにお薬を使わず痛みを治すか」

についてお話してこようと思います。

私自身、開業前に比べて痛み止め関連薬の処方は激減しています。

それは、5年前に開業してから筋肉や筋膜の性質に注目し、トリガーポイントへの注射とリハビリを重視して治療の経験を積んできたからに他なりません。

痛みが身体の広範囲に及び、痛みが強い時期には前出のお薬の力も借りることがあります。しかし、漫然といつまでもいつものお薬ね、と処方し続けるだけの診療はしません。

できるだけ痛みの原因をつきとめ、注射とリハビリで痛みを軽減させ、消失させることを目標として治療しています。

その過程で、これまでロキソニンが手放せなかった頭痛が月に一回注射するだけでよくなったり、沢山の種類のお薬を内服していた人の痛み止めがだんだん減っていったりします。

ロキソニンやボルタレンといった痛み止めでは胃腸障害による潰瘍と出血、小腸の粘膜障害による腸管閉塞、そして腎機能への影響も言われています。

トラマールやリリカは比較的安全に長期に飲めますが、中には吐き気やふらつきの出る方もいます。

いずれにせよ、お薬は少ないに越したことはありませんものね。

自分でも筋肉にできたトリガーポイントを丁寧にほぐすことで、かなりの痛みは軽減できます。しかし、患者さんに自分でやってね、と教えてあげるのですが、なかなか自分ではこまめにセルフマッサージを続けるのはめんどくさいようです。

全身のトリガーポイントをほぐしてくれる場所としてリラクゼーションルーム ファシアをつくったのも、その理由があるからです。

実際に、さいとう整形外科で頑固な肩こりに対して繰り返し注射に通われていた方が、ファシアで全身をほぐしてもらうようになってから注射しなくて良くなった、という声も聞こえ始めています。

いかにコリを溜めず、全身のトリガーポイントをこまめにほぐしておくかが、痛みを予防する第一歩になります。

リラクゼーションルーム ファシアが、痛みの出づらい身体づくりのお手伝いをできれば幸いです。

リラクゼーションルームファシア
名古屋市名東区一社2-3
名東一社ビル1階
★東山線一社駅2番出口から徒歩一分以内
電話︎ 052-753-3235
※予約優先

2016.02.17 | コメント(2)

美容院(脳卒中)症候群

先日名古屋テレビ(メ~テレ)の取材を受けました。
夕方のニュースバラエティ「UP!」という番組ですが、
「美容院症候群」「美容院脳卒中症候群」について
教えてほしいとのことでした。

放送は10/22(水)18:15~メ~テレ「up!」です。

あまり聞きなれない言葉で
医学的な言葉ではありませんが、
インターネットで検索すると出てきます。

美容院で洗髪の時に首を上に向けた時に
洗髪後しばらくしてから
頭痛、吐き気、めまいの症状や
まれに失神や手足のしびれが出現することを
指してそう呼ばれるようですが、
美容院だけでなく、天井を向いて作業をするときなど
頚部後屈の姿勢を取ったあとに出現する一連の症状を
指しているようです。

東京医科大学整形外科 脊椎班のHPには
スタンダールシンドローム
として紹介されています。
イタリアの天井画を眺めていた観光客に多く起こったことから
名付けられたようです。

同HPには、頸椎の後側方を通り
心臓から脳に血液を供給する椎骨動脈が
頚部後屈により圧迫されて微小な血栓ができてしまい
洗髪後に起き上がって椎骨動脈の圧迫が解除されたときに
脳に小さな血栓ができてめまいや頭痛、嘔気が起こる
というものです。

しかし、実際にすべての症例で
血栓が起こっているとは考え難く
必要以上に心配し過ぎてもいけないと思います。

原因は多くの場合には
頚部の筋肉のコリである
トリガーポイントが関与しているのではないかと思います。

当院へ慢性の頭痛や肩こりで来院する患者さんにも
後頭部から頚部の筋肉のコリが原因の方も多く見えます。

ずっと偏頭痛と言われて痛みどめを飲み続けている人や
耳鼻科や脳外科に行って検査をしても原因がわからず
内服してもなかなか治らないめまいの患者さんの中にも
頚部の筋群のトリガーポイントが関与していることも多く
ここを注射やリハビリでほぐしてあげることで
慢性の頭痛やめまいが治ることもしばしばあります。

美容院のケースでは、
上を向いた姿勢でシャンプーをするときに
強く頭を揺らされた場合に後頭部や頚部の
トリガーポイントが生まれる可能性があり、
それが頭痛やめまいに関与しているのではないかと思います。

そのほかの鑑別診断としては
大きな頸椎椎間板ヘルニアや
加齢による頸椎後縦靭帯骨化症や頸髄症
などの頸椎病変をもともと持っている方では
上を向いた姿勢(頚部後屈)により
頚部の脊髄神経が圧迫されて
手のしびれが出現することが考えられます。

また、耳鼻科的には
良性発作性頭位めまい」という
めまいがあります。
頭の位置を変えた時に発生するめまいです。

血管性の脳卒中のリスクとしては
高血圧、高脂血症、糖尿病や脱水状態などの
血液がドロドロになる状態がベースにあります。

また、カイロプラクティックの手技で
頚部を急速に大きく回転されて
ごきごき鳴らす場合には
脳卒中にはふつうならない若年者においても
頸動脈の動脈かい離による脳卒中の症例が報告されており
注意が必要です。

美容院症候群として
ネットに出てくるものには
東京医科大学のHPから参照した
脳卒中に関わる記載が多いように思いますが、
上を向くことによって発生するめまい、頭痛には
このように様々な鑑別疾患が考えられます。

心配な方は、美容院に行く前に自分で天井を向いてみて
しびれやめまいが出るかどうか
試してみるのもよいでしょう。

通院していてもなかなか治らない
頭痛やめまい、手のしびれなどの患者さんは
後頭部や肩甲部のトリガーポイントの可能性もあります。
適切な頚部のストレッチやマッサージを行っても
なかなか治らない場合には
トリガーポイント注射や理学療法士によるリハビリが
効果を上げることがあります。
一度ご相談ください。

当院へ受診の際は午前診療は込み合うため
新患の患者さんにもなかなかゆっくりと時間が取れません。
新患の方は午後診療(15:45~)の受診をおすすめいたします(^_^)

2014.10.22 | コメント(1)

中部柔整師協会で講演

今日は中部柔整師協会主催の勉強会で
「明日から使える 整形外科医の腰痛知識」という
講演をしてきました。
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28名の柔整師さん、鍼灸師さんが
愛知県各地からご参加くださり
3時間の講義を熱心に聴いてくださいました。
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腰痛の85%は
CTやMRI、レントゲンなどの画像診断では原因が見つからない
非特異的腰痛
と呼ばれるものとされています。

しかし、非特異的腰痛のほとんどは
筋筋膜性腰痛や仙腸関節の異常によっておこってくる
画像に写らない腰痛だろうと考えています。

一般的に非特異的腰痛は画像に写らないため
整形外科に受診して画像上の異常がないと
痛みどめと湿布だけもらって終わりになります。

接骨院の柔道整復師さんや鍼灸師さんたちは
その85%の患者さんの治療に当たっているわけですが、
僕もその85%の非特異的腰痛の患者さんの治療を
トリガーポイント注射とリハビリ、内服薬を併用して
行っています。

適切に罹患筋を診断して注射をしていけば
ぎっくり腰や寝違いなども
速やかに痛みが取れることもしばしば。

今回は柔整師さん、鍼灸師さんたちに
画像に写る15%の病気としての腰痛について知ってもらうことで
接骨院に通う患者さんの腰痛の裏に隠れた病気に
いち早く気付いて適切に医師に紹介できることを
目標として講義させていただきました。

今日の講義が
柔道整復師さん、鍼灸師さんを通じて
病気としての腰痛で悩む患者さんの安全に役立つことを
願っています。

2014.10.20 | コメント(0)