乾癬性関節炎(関節症性乾癬)は、
乾癬という皮膚の病気に関連して、
関節に炎症が起こる病気です。
乾癬の患者さんの約7人に1人が乾癬性関節炎を発症すると言われています。
目次
乾癬性関節炎の症状
症状は、手足の指の関節や腱の付着部、膝や肩、脊椎、仙腸関節などに見られます。関節が腫れたり、痛んだり、こわばったりします。また、慢性の腰痛や骨盤の痛みにも関連します。皮膚科の先生は関節症状を診ることは専門ではないため、積極的に関節を触って診察することは少なく、見逃されている場合もあります。放置すれば関節の変形や脊椎・骨盤の動きが悪くなってしまうため、早期に発見して治療する必要があります。
関節の痛みや腫れ、こわばり、腰痛や骨盤の痛みがある場合には、リウマチ専門医を受診しましょう。乾癬性関節炎は採血では特徴的な結果は見られないため、一般の整形外科ではリウマチ科と書いてあっても乾癬の診断は難しく、関節エコーのできるリウマチ専門医を受診してください。
乾癬性関節炎の診断
診断は、問診と皮膚病変の視診、関節の触診、血液検査や画像検査を総合的に判断して行われます。血液検査では、炎症の程度や関節リウマチとの鑑別をするために、炎症や免疫の抗体などを調べます。画像検査では、X線検査、関節や腱付着部の超音波検査(関節エコー)、関節や骨盤・腰椎のMRI検査などが行われます。関節エコーではレントゲンでは見ることのできない、関節内の炎症や付着部の炎症や浮腫を見つけることができます。
乾癬性関節炎の治療
治療は、薬物療法が中心です。炎症や痛みを抑える薬(NSAIDs)や、免疫の異常を抑える薬(MTXやアザルフィジン)、炎症の原因となるタンパク質を抑える薬(生物学的製剤やJAK阻害薬)などがあります。生物学的製剤やJAK阻害薬は高価ではありますが、脊椎や骨盤の病変には最も効果があります。どの薬をどの程度使用するかは、炎症の強さや患者さんのお薬の許容度によって異なります。高度に変形した関節では手術が必要になる場合があります。
まとめ
乾癬性関節炎は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、関節の変形や機能障害を防ぐことができます。乾癬の皮膚症状のある人では、関節に腫れやこわばりがないか、常に意識しておくと良いでしょう。もし関節の痛みや腰の痛みがあれば、リウマチ専門医を受診して診察してもらいましょう。
この記事の執筆者プロフィール
経歴
1999年
国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医
2001年
東京災害医療センター 救命救急レジデント
2002年
刈谷総合病院 整形外科
2006年
名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 / 名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医
2010年
Los Angeles Veterans Affairs hospital留学
2011年
さいとう整形外科リウマチ科を平和が丘に開院
主な著書
「あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床」など6著書(共著含む)
当院で行える治療・処置のご紹介
当院では、様々な症状に合わせた治療・処置が可能です。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
慢性的な痛みや
他院で改善しなかった症状など一度当院へご相談ください
痛みと痺れの原因を多角的に鑑別診断し
内服・注射・リハビリだけでなく、栄養・生活習慣改善・姿勢改善・運動習慣改善など
様々なアプローチで改善に導きます。
どうぞお気軽にご相談ください。
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤 究
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤 究