土曜日は名古屋市立大学の病診連携の会でもある
RAseminarにて、
症例検討のセッションの座長をさせて頂きました。
名古屋の膠原病、リウマチ診療の第一人者でもある
名古屋市立大学 リウマチ膠原病内科 准教授の難波大夫先生は
若手医師に向けてyoung リウマチセミナーも定期的に開催する
次世代教育にも熱心な先生です。
今回の会は、地域で真面目にリウマチ診療を考えている先生達と
総合病院の連携を深める目的で行われた病診連携の会です。
名古屋市立西部医療センター 金倉先生
海難病院 佐々木先生
名古屋市立大学 難波先生
よりそれぞれ症例提示があり、
僕は座長として司会進行役を務めました。
座長からご発表の先生に向けて質問もしなくてはならないので、
しかも僕個人が聞きたいこと以上に、
聴衆の方が聞きたいだろうな、というところを質問したほうが良いと思い
普段自分が聴衆の時の3倍は頭を回転させながら、座長席についていました。
特別講演として、関西医科大学付属枚方病院の尾崎吉郎先生から
安全かつレベルの高いリウマチ治療を広く患者さんに提供するための
地域連携についてのご発表がありました。
現在のリウマチ診療においては
MTXと生物学的製剤を用いた、関節破壊を未然に防ぐ治療
寛解を目指した治療が可能となっていますが、
残念ながら患者さんからはどの先生がしっかりとリウマチ診療をしていて
どの先生の治療が現在常識である治療レベルに達していないのかわかりません。
また現在ほとんどの整形外科のクリニックは標榜科として
整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科としており
看板を見ただけでは本当にリウマチをしっかり診療しているのかもわかりません。
尾崎先生は、地域の診療所ごとに
生物学的製剤を使用し、積極的にリウマチ診療を行っている施設
MTXまでは使用するが、生物学的製剤までは行わない施設
MTXも十分使いこなしていないか、リウマチ診療はしたくないという施設に分け
それぞれの施設に合わせた病診連携の形をとっているそうです。
また、開業している先生を交えた市民公開講座を開き
配布するポスターやチラシには参加したすべての先生の顔と名前を載せ
講演もしてもらっているとのことでした。
リウマチをしっかりと診療していきたい先生には自分を知ってもらう機会となり、
患者さんにとっては、どの先生にかかればリウマチをしっかり見てくれるのかが分かる
とても良い方法だと思いました。
日曜日は名古屋リウマチネットワークの第10回市民公開講座が
中区役所ホールで行われました。
僕も療養相談の先生として参加しましたが、
ファイザー、武田薬品の社員さんも、リウマチ専門医たちも
みんなボランティアでこの会を支えています。
それぞれの先生が3人ずつ療養相談を行いましたが、
僕のお話しした患者さんは
リウマチになって1年未満の患者さんばかりでした。
やはり、診断されたときや、お薬が増えるとき、生物学的製剤の導入、
お薬の副作用などなど不安なことがいっぱいで
現在かかっている先生ともゆっくりお話しする時間がなく
不安のすべてをぶつけることができないことが、また不安になるという
一人の先生がたくさんの患者さんを診なくては回っていかないという
日本の診療の中でのむずかしさを感じました。
そのため現在はリウマチナースが必要とされており、
時間のない医師に代わって、患者さんの疑問や不安を受け止め、
アドバイスも行っています。
当院でも、僕が講演で使うスライドをまとめて
患者さん用の資料を作り
リウマチと診断された患者さんには
看護師が資料をもとにリウマチの病気や治療の流れについて
時間をかけて説明しています。
そのおかげで、患者さんはより自分の病気を正しく受け止め
納得して治療に向かえているようです。
そんなこんなで、なかなか充実した週末でした。