これまで開業医の時は、自分の診療したレセプトは
毎月来られる医療事務の方達がカルテに記載された内容を見て
医療事務の方が判断に困るレセプトだけを持ってきてくれました。
今は医療事務のスタッフとともに、たくさんのレセプトをチェックしています。
勤務医の時の新患外来は週1日午前のみの4時間程度でしたが
今は毎日新患外来と再診外来をまとめて行っています。
お会いする患者さんの数も、勤務医の時より大幅に増えました。
その分、保険診療で認められている管理料や算定の仕方などを知らなくては
あっという間に何人もの患者さんで本来かかるべき医療費よりも
安い価格で診療することになってしまいます。
保険機関へ毎月のレセプト請求を行い、
その後送り返されてくる返戻(へんれい)を見て
同じことを繰り返さないようにするだけです。
返戻の多くは医療機関に支払いできない旨の通知ですから、
こちらからの請求漏れについては教えてくれません。
医者になるための学校はあっても、開業医になるための学校はありません。
開業準備中は自分の思い描く医療のイメージを
設計士さんと形にするための作業の数々や
医療機械を選んだりすることに時間を使うため
一つ一つの保険診療の内容について勉強する時間はありません。
開業医になってみて分かったのは、
これまで患者さんを診断治療するための知識と技術を磨くためだけに
時間を使ってきた勤務医にとって
新規開業と言うものは
認可のための様々な手続きや、保険請求のための知識が必要にも関わらず
装備を持たずに富士山の頂上を目指すようなものです。
開業して二回目のレセプト業務。
今は雲のかかった富士山の頂上も見えないまま、
その麓を歩き出したようなものです。
465-0097
名古屋市名東区平和が丘1丁目10番地
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤 究
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