現在のリウマチ治療には欠かせないお薬、
MTX(商品名リウマトレックス、メトレート)が
日本でもこれまでの8mgを越えて、16mgまで使用可能になりました。
アンカードラッグとも呼ばれ、
生物学的製剤の前に十分量を使うことが大切ですが、
リウマチ専門医の間では、これまで保険上認められていた8mgでは
十分にリウマチのコントロールがつかない人がいることは常識でした。
また、専門医はすでに8mgを越えて処方することもしばしばあり、
10mgにしたところで急にリウマチがおちつくこともよくあります。
僕も若くて腎機能のよい、肺や肝臓の合併症のない人なら
14mgまで使用したことがあります。
なかには、12mg以下でも白血球が下がってきたり、肝障害がでてきたり
することがあり、その際には副作用を抑えるためのフォリアミンという
葉酸のビタミン剤を2錠に増やしたりします。
いずれにせよ、生物学的製剤の力を十分に引き出すためにも、
十分な量のメトトレキセートを使用しておくことが大切です。
患者さん側の注意点は、
咳、息切れ、発熱、口内炎、全身倦怠感などがでたときには
速やかに受診してもらうこと。
ひどい下痢や食欲低下で食事がとれなくなった時は、MTXも内服をやめること。
(MTXの副作用が出やすくなるため)
また、青汁を飲んでいるとMTXの効果が落ちますので注意してください。
関節を壊さないためにも、お薬のことをしっかり理解して、
お医者さんとタッグマッチで上手にリウマチをコントロールしましょうね!
名古屋市名東区平和が丘一丁目10番地
さいとう整形外科リウマチ科
院長(未) 斉藤 究