昨日の夕方から東京にきていました。
第6番目に世に出た生物学的製剤
シンポニーの勉強会です。
全体として6番目。
TNF阻害薬としては4番目になるシンポニー。
抗体はマウスを利用して製造されますが
同じ完全ヒト型TNF阻害抗体製剤でも
トランスジェニック法を用いることで
より人間に近い構造を持つため安定しているとのこと。
そのため溶解性がよくなり、液量を少なくでき
製剤を安定化させるための添加剤を少なくできるため
注射時の痛みが少なくなったようです。
また、国内治験においても
薬剤に対する抗体(薬が効かなくなる一因となる)も
投与52週においてMTX併用では0%! 非併用でも4%であり
シンポニーの52週継続率は
MTX併用で83.7%(50mg)、85.1%(100mg)
MTX非併用で83.2%(50mg)、91.2%(100mg)
と高い値を示したとのことです。
作用機序としてはTNFと直接結合し、中和活性する作用を持ち
IL-6の産生も抑制するとともに、ICAM-1も抑制するそうです。
一方副作用の点からは、間質性肺炎、肺炎の報告があり
投与前の肺疾患スクリーニングが重要とのことです。
有効血中濃度の維持の点からMTX併用では50mgまたは100mg、月一回
MTX非併用では100mg月一回投与が必要となっていますが
竹内先生は、高疾患活動性の症例でもMTX+50mgで十分効いている症例もあり
まずは50mgから使用して、効果不十分なら100mgに増量することを推奨されていました。
しかし、僕の経験した特に炎症の強い高疾患活動性の方では
MTX+50mg投与で一時的な効果が見られたものの
すぐに無効となってしまい、
その後100mgに増量しても全く反応は得られませんでした。
リウマチ治療のセオリーでもある
早く・強く叩いて寛解導入し、その後薬剤量を減らしていくということからも
高疾患活動性の患者さんでは、100mgから導入し
その後50mgに減量する、という選択の方が
安心してその効果を享受できるかもしれません。
生物学的製剤は高価な薬剤であり、
中でもシンポニーは高いお薬です。
患者負担や医療経済的にも、
そのBEST USEについてはこれからの報告が待たれるところです。