院長ブログ

痛みを語る会

今日は午前診療のみの水曜日。

診療後、小野薬品での社内勉強会で
関節リウマチの基本についてお話しさせていただきました。
小野薬品はこれから関節リウマチの治療薬
生物学的製剤オレンシアの皮下注射製剤の販売を控えています。

関節リウマチ治療薬は
これから生物学的製剤オレンシアの皮下注射製剤
アクテムラの皮下注射製剤
新しい生物学的製剤シムジア
そして、経口抗リウマチ薬 JAK阻害剤と
新薬の発表が目白押しです。

また、最近大正富山製薬とエーザイから発売になった
内服薬コルベットも、どの程度のポテンシャルを持っているのか
ベストな使い方を探っていく必要があります。

いつも製薬会社さんで講演させていただいた時には
働いて保険料を払いながら
高額な生物学的製剤を支払う余裕のない患者さんがいらっしゃる一方、
生活保護の患者さんでは、無料で生物学的製剤を使用できる矛盾から、
低所得の患者さんに対するBIO FUNDの設立が必要である旨お話しをしてきます。

慢性骨髄性白血病では存在するつばさ基金。
リウマチの世界でもできるとよいですね。

さて、その後はファイザー主催の「痛みを語る会」で
愛知医科大学整形外科 栗栖野先生の
末梢神経障害性疼痛に対する内服薬、リリカの使用経験につき
ご講演をいただきました。
僕は座長として参加させていただいたので、
僕からも最近の症例についてスライドを作って話題提供をさせていただきました。

まじめに患者さんに向き合えば向き合うほど
現在の痛みの科学では納得できない痛みの世界。
今日は開業医の先生、病院勤務の先生、それぞれの立場からの
痛みを抱えた患者さんへの治療について、話題を共有することができました。

僕たちの仕事は
まず痛みを抱えている事実を受け止め
感情、情動と深く結びつく「痛み」という感覚に捉えられた患者さんの気持ちを
プラスの方向、生産的な方向、未来へ向く方向に変えてあげること。
痛みの負の連鎖から、気持ちを切り替えてあげること。
これも、慢性疼痛を扱う医師にとって必要なものだと思います。

2012.11.14 | コメント(0)

トリガーポイント注射 よくあるご質問

トリガーポイント注射についての説明と、よくある質問についてまとめました。

頭痛、肩こり、膝の痛み、腰痛など、慢性の痛みの原因として
固く、伸びなくなった筋肉は大きな要因となっています。

痛みの原因となっている筋肉は「コリ」を形成します。
つっぱり感を感じたり、動きの制限の原因となる場合もあります。
押さえると固くて、圧痛を生じます。
それがトリガーポイントです。

トリガーポイントを形成した筋肉は動きが悪くなるため、
他の筋肉にも負担がかかり、痛みの範囲が広がることがあります。
ひどい場合には全身の痛みを訴える方もいらっしゃいます。

トリガーポイント注射は、
痛くて縮んだまま伸びなくなった筋肉(筋肉がロックした状態)
に対する治療で、筋肉に局所麻酔を注入します。
注射はとても細い針で行いますが、痛みの感じ方には個人差があります。
注射は1か所に行う場合から、筋線維に沿って存在する圧痛点の数に応じて
全身に行う場合もあります。

注射後は回らなかった首が回るようになったり、
腕が上がるようになったり、腰が曲げられるようになったりと、
伸びなかった筋肉が伸びることによる効果が得られ、同時に痛みも軽快します。

効果には個人差があり、
急性発症の痛みでは速やかに除痛効果が得られる場合も多くみられます。
長い経過をたどった慢性の痛みでは、
複数回の注射と内服、リハビリ治療、自宅でのストレッチなどを組み合わせて、
こわばった筋肉を正常な状態に戻していくことが必要です。

副作用はほとんどありませんが、
注射による内出血がみられることがあるため、
注射当日の入浴は短時間にとどめたほうがよいでしょう。
内出血は数日間で消退します。
また、まれに注射後にしびれやだるさの症状が出る方がおられますが、
神経に局所麻酔が影響したためで、
局所麻酔の効果が切れれば数時間で症状は消失します。

トリガーポイント注射には健康保険が使えます。

2012.08.23 | コメント(96)

ワールドビジネスサテライトで肩こりの注射治療が

今日のWBS ワールドビジネスサテライトでは
「治る!最前線」として、「肩こり」が特集されていました。

その中では、全国で超音波の研修会をされている
秋田県の城東整形外科の皆川先生が紹介されていました。

皆川先生は、今年の日本整形外科学会でも超音波診断のセッションで
講演なさっていたご高名な先生です。

テレビで映っていたのは当院と同じ日立の超音波でしたが、
さらに、超音波エラストグラフィーという
超音波で筋肉の固さがわかる、というシステムを導入されていました。

もともとは乳がんなど、柔らかい組織の中の
固い組織を発見することに使われているものですが、
運動器領域への応用として、筋拘縮の発見に使っているんですね。

現在当院では、実際に患者さんの筋肉を触診しながら
肩こりの中のトリガーポイントを見つけ
そこに注射をする治療を行っていますが、

そこはさすが皆川先生。
超音波エラストグラフィーで固い筋肉を見つけて
注射を行っていました。

上を向くと首が痛い、
手がしびれる
などの症状は、通常整形外科では
頸椎のレントゲンを撮り、椎間板が悪いから、などと診断を受けることが
多いと思います。

また、腰が痛いと言えば、
腰椎のレントゲンを撮り、
変形しているから、とか、椎間板がすり減っているから、
などが痛みの原因として説明されることが多いでしょう。
そして痛みどめや湿布だけで整形外科の治療が終わってしまうことも
多々あると思います。

しかし、実際にはレントゲンの役割は
REDFLAGと呼ばれる
骨折、感染、悪性腫瘍などの
時間を待ってはいけない腰痛の原因を指摘するのには重要ですが、
痛みの原因としてレントゲン上の変形や椎間板の狭小化には
あまり関係がありません。

肩こりでは、ひどくなると頭痛や眼痛、手のしびれなども
起こってくることがありますが、
これは椎間板ヘルニアであることよりも
多くは筋肉の拘縮、コリから起こります。

そのため頭部から頚部、肩、背中などを丁寧に触診し
トリガーポイントを見つけ、
そこに注射をする。

すると長年の頭痛や肩こりが解消されていくことも
開業以来何人もの患者さんで経験しています。

同時に、肩こりを起こしやすい姿勢や
生活パターンの見直し、ストレッチの方法などもアドバイスさせていただいています。

超音波エラストグラフィーはまだ使用したことはありませんが、
触診だけでなく、目で見て凝りがわかるとしたら、
非常に面白い診断ツールですね。

でも、全身痛い人では診察時間がいくらあっても足りなくなりそう、、、、。

2012.06.30 | コメント(0)