開業した10年前から当院でも研究・治療に力を入れている「ファシア」
今日のNHKで特集されていましたね。
コロナ禍のおうち時間に! 体メンテナンスの新常識“ファシア”|NHKあさイチ
昔は「筋膜」と呼ばれていましたが、現在では筋肉の膜だけでなく、骨膜、腱膜、内臓を包む膜もすべてをひっくるめて「ファシア」「fascia」と呼ばれるようになりました。
ファシアは骨と骨をつないでいる腱と筋肉をすべてつなぐ膜構造で、一番深層が骨、その上が筋肉で全身を覆われており、さらにその上にあるファシアは全身を網タイツのように覆う膜構造です。
イメージとしては、昔とんねるずがやっていた「もじもじ君」みたいな感じです(^^♪
NHKでも特集されていたように、最近では第2の骨格構造とも考えられています。
レントゲンやMRIでも構造的な異常が見つからず、原因のわからない痛みの多くは、このファシアの異常が関係しているのではないかといわれています。
実際に当院でも10年前からファシアに注目して診断、治療していますが、ファシアの痛みを診断するためには、体の動きを見て、精密に触診してファシアの動きの悪い場所を探し出し、正確に病変部位に注射することが必要です。そのために運動器超音波で観察しながら注射(ハイドロリリース)することが有用です。
運動器超音波診療とハイドロリリースについては、こちらのブログもご覧ください。
痛み、スポーツ障害に対する運動器エコー診療|さいとう整形外科リウマチ科|名古屋市名東区の整形外科・リウマチ科 (saito-seikei.jp)
ファシア研究では、イタリアのluige stecco, carla stecco先生が有名で、日本でも彼らが創設したファシアル マニピュレーション コースという治療セミナーが受けられ、院長の僕もレベル1、2を修了しています。
NHKのファシア特集でも出演されていた理学療法士の成田崇矢先生の腰痛・仙腸関節痛のセミナーにも参加させていただいたことがあります。
また、愛知医科大学で解剖研究も行っており、筋肉や神経を細かく触診しながら、病変部位を探す技術に日々磨きをかけております。
ファシアの痛みは、常にあらゆる病態と併存するため、腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、変形性膝関節症、変形性股関節症、胸郭出口症候群、顎関節症、片頭痛などの病名でお薬だけ処方されている患者さんや、手足のしびれの患者さん、なかなか取れない難治性の痛みの患者さんでは、ファシアの治療により、現在の症状が良くなる可能性があります。
ファシアに注目して治療しているうちに、針治療や全身の筋肉をほぐすリラクゼーションもとても有用なことに気づき、名古屋トリガーポイント治療院とリラクゼーションルーム・ファシアも5年前に開設しました。
もし、なかなか取れない痛みやしびれで困っていたら、ぜひ一度ご相談くださいね。
もちろん、一言にファシアの異常といっても、姿勢や動き、関節の状態など、病態は人によって様々。
一発で痛みが取れる人も、通院しながら玉ねぎの皮を一枚一枚剥がすように治療していかなくてはならない人もいます。
でも、他院では取れなかった痛みが取れた時は、患者さんだけでなく、治療している僕たちも一番うれしい瞬間です。
お気軽にご相談くださいね。
名古屋市名東区平和が丘1-10
052-776-3110