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第25回日本整形外科超音波学会

第25回日本整形外科超音波学会

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昨日はwestin名古屋キャッスルで開催された
第25回日本整形外科超音波学会で
リウマチの超音波診断の重要性と必要性につき
口演発表を行いました。

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当院で開業からの2年間に来院された未治療のリウマチ患者さんのうち
30%の人ではCRPが陰性でした。

炎症を表すCRPが陰性でも、リウマチは否定できないってことですね。
関節の触診でも、いかに経験を積んだリウマチ専門医でも
腫れているけれども、炎症のない滑膜肥厚と
指で触ってもわからない程度のgrade1の腫脹は
超音波でないと見分けがつきません。

早期のリウマチの診断や、真の寛解の判断には
触診も採血データもそれほどあてにならないのです。

自験例を含めて6分間の報告をさせていただいた後
兵庫県の先生がお名刺を下さり、
ちょうど同じような患者さんで悩んでいた旨相談をいただきました。

また、以前より知り合いの先生からも、
やっぱり採血データはあてにならないですよね、と
同じ意見をいただきました。

超音波診断をしながら感じたことを発表したことで
少しでも他の先生たちが抱える日常診療の疑問にアプローチできていたら
発表した甲斐があったってものです。

また、昔勤務していた刈谷総合病院の
放射線技師の友人たちにも会えてとても嬉しかったです。
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勉強の内容としては、
名古屋大学の舟橋先生からは
乾癬性関節炎の超音波所見4例につきご発表があり、
乾癬に典型的な皮膚所見やDIP関節の所見が見られない場合で
リウマチ因子や抗CCP抗体が陰性のseronegativeであった場合には
リウマチと乾癬の区別がつきづらいこと。
常に乾癬の可能性も頭の片隅に置いておくことの重要性につき
お話しされていました。

特別講演では
中京大学スポーツ科学部の清水卓也先生から
四肢の障害で訪れる患者さんの局所のみに原因を求めず
運動連鎖を考えた体幹へのリハビリテーションを行い
加齢による変形を予防することの重要性についてご講演がありました。
日本サッカー協会のホームページから
体幹のトレーニングとして7番、8番のエクササイズをお勧めされていました。

舟橋整形外科スポーツ医学センターの菅谷啓之先生からは
様々な肘、肩のスポーツ障害における超音波所見につきご講演がありました。

午後のセッションでは
捻挫による足関節の靭帯の複合損傷についての
超音波診断の結果についてのご発表や
下腿の疲労骨折の超音波診断についても
とても興味深く拝聴しました。

レントゲンでは写らない腱や筋肉、靭帯の評価ができ、
何度行っても痛みもなく、
その場で患者さんと画像所見を共有しながら説明できる超音波。

超音波機械の精度が上がり、
整形外科領域への応用がどんどん広がっています。

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員