肩の痛みや動きの悪さ
肩の痛みや可動域制限の原因で多いのは、肩こり(筋・筋膜性疼痛)や肩関節周囲炎(拘縮肩)です。
石灰が溜まって炎症を起こすことや、腱が擦り切れたり(腱板断裂)や炎症(腱炎)が起こることもあります。
目次
肩こり(筋・筋膜性疼痛)
肩には肩甲骨だけで17の筋肉が付着しています。肩全体ではさらに多くの筋肉が関係しており、それが全身と関連し合っています。肩の痛みを自覚していたとしても、首・背中・腰、時には足まで筋肉が固くなっている人もいます。痛み止めや湿布を出して終わるのではなく、触診で硬くなった筋肉を探してハイドロリリース注射やリハビリで治療します。全身のマッスル・インバランスを整え、姿勢と動作から治していきます。難治性の肩こりでは栄養分析も行います。
五十肩(肩関節周囲炎・拘縮肩)
40代から50代に多く、肩の痛みと可動域制限が特徴です。重症例では腕を90度以下しか挙げられなくなります。初期には痛みも伴い、夜間痛で睡眠が妨げられることもあります。手が後ろに回らなくなり、女性では後ろで下着がつけられなくなります。注射とリハビリで治療します。
石灰性腱炎
肩の腱に石灰が溜まり、炎症を起こした時に急な激痛が起こります。腕が動くと激痛があるため、腕を抱えながら来院する方もいます。痛みで腕が挙げられなくなりますが、拘縮肩と違い可動域制限は認めません。炎症に対してステロイド注射が著効します。溜まった石灰には栄養療法が効果的です。
腱板断裂
50代を過ぎると、自然に肩の中の腱が擦り切れてしまう方が増えてきます。肩を上げると引っ掛かり感がある、肩を動かした時に同じ場所で痛みが出るなどの症状があります。転倒した時に肩をぶつけて断裂することもあります。自然に擦り切れたものでは肩の筋肉バランスを整えることで症状は改善しますが、断裂が広範囲に及ぶと肩が上がらなくなることもあり手術が必要な場合があります。
腱板断裂について胸郭出口症候群
肩周囲の筋肉と骨格のバランスが崩れ、鎖骨や肋骨により腕の神経と鎖骨下動脈が圧迫を受けることで、腕の痺れや冷感を生じます。腕を上げると血流が低下するためだるさを生じて腕を上げていられなくなります。注射やリハビリで血行障害の原因となる筋肉の凝りを全てほぐし、症状の改善を目指します。
胸郭出口症候群について変形性肩関節症
長年の肩の負担やリウマチ、外傷などにより軟骨がすり減り、関節が変形して痛みや可動域制限の原因になります。レントゲンやCTで診断します。肩の筋肉バランスを整えることで痛みの軽減を目指します。
肩の外傷
肩関節脱臼
外傷で発生します。繰り返し再発するものは習慣性脱臼と呼ばれ、手術が必要になる場合があります。
関節唇損傷(SLAP損傷)
投球動作や脱臼など肩関節にかかる繰り返しの負担により、関節のクッションである関節唇が傷つきます。肩の痛みや不安定感、引っ掛かり感を感じることもあり、手術が必要になる場合もあります。
この記事の執筆者プロフィール
経歴
1999年
国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医
2001年
東京災害医療センター 救命救急レジデント
2002年
刈谷総合病院 整形外科
2006年
名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 / 名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医
2010年
Los Angeles Veterans Affairs hospital留学
2011年
さいとう整形外科リウマチ科を平和が丘に開院
主な著書
「あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床」など6著書(共著含む)
当院で行える治療・処置のご紹介
当院では、様々な症状に合わせた治療・処置が可能です。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
慢性的な痛みや
他院で改善しなかった症状など一度当院へご相談ください
痛みと痺れの原因を多角的に鑑別診断し
内服・注射・リハビリだけでなく、栄養・生活習慣改善・姿勢改善・運動習慣改善など
様々なアプローチで改善に導きます。
どうぞお気軽にご相談ください。
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤 究
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤 究