山田洋次監督の「学校」を見ました。
何かの理由で昼間の学校に通えなかった、
卒業できなかった人たちが
学びたいという真摯な気持ちをもって集まった
夜間中学のお話。
学校の門にかけられた看板には
「夜間中学があります。
だれでも いつでも 入学できます。
費用はほとんどかかりません。」
と書かれ、
漢字には読み仮名がふられています。
先生役には西田敏行と竹下景子。
夜間中学のクラスの中には、
競馬と酒に明け暮れ
50歳を超えてから夜間中学に入った
田中邦衛扮するイノさんがいました。
先生である竹下景子に恋をしたイノさん。
やっと覚えた字を書いて、竹下景子に手紙を書きます。
「結婚してください」
しかし、在日コリアンのクラスメートである
キムさんが経営する焼肉屋さんで、
結婚はできない、とのことを西田敏行から伝え聞きます。
酒に酔ったイノさんは西田敏行に、
俺のことを笑いものにして!と絡みます。
「生徒のくせに生意気だって言ってんのか。」
「そんなこと言ってんじゃないよ。
おんなじ人間同士として、友人として言っているんだろ。」
という西田敏行に
イノさんがつかみかかろうとすると
キムさんは
「こんなにお世話になっている先生に、何を言うの!」
と、涙ながらにイノさんの頬をたたきます。
そんなイノさんが、
卒業式を前にして亡くなってしまいます。
西田敏行は急きょ授業を変更して
ホームルームを開きます。
みんなでイノさんを偲び
みんなで幸福って何かを考えました。
「授業っていうのは、
クラス全員が汗かいて
みんなで一生懸命になって作るものなんだ。
それがよーっくわかった。
いい授業だった。
どうもありがとう。」
自分よりも人生経験のある生徒たちの前で
先生という役割を与えられた西田敏行先生の言葉です。
近年忘れられかけている
お互いに責任をなすりつけ合うのではない
先生への尊敬と
生徒への深い関わりが
描き出されていました。