院長ブログ

首の痛みの患者さん

今日の午後診療の遅がけに来院された患者さん。

数年前からの首の痛みを訴えてこられました。
首の左側から左前胸部、左肩甲骨~背中にかけての広範な痛みです。

寝返りを打っても痛むので、夜も20分ごとに起きてしまうとのこと。

痛みの出たきっかけは交通事故だったのですが、
その後、近くの整形外科で治療を受けるも軽快せず
痛みは強くなり、痛みの範囲も広がっていきました。

総合病院にかかってMRIも行ってもらいましたが、
特に異常は認めないとのことで
リハビリなども続けていましたが痛みはよくなりません。

画像的な原因はないから、心因性の痛みと言われ、
痛みは気のせいだとも言われていました。

本日僕のところへ来られた時には
頸椎レントゲンでは確かに加齢による経年変化は認めるものの
前屈、後屈をしてみると経年変化の部位は動きが悪くなっていました。
これはふつうの所見で、この方に限った事ではありません。

しかし、軽く首に触れるだけで、
痛みで声を上げるほどです。
首を動かすことも痛みで困難になっていました。

頚部~肩甲骨、上腕、前胸部などのトリガーポイントを
触診で丁寧に探して注射を行ったところ
これまでの首の痛みは半分近くに減りました。

痛みを抱えた患者さんはさまざまな理由が複雑に絡まって
痛み自体が難治となる悪循環に陥っています。
時にはそれが、画像には写らない筋筋膜性疼痛に
理解のない医療者の言葉だったりします。

さらに痛みはその人の人格も奪います。

表情は硬くなり、様々なドクターショッピングの上で来院するため
医療者に対して懐疑的になり、時には攻撃的にもなります。
それが医療者には、余計に心因性という印象を強くさせます。

トリガーポイント注射が万能ではありませんが、
まずは患者さんが痛いといえば本当に痛いのだと受け入れ、
そのうえで患者さんを見て、触れることで
画像検査では写らなくても痛みの原因に近づくことができます。

今日の患者さんは、
トリガーポイント注射で痛みが軽快した後
これまで心因性の痛みと言われていたのが、
自分が気のせいで痛いと思っているだけではなかったのだと確認し
何度も涙を流されていました。

画像検査は神経障害や腫瘍、骨折、感染など
重篤な病態を除外するためにも必要なことがありますが、
画像に写るものがすべてではないのです。

2013.12.06 | コメント(0)

トリガーポイントが、たけしのみんなの医学で放送されました。

昨日から、テレビでトリガーポイントを見た、と
遠方から当院をネットで検索して来ていただいた患者さんが
何人かいらっしゃいました。

いずれも慢性の痛みを十年来抱えた患者さんです。

今日は10年以上前に出産してから
首~肩、肩甲骨、背部の痛みに悩まされる患者さんがこられました。
これまで接骨院、整体や整形外科などの医療機関に受診し
MRIやレントゲンなどの画像所見でも異常なしと言われていた方です。

当院でも改めてレントゲンにて腰椎、股関節、骨盤を見ましたが、
特に関節の変形や脊椎のズレも認めず、確かに画像的な異常はありません。

首、肩、肩甲骨、背部と丁寧に触診すると
トリガーポイントがいくつも見つかり、
注射をしていくことで首を動かす際の痛みや
肩全体の重さが消えていきました。

また、数ヶ月前から腰から臀部まで痛くなってきていたとのことで
腰部、臀部を触診すると著明な圧痛を多数認めました。

こちらには一番痛みの強かったトリガーポイントに注射を行ったところ
立ち上がり動作や片足立ちを行っても痛みがなくなりました。

テレビの番組は
11/5放送の「たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学」
で、
北原雅樹先生(東京慈恵会医科大学附属病院 麻酔科 ペインクリニック診療部長)が
トリガーポイントについての説明や
テニスボールを用いて臀部や腰部、背部のトリガーポイントをマッサージする方法を
スタジオで披露していたようです。
こちらのサイトで詳しく紹介されていました。)

また、テレビの影響はすごいもので、
当院のHPでトリガーポイント治療を行っていることを見た方から
電話にて「テニスボールはいいのか?」と問い合わせがあったようです。
僕が毎日のように患者さんにテニスボールマッサージをおすすめしていたので
受付さんが、院長もそう言っています、と答えてくれたようです。


お電話でのトリガーポイントについてのお問い合わせや治療内容についてのお応えは
受付業務に支障をきたしますので、出来るだけご遠慮いただけると幸いです。

そのかわり、、、
トリガーポイントについてのサイトをご紹介させていただきますね。

さいとう整形外科リウマチ科 痛みとトリガーポイント ブログアーカイブ
僕が院長ブログで書いたトリガーポイントについての記事のストックです。
加茂整形外科HP
僕がトリガーポイントの本を読んで、実際に見学させていただいた
日本のトリガーポイント治療の第一人者の加茂先生のHPです。
MPS研究会
僕も所属しているトリガーポイントを含めた筋筋膜性疼痛についての研究会です。
トリガーポイント研究所
精力的に全国で活動されている、佐藤先生のHP。僕も勉強会に参加させていただきました。
日本仙腸関節研究会
先日僕も参加してきた研究会のHPです。画像に現れない痛みの原因として仙腸関節を重視しています。

トリガーポイント関連書籍

言わずと知れた、世にトリガーポイントを広めた加茂先生の本です。
僕もこの本と出会い、整形外科医をしながら感じていたモヤモヤが晴れ
思わず加茂先生に会いに行きました

全身の筋肉のトリガーポイントの基本について詳細に記載されている本です。

写真でトリガーポイントの触り方、ストレッチの方法までわかる本です。

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2013.11.07 | コメント(2)

第4回 日本仙腸関節研究会

連休前の土曜日
午前中いつもより患者さんが多かったにも関わらず
みんなでがんばって早く終わることができました。

そのまま僕は東京に向かい、
日本仙腸関節研究会に出席してきました。

仙台社会保険病院 腰痛・仙腸関節センター長の
村上栄一先生を代表とする、
これまで原因の特定できなかった腰痛を
仙腸関節を中心として考える研究会です。

今回で第4回だそうですが、100名を超える医師、理学療法士の方が参加していました。

それでもまだまだ全国でこのくらいの人数なんですね。

太ももやスネなどの痛みやしびれで整形外科に受診しても
まだまだ椎間板ヘルニアが原因ですね、とか坐骨神経痛です、と言われて
湿布とビタミン剤、痛みどめなどを処方されて終わるか、
症状がひどいと脊椎の手術まで勧められてしまうこともまだまだあります。

今回の研究会に出席した先生たちは
少なくとも神経支配には合わない腰痛、下肢痛があり、
その原因として仙腸関節をはじめとした
レントゲンやMRIなどではわからないものがあると気づいている方たちです。

つまり、画像上認識できる腫瘍、感染、炎症、変形、神経の圧迫をはじめとした
腰痛の中の15%といわれる特異的腰痛と
それ以外の85%といわれる非特異的腰痛の原因を単に心理的腰痛とかたずけずに
器質的原因を考えようとしているのです。

仙腸関節研究会といっても、
10題あった一般演題は内容も様々で仙腸関節に限定されず
靭帯や筋肉を含めた発表があり
それぞれの先生が試行錯誤する、まだまだ混沌とした感じを受けました。

仙腸関節は背骨を支える仙骨を横から挟み込む腸骨との間にできる関節で
強靭な靭帯の複合体で支えられています。
また、背骨も仙腸関節も前後から筋肉で挟み込まれており、
仙腸関節がゆがむということは、靭帯や筋肉にも無理がかかっているということです。

膝関節、股関節、肩関節をはじめとしてあらゆる関節は靭帯と筋肉でつながっています。

その連結を理解し、どこに一番無理がかかっているのか理解しつつ
リハビリや局所注射などでその無理を解消することが痛みを改善することにつながります。

そして、痛みを再発しないためにも、
自らが普段行っている姿勢や繰り返し動作の中に原因を探り、改善することが大切です。

2013.11.04 | コメント(7)