NHKの番組の中では、
腰痛に関する映像を見た後で
身体を動かすことへの自信が持てた人は
175人のうち、38%の方に
腰痛の改善が見られました。
次に残り62%の人には、
立位で身体を反らす運動を3秒間行い
身体を反らす姿勢への恐怖心を
取り除いていました。
すると、さらに38%の人で腰痛が改善しました。
NHKでは
それにより恐怖心を取り除いて
痛みが取れたと説明されていましたが
筋肉と筋膜の性質からいえば、
その姿勢に対する恐怖心だけでなく
身体を前方で支えている
大腿から腹筋、胸部までの
筋肉をストレッチする効果と
背部の筋肉を鍛える効果もあります。
固まった体幹の筋肉を動かし
体幹の柔軟性を取り戻し
動ける身体を維持することが
いかに大切か、ということですね。
シドニー大学 痛み管理研究所では
慢性腰痛の患者さんに
3週間の心理療法を行っています。
痛みが続いているのに
原因が見つからない。
これは、あくまでレントゲンやMRIで
確定できるような
腫瘍、炎症、感染、ヘルニア、脊柱管狭窄などの
画像に写る原因がないということです。
整形外科の教科書には
腰痛の80%は原因がわからない
非特異的腰痛であるとされています。
非特異的腰痛の原因としては
心理社会的な要因が大きいとされています。
当院へ訪れる患者さんの中には
他院で画像的原因がわからず
あなたの痛みは心がおかしいんだといわれ
無理やり自分の心がおかしいんだと
思い込もうとしている方もいました。
これは、医師の言葉による
痛み治療への弊害と言えます。
その患者さんの筋肉を触ると、
明らかに硬直していて
軽く触れるだけでも圧痛が過敏です。
明らかに痛みの原因があるのです。
これは、患者さんの体に触れず、
画像だけを見るようになってしまった
現代整形外科医療の陥った
ピットフォールなのです。
NHKでは
痛みの原因はあたかも恐怖だけのように
伝えられてしまう懸念がありましたが、
番組内で行っていた認知行動療法の中には
恐怖を取り除くカウンセリングだけでなく
少しづつ動くことを記録して自信をつけ
廃用に陥った体力を取り戻す訓練や
ストレッチ、筋トレなど
しっかりと身体をうごかし
筋肉と筋膜に働きかけているのです。
当院では、
患者さんの動作を分析し
痛みの原因となっている筋肉を
触診で見つけ
直接トリガーポイント注射で
筋肉と筋膜をほぐす治療を行っています。
急性の腰痛、ぎっくり腰は
1回の受診でよくなることも
多く見られます。
慢性の腰痛は
痛みの範囲が広がり
痛みも複雑化しているため
治療にかかる時間には
多分に個人差もあります。
腰痛でお困りの方は
手術をする前に
一度当院へ受診していただければと思います。