今日はイーライリリー主催の
フォルテオ エキスパートナースセミナーでした。
骨折の連鎖を引き起こす骨粗鬆症ですが、
50代の女性の実に1/4は骨粗鬆症であるという統計もあります。
壊して作ってを繰り返して新陳代謝する骨ですが、
閉経を迎えると女性ホルモンであるエストロゲンの作用が弱まり
壊すほうが作るほうよりも優位となり、骨粗鬆症が進みます。
従来の週1回から4週に1回内服するタイプの
ビスフォスフォネート製剤と呼ばれる一群のお薬は
骨を壊す作用を抑えることで骨密度を上昇させるのですが、
新陳代謝も抑えるため、最近では3年以上の長期連用により
非常にまれではあるものの
抜歯後に治りにくくなる顎骨壊死や
転んでいないのに大腿骨が骨折する非定型骨折
と呼ばれる現象が報告されています。
(だから、歯医者さんではこの種のお薬をやめないと
治療できません、と言われることがあります)
一方、骨形成促進薬として登場したお薬フォルテオは
毎日自己注射しなくてはならないものの、
これまでの内服薬に比べて
骨の新陳代謝を促進させ
積極的に骨を作っていくことが可能になりました。
そのため、骨折後にも骨が早く癒合することも報告されています。
当院でも1年半前の開業当初から積極的に取り入れていますが、
効果がよいことよりも、患者さんにとっては
毎日自分で注射することのほうが抵抗があるようです。
そこで骨の未来を見据えたDrと
現在の自己注射がいやだ、という患者さんの架け橋となるのが
看護師さんの重要な役割で
お薬の効果を時間をかけて説明し
いかに簡単に自己注射ができるか
小さな小さな針のため痛みがないか
安心して治療にあたってもらうよう頑張ってくれます。
今日のフォルテオの会では約30名の看護師さんたちが参加してくれました。
まず僕から「看護師も知っておきたい骨粗鬆症のキホン」
という講義をさせていただき、
次に当院の看護師から、「フォルテオ導入のコツ」
と題して、この1年半患者さんに接して学んだポイントについて
お話しさせていただきました。
グループディスカッション形式をとったため
参加されたそれぞれの看護師さんたちのノウハウを
グループの中で共有することもでき
大変有意義な会になりました。
参加してくれた看護師の方々
サポートしてくださった、イーライリリーの皆様
どうもありがとうございました。
みんなでがんばれば
いつの日か、転倒して骨折する人をなくせる日が来るかもしれませんね!!
そんなに、骨粗鬆症の女性が多いのですか!!
50代の女性の1/4とは驚きです。背中の湾曲した
女性を最近見かける事が多く感じます。男性は
見掛けません。男性の、骨粗鬆症はないのですか?
昔々は、農家の女性に背中の湾曲した方が多かったようです。カルシウム不足だったのでしょうか?
50代と言えば、食料不足とは無縁なのに、何故?
tibisyukeさん
男性は閉経がない分、女性から10年遅れて骨粗鬆症が進みます。
骨の成長期の思春期にカルシウム、ビタミンD、ビタミンKを適切に摂取し
運動をしっかりしておくとPEAK BONE MASSが上がり
閉経時点での骨のセットポイントが上がります。
閉経を過ぎると、カルシウムだけとっていても、骨は強くなりません。
ちゃんと自分の骨密度を知って、早く適切なお薬を飲むことが大切です。
みんな背骨や大腿骨を骨折して、介護が必要になってから後悔するのです。
骨を折る前の骨密度検診です!
ありがとうございました。
ビタミンD、ビタミンKと言われても?
摂れているのかしら?と不安になり
調べてみました。子供は大丈夫?と
思いましたが日常食べている食品が
多かったので、少し安心しました。
女性の場合は、自然閉経と強制閉経?
(手術などで)がありますが、同じですか?
骨密度を知らない方が意外に多く思います。
私が骨密度と言う言葉を聴いたのは13年前
でした。当時のホームドクターに薦められ
測りに行ったのですが、こんなに大事な事とは
思ってもいませんでした。長坂さんに感謝。
Tibisyukeさん
ホルモン剤を使ったり、
卵巣摘出したりして閉経しても
骨粗しょう症は進みますよ。
自然閉経と同じくエストロゲンの分泌が減少するので。