痛い場所には湿布をたくさん貼りたい
という気持ちになるのはよくわかります。
でも、湿布は経皮吸収の痛み止め。
いっぱい貼ればいいというものでもありません。
僕のところにも、
隙間なく腰全体や太もも全体に湿布を貼って
1週間で70枚使ってしまって
またください、と訪れる方も来られます。
湿布は経皮吸収の鎮痛薬。
1部位1枚で十分ですよ。
とお話をしています。
保険でも最近厳しくなってきており
実際に当院でも査定された患者さんも
出てきています。
そのため当院では1回には70枚まで
ひと月の合計は105枚(15パック)まで
とさせていただいております。
超高齢化社会からすると
今のままではいずれ崩壊するだろう
国民皆保険制度。
薬局でも買える湿布で
どうにかなるレベルの痛みであれば
保険が使える範囲に
ある程度の制限がかかるのは仕方がないこととも思います。
日本が世界に誇る
最先端の医療の恩恵を
格安で享受できる国民皆保険制度。
限られたパイを我先にと奪い合うことで
崩壊に向かうことは目に見えています。
我々の子供や孫に至るまで、
安心した医療を提供できる日本でありたいですね。
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朝日新聞デジタル
12月11日 20時51分配信
医療機関で処方される湿布薬が来年4月から制限される。来年度の診療報酬見直しの議論の中で、厚生労働省が11日に提案。1回あたり70枚までとする方向で検討している。1回で70枚を超えて処方される患者は月に延べ30万人ほど。国費ベースで年間数十億円の医療費削減につながるとみている。 中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で提案した。市販の湿布薬を買うと全額自己負担だが、医師が処方すると原則1~3割の負担で済む。政府の規制改革会議などでは、患者が必要以上の枚数をもらって使い切れずに残る無駄が問題視されてきた。 厚労省が主要な湿布薬4種類を調剤した今年4月分の約377万件の処方箋(せん)を調べると、70枚超の処方が約33万件(8・9%)に上り、140枚以上処方されたケースも10万件以上あった。地域でのばらつきもあり、奈良県や山口県では70枚超の処方がほぼなかったが、最多の新潟県では処方箋の2割弱で70枚超を処方していた。 厚労省は1回70枚の処方で十分だとみて、枚数を制限することで地域の医療費格差を是正しつつ、無駄な医療費を減らすことにした。制限枚数は年内にも正式に決める方針だ。(小泉浩樹、奈良部健)
朝日新聞社