今日購入した雑誌
MODERN LIVINGの中に
「気分と建築」という記事がありました。
「風をおこす」というタイトルで、
建築家の中村拓志(ひろし)さんの書いた文章の入口が素敵です。
「窓を開ければ、さまざまなものが動き出す。
表面に出ている皮膚やうぶ毛に意識を集中し、
風を感じてみよう。
カーテンや観葉植物の葉が
わずかに揺れたのは目の錯覚だろうか。
床のチリがほんのすこし舞い上がり、
髪や体毛がかすかに震えてはいないか。
皮膚表面の体温がほんの少しゆらいだ気がしないか。
風は分け隔てなく、場所と場所をつないでいく。
暖気と冷気をつなぎ、気圧の差をうめる。
よい匂いだろうが嫌なにおいだろうが、
すべてをまぜこぜにする。
部屋の隅々が世界のあらゆるところとつながっていくのだ。
当たり前だが風に実体はない。
大気が均質性を好むせいで、 空気が移動するわけだが、
その結果を風と呼んでいるだけなのだ。
にもかかわらず、風を確かな存在として感じ、
そこに意思を感じるのはなぜだろうか。」
・・・
ちょうど風が気持ちのいい季節になりました。
これまで暖房を入れていた院内も、
少し風を入れ始めています。