現在公開中の映画ヘルタースケルターの監督であり、
以前には安野モヨコさん原作の「さくらん」を映画化させた監督、
写真家 蜷川実花さんの言葉集です。
母として、写真家として
プロフェッショナルに共通する、普遍的な思いを感じる一冊です。
その中から一節を紹介。
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とにかく撮り続けろ
量を伴わないと質はないと思っています。
量を撮らないと何も見えてこないんです。
みんな撮る前に考えすぎるんですよ。
うちのアシスタントの子たちには、
「何でもいいから、とにかく一日百枚とか二百枚とか決めて撮ったほうがいいよ」
といつも言っています。
やっぱり、撮って見えてくるものがすごくあるんです。
「なんでこればかり撮るんだろう」とか、
「なんでこの写真がよくないんだろう」とか。
それは私が「感じて撮る」タイプだからだと思うけれど、
撮り続けないと感覚は鈍るし、
撮ることからしかはじまらないことがあるんです。
最近はデジカメもあるし、フィルム代はかからないのだから、
とにかくとにかく撮ることが一番重要だということを言いたいですね。
だけどそれも結構大変なことなんです。
なぜかというと、自分がダメなことを目の当たりにするから。
自分と向き合わないといけないことになるから。
でもそこから逃げてはいけない。
写真は本当にそれでしかないと思います。
「考えるな、感じろ」とよく言うけれど、本当にそうです。
撮ってから悩め。
悩むんだったら撮ってから。
悩んでも撮り続ける。
そこからしか何も出てこないと思います。
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