今日のWBS ワールドビジネスサテライトでは
「治る!最前線」として、「肩こり」が特集されていました。
その中では、全国で超音波の研修会をされている
秋田県の城東整形外科の皆川先生が紹介されていました。
皆川先生は、今年の日本整形外科学会でも超音波診断のセッションで
講演なさっていたご高名な先生です。
テレビで映っていたのは当院と同じ日立の超音波でしたが、
さらに、超音波エラストグラフィーという
超音波で筋肉の固さがわかる、というシステムを導入されていました。
もともとは乳がんなど、柔らかい組織の中の
固い組織を発見することに使われているものですが、
運動器領域への応用として、筋拘縮の発見に使っているんですね。
現在当院では、実際に患者さんの筋肉を触診しながら
肩こりの中のトリガーポイントを見つけ
そこに注射をする治療を行っていますが、
そこはさすが皆川先生。
超音波エラストグラフィーで固い筋肉を見つけて
注射を行っていました。
上を向くと首が痛い、
手がしびれる
などの症状は、通常整形外科では
頸椎のレントゲンを撮り、椎間板が悪いから、などと診断を受けることが
多いと思います。
また、腰が痛いと言えば、
腰椎のレントゲンを撮り、
変形しているから、とか、椎間板がすり減っているから、
などが痛みの原因として説明されることが多いでしょう。
そして痛みどめや湿布だけで整形外科の治療が終わってしまうことも
多々あると思います。
しかし、実際にはレントゲンの役割は
REDFLAGと呼ばれる
骨折、感染、悪性腫瘍などの
時間を待ってはいけない腰痛の原因を指摘するのには重要ですが、
痛みの原因としてレントゲン上の変形や椎間板の狭小化には
あまり関係がありません。
肩こりでは、ひどくなると頭痛や眼痛、手のしびれなども
起こってくることがありますが、
これは椎間板ヘルニアであることよりも
多くは筋肉の拘縮、コリから起こります。
そのため頭部から頚部、肩、背中などを丁寧に触診し
トリガーポイントを見つけ、
そこに注射をする。
すると長年の頭痛や肩こりが解消されていくことも
開業以来何人もの患者さんで経験しています。
同時に、肩こりを起こしやすい姿勢や
生活パターンの見直し、ストレッチの方法などもアドバイスさせていただいています。
超音波エラストグラフィーはまだ使用したことはありませんが、
触診だけでなく、目で見て凝りがわかるとしたら、
非常に面白い診断ツールですね。
でも、全身痛い人では診察時間がいくらあっても足りなくなりそう、、、、。