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第60回日本リウマチ学会in横浜 初日

第60回日本リウマチ学会in横浜 初日

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本日から院長は横浜出張です。

日本リウマチ学会で4日間どっぷり最新のリウマチ情報に浸かってきます。

初日の今日は、朝5時半起きで横浜へ。
新幹線の中でも軽く仮眠して、
パシフィコ横浜へ来ました。

午前中はリウマチ治療薬の最新情報&おさらいセッション。
少量ステロイドの併用療法の骨破壊抑制効果が見直されていること。
ヨーロッパリウマチ学会EULARでは6か月以内、7.5㎎以下のステロイド使用
アメリカリウマチ学会ACRではリウマチの再燃時に3か月未満のステロイド使用。
またはリウマチの活動性が高い、または中程度の時にDMARDsと併用すること。
しかし、感染症、結核、睡眠障害、白内障、骨粗鬆症には十分注意が必要なこと。

C-OPERA試験では2か月でMTXを8㎎から16㎎まで増量したところ、
平均すると12㎎程度の内服量に落ち着いてくること。
最終的に14~16㎎内服継続していたのは40%程度であったこと。
MTXとアザルフィジンまたはイグラチモドの併用により、MTX単独よりも生物学的製剤が中止しやすいこと。

そのほかアクテムラに続き、現在開発されているIL-6、IL-6受容体に対するお薬の情報や
GM-CSF受容体に対する製剤など

についてお勉強しました。

そして、ランチョンセミナーは骨とリウマチについて、
ボノテオなどのビスホスホネート製剤や、注射薬プラリアは骨吸収抑制というよりも、
骨のリモデリングを抑制するお薬。
フォルテオはリモデリングを促進するお薬、という分類が骨吸収マーカーからは言えること。

プラリアやゾレドソン酸にはリウマチの骨破壊抑制効果が認められること。
また、ビスホスホネート製剤ではリウマチの骨破壊を止める効果はないこと。
ステロイドは1㎎でも使用すれば骨折リスクが上がるため、ビタミンDやカルシウム製剤を併用すること。
リウマチそのものによる骨粗鬆症に対して、7.5㎎のステロイド使用が手の骨密度をかえって上昇させたデータがあること。
などについて学びました。

とはいえ、やはり感染症や骨粗鬆症のことを考えると、ステロイドはできるだけ減らして超音波による完全寛解を目指したいなあと思いました。

午後は乾癬性関節炎と強直性脊椎炎についてのセッションを聴講しました。
リウマチではMTXを併用しないと中和抗体ができやすいレミケードやヒュミラも、脊椎関節炎ではMTXを併用しなくても中和抗体はできづらいこと。
脊椎関節炎には効かないといわれていたMTXも末梢関節炎には効果があるかもしれないこと。
仙腸関節炎に対するMRIは、レントゲンでは明らかに診断できない早期に診断価値のある事。
乾癬の皮膚病変について
まだ診断が難しい症例がたくさんあること
などを学びました。
確かに採血でも抗体が出ないseronegativeなリウマチと、脊椎関節炎の末梢関節炎などの鑑別は難しいです。
腸炎、乾癬の皮膚病変、炎症性を疑わせるような腰痛の病歴
などを問診はするのですが、なかなかこれと診断を断定できないケースはたまに遭遇しますね。
とはいえ、関節症状がある場合には、超音波で滑膜炎の有無を見て、早期にMTXやアザルフィジンを使用して関節症状の推移をみる、といったことが良いのではないでしょうか。

さて、明日はリウマチの超音波セッションがたくさんあるぞ。
楽しみです。

この記事の執筆者プロフィール

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斎藤究

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

院長紹介

日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本整形外科超音波学会会員

経歴

1999年

国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医

2001年

東京災害医療センター 救命救急レジデント

2002年

刈谷総合病院 整形外科

2006年

名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 /
名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医

2010年

Los Angeles Veterans Affairs hospital留学

2011年

さいとう整形外科リウマチ科平和が丘に開院

主な著書

あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床など6著書(共著含む)

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員