土曜日は午前診療のあと、
東京にきました。
生物学的製剤ヒュミラの全国講演会です。
慶応大学の竹内勤先生
新潟県立リウマチセンターの伊藤聡先生からは
リウマチ診療における、患者さんとの
Treat to Target を共有することの大切さについて。
千葉大学の池田哲先生からは
リウマチの関節超音波診療により
MTX を内服する必要性のある患者さんを
精度高く見分けることができる。
MTXを使用しているときに、パワードップラー所見が見られると関節破壊が進む。
生物学的製剤使用下では、滑膜炎が残存していても、関節破壊は進行しづらい。
診察時に治療の判断に迷った際には有用なツールとなる。
患者さんとの病状の情報共有にも有用。
など、超音波の基本から、そのポテンシャルまでお話しいただきました。
産業医科大学の田中良哉先生からは
2012ACR/EULAR recommendationを踏まえて、
アンカードラッグMTXについてのお話がありました。
リウマチ患者さんの死亡率は、ステロイド使用で悪化。
MTX使用で低下。
生物学的製剤併用でさらに低下する。
MTXを8mg以上に増量することで、重篤な副作用は増えない。
腎機能障害のある患者さん、特に高齢者ではMTX副作用のリスクが高い。
MTX使用量に応じて、ヒュミラ併用時の寛解率があがり、
これまで生物学的製剤を使用していない人では
MTXを12mg以上使うと60%以上の寛解率が得られる。
第二部では再び竹内先生から
Treat to Target により、寛解に至るまで
三ヶ月ごとに治療内容を見直すためには
1ヶ月ごとに副作用に注意しながらMTXを4mgずつ増量する。
実際に行ってみると、1/3の患者さんで16mgに達したとのことです。
発症早期のリウマチにおいてのHOPEFUL STUDY では、
MTX平均6mg の使用では、欧米の成績に比べて関節破壊は進行することから
MTX 平均6mgでは、寛解に至っていても関節破壊を抑制するには
MTXの用量が少なすぎるか
または、日本人のリウマチは関節破壊が進行しやすいという可能性がある。
そのため、今年7月に日本リウマチ学会のTNF阻害療法施行ガイドラインが改訂され、高疾患活動性の患者さんで予後不良因子がある場合には、最初から生物学的製剤を選択肢に入れることが盛り込まれました。
そして東京女子医科大学
山中先生からは
HOPEFUL52週のデータが示され
MTX で治療開始して半年後にヒュミラを追加した群では
最初からヒュミラを併用した群に比べて
寛解率では追い付き、関節破壊の進行は止まるものの
最初の半年間に進行した関節破壊の分は取り返すことができない
といった結果が示されました。
いかに、活動性の高いリウマチでは
早期に生物学的製剤を使用することが大切か、
が示された結果です。
田中良哉先生から
HARMONY studyの結果から、
211例中
生物学的製剤が寛解中止できたのは23例(約1割)
MTXにヒュミラをfirst
Bioとして使用した場合、6割が臨床的寛解
MTX を10mg以上使用すると、完全寛解26%(4人に1人)
MTX 6mg以下では15.4%
HONOR studyからは
DAS282.6の寛解を24週以上維持できた34人でヒュミラを中止したところ
13人38%で一年間寛解を維持できた。
また、DAS282.16の深い寛解を維持できると
半年後も76%で寛解が維持できた
との結果が示されました。
最後には
田中先生、山中先生、竹内先生、名古屋大学石黒先生の
ディスカッションがありました。
日本において16mgまで増量可能となったMTX ですが
3ヶ月で16mgまで増量することを目標にして使用しても、
副作用などにより、
だいたい12mgまでの増量で落ち着く患者さんが多いのではないかとのことでした。
これは僕も同じ印象を持っています。
合計5時間半にわたる、濃密な講演会で
今回も大変勉強になりました。
認定医合格しました
ヒュミラ全国講演会は聞きたかったです
JPATがあったのでこれを聞きました
ペインは大変ですが、がんばっていきます
12月か1月にオープンできそうです
毎日ブロック生活が始まりますが、がんばっていきます