7月12日のNHKスペシャルで、
腰痛治療革命という特集が放送されました。
冒頭では、僕も所属する研究会の会長が出演し
ギックリ腰で痛めた筋肉を超音波で診断し
注射で筋肉と筋膜をほぐして
速攻で痛みを改善させていました。
僕の外来でも
急性のギックリ腰の大半は
丁寧な触診と注射により
速やかに改善されます。
現在の腰痛診療は
レントゲンやMRIなどの画像所見に頼りすぎており
昔ながらの「手当て」といったところから
かけ離れたところに来てしまいました。
もちろん、重症な病気として
画像所見を出してくる腰痛を
除外することは大切です。
しかし、ほとんどの腰痛は
筋肉と筋膜が原因です。
そこを超音波で描出し
注射するのです。
また、慢性腰痛では
番組内では脳のDLPFCの活動が
うまく働かなくなり
痛み回路の興奮が続いてしまう
と放送されていました。
これは、
病気や外傷などで足を切断した人でも
脳には足を切断する前の感覚と記憶が残っており
もう切断して存在しない空間に
痛みを感じる人がいます。
これが、幻肢痛です。
慢性腰痛、慢性疼痛では、
その記憶が痛みの記憶として
脳に残っているのです。
そして、痛かった記憶と恐怖心があると
当然その動作や活動を避けようとします。
それが、過度の安静に入ってしまうと
筋肉は当然衰え、関節も硬くなります。
これを廃用とよびます。
イメージは、歩かなくなったり
寝たきりになった高齢者です。
番組では、痛みに対する恐怖心を
常に持ち続けることにより
DLPFCが疲れてしまう、と説明されていました。
さて、続きは次回へ!