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シンポニー Biologics Users’ Forum on RA 2012

シンポニー Biologics Users’ Forum on RA 2012

昨日の夕方から東京にきていました。

第6番目に世に出た生物学的製剤
シンポニーの勉強会です。

全体として6番目。
TNF阻害薬としては4番目になるシンポニー。

抗体はマウスを利用して製造されますが
同じ完全ヒト型TNF阻害抗体製剤でも
トランスジェニック法を用いることで
より人間に近い構造を持つため安定しているとのこと。

そのため溶解性がよくなり、液量を少なくでき
製剤を安定化させるための添加剤を少なくできるため
注射時の痛みが少なくなったようです。

また、国内治験においても
薬剤に対する抗体(薬が効かなくなる一因となる)も
投与52週においてMTX併用では0%! 非併用でも4%であり
シンポニーの52週継続率は
MTX併用で83.7%(50mg)、85.1%(100mg)
MTX非併用で83.2%(50mg)、91.2%(100mg)
と高い値を示したとのことです。

作用機序としてはTNFと直接結合し、中和活性する作用を持ち
IL-6の産生も抑制するとともに、ICAM-1も抑制するそうです。

一方副作用の点からは、間質性肺炎、肺炎の報告があり
投与前の肺疾患スクリーニングが重要とのことです。

有効血中濃度の維持の点からMTX併用では50mgまたは100mg、月一回
MTX非併用では100mg月一回投与が必要となっていますが
竹内先生は、高疾患活動性の症例でもMTX+50mgで十分効いている症例もあり
まずは50mgから使用して、効果不十分なら100mgに増量することを推奨されていました。

しかし、僕の経験した特に炎症の強い高疾患活動性の方では
MTX+50mg投与で一時的な効果が見られたものの
すぐに無効となってしまい、
その後100mgに増量しても全く反応は得られませんでした。

リウマチ治療のセオリーでもある
早く・強く叩いて寛解導入し、その後薬剤量を減らしていくということからも
高疾患活動性の患者さんでは、100mgから導入し
その後50mgに減量する、という選択の方が
安心してその効果を享受できるかもしれません。

生物学的製剤は高価な薬剤であり、
中でもシンポニーは高いお薬です。
患者負担や医療経済的にも、
そのBEST USEについてはこれからの報告が待たれるところです。

この記事の執筆者プロフィール

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斎藤究

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

院長紹介

日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本整形外科超音波学会会員

経歴

1999年

国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医

2001年

東京災害医療センター 救命救急レジデント

2002年

刈谷総合病院 整形外科

2006年

名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 /
名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医

2010年

Los Angeles Veterans Affairs hospital留学

2011年

さいとう整形外科リウマチ科平和が丘に開院

主な著書

あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床など6著書(共著含む)

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員