院長ブログ

治療家さんへの講義

今日は千種区の銭田治療院で開催されている
セラピストのためのリハビリ塾
鍼灸師、柔整師、理学療法士さん達に向けて
「明日から役に立つ 整形外科医の足部知識」
と題した講義を行ってきました。

銭田塾写真銭田塾写真2

整形外科医師の
筋肉、骨格、関節におこる痛みと関連する
見落としてはいけない病気の知識を
柔道整復師、理学療法士、鍼灸師などの
治療家のみなさんに知っていただくことで
それぞれに受診した患者さんたちの病気が見落とされることなく
適切に医師に紹介されるようになれば
より安心安全な医療が提供されるのではないかと思います。

少しでも僕の講義が
治療家の皆さんの
ひいては痛みで悩む患者さんの
お役に立てればうれしいです。

2014.10.16 | コメント(0)

座禅と筋筋膜性疼痛

さいとう整形は13日からお盆休みをいただいております。

昨日から京都に来ています。
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昨夜はちょうど清水寺の千日参りの期間中で
夜の拝観ができました。

今日は祇園近くの八坂神社を抜けて
円山公園を歩き、高台寺へと足を向けました。

そのあと建仁寺を拝観し、
教科書で見た風神雷神図や
天井画の双龍図に息を飲みました。
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建仁寺の中にある両足院では
夕方からの座禅体験をしました。

その時にお坊さんがお話してくれた
座禅の心得。

座禅というと無にならなくてはと気負ったり
全く身動きしてはいけないのではないかと
思われるかもしれませんが、
全く違うそうです。

お庭の樹は全く動いていないのではなく、
大地にしっかりと根を張り
太い幹の先には枝があり
風にそよいでいます。

座禅では組んだ足を畳にどっしりと安定させ
お尻では座布団とつながる自分を感じます。

背骨が丸まっていては
お線香1本分の時間をじっと座っていられません。

骨盤を前傾させてしっかりと立たせて
そのうえに背骨を乗せる。

背骨の上には頭が乗って
息を吐きながら頭の先から力を抜いていく。

体の中の力が入っている部分を感じ
その力が抜けるように息を吐く。

無になろうと努力することなく
呼吸によって空気と一体になる。

これって、筋筋膜性疼痛の治療にも
とても大切なことです。

お線香一本分の時間はとても有意義で
何を思考するでもなく
自分の内を見つめながら
蝉の音を聞き
涼しくなってきた夕方の空気に包まれ
重力を感じ
自分の体幹の筋肉のバランスを取る時間でした。

座禅のあとのお坊さんの説法では

座禅により
脳に支配されることから解き放たれ
自分に一番近い身体を感じること。

今ここで座禅を組めたこと。
今自分の身体があることに感謝すること。

これまで社会で掴み取ってきたもの
足し算で生きてきた自分に気付き
引き算を知ることを教えてくれました。

お線香一本分の時間。
また座禅を組みたいと思いました。

2014.08.16 | コメント(5)

慢性の腰痛にひそむ落とし穴

今日はマリオットホテルで開催された
3A Forum 2014 in 愛知
に出席してきました。

小児のリウマチともいわれる若年性特発性関節炎(JIA)
について、愛知医科大学小児科の鬼頭敏幸先生から
強直性脊椎炎(AS)について
藤田保健衛生大学整形外科の森田充浩先生から
乾癬性関節炎(PsA)について
名古屋市立大学皮膚科の森田明理先生から
それぞれお話がありました。

関節リウマチの診断と治療は
一般にも少しずつ広まってきています。
(まだまだ超音波診断や寛解導入を目指した治療は
 十分に広まっているとは言えませんが、、、。)

しかし、さらにはJIA、AS、PsAに至っては
まだまだ診断もままならないのが現実です。

当院にも毎日さまざまな医療機関に受診しても
十分に治らなかった腰痛患者さんが来院されます。

ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、変形性脊椎症、腰椎すべり症
などと診断されているものの中の多くの構造的変形そのものは
本当の痛みの原因ではなく、
仙腸関節や筋筋膜が慢性腰痛の原因であることがほとんどです。
そのために当院ではトリガーポイント注射とリハビリを重視して
慢性腰痛の治療にあたっています。

しかし、中には見逃してしまえば
悪化していく腰痛もあります。
その一つが、強直性脊椎炎です。

腰痛で発症することも多いのですが、
しっかりとこの病気であると診断されるまでには
平均で9年程度を要するといわれています。
中には40年たって、ようやく診断される症例もあります。

診断のためには、
腰痛で一般的に撮影される腰椎レントゲンだけでなく、
慢性の腰痛であることや
肘、膝、足などの腱の付着部炎
末梢関節炎などの随伴症状などにも目を向けて
骨盤、仙腸関節のレントゲンや
MRIでの仙腸関節の炎症所見
採血にて軽度の炎症反応や
HLAといわれる免疫反応を調べることが大切です。

中でも有名なHLA B27は
日本人では陽性率0.3%とも言われており、
アメリカの6%やノルウェーの14%に比べはるかに低い様です。

治療には痛みどめであるNSAIDS、特にセレコックスや
生物学的製剤の使用が大切です。

リウマチと違い、MTXを併用しなくても
生物学的製剤のTNFα阻害薬の効果が得られるのが不思議な点です。

リウマチとは免疫状態が異なるのでしょうね。

診断にはまず腰痛患者さんが炎症性背部痛に当てはまるかどうかを
炎症性背部痛のBerlin基準でチェックします。

Berlin基準
50歳以下で、3か月以上持続する背部痛があり、下記2項目が陽性であれば
炎症性背部痛と診断します。(感度70.3%、特異度81.2%)
1.朝のこわばり>30分
2.背部痛は体操によって改善されるが安静では改善されない。
3.睡眠時間の後半のみに、背部痛のために起こされる
3.左右移動する殿部痛

そして、体軸性脊椎関節炎(Axial SpA)の診断は
炎症性背部痛であればレントゲンにて脊椎、仙腸関節をチェックします。
レントゲンが陰性でも以下のうち
1.腱付着部炎
2.家族歴
3.眼症状(ブドウ膜炎)
4.交互に繰り返す殿部痛
5.非対称性関節炎(大関節に多い)、
6.NSAIDs(ロキソニンやボルタレン、セレコックスなど)への良好な反応
3つ以上当てはまれば80~95%の確立で診断できます。
1~2つならば35~70%(さらにHLA-B27陽性ならば80~90%)
1つも当てはまらなければ14%(HLA-B27陽性なら60%、さらにMRI陽性ならば80~95%)
が脊椎関節炎の診断となります。

慢性の腰痛に悩む患者さんはたくさんいらっしゃいます。
診断には、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの
画像に写るわかりやすいものに限らず
患者さんにしっかりと触り、
レントゲンには写らない痛みの原因を診断することが大切ですね。

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2014.07.24 | コメント(0)