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阿字観(座禅)と肩こり

阿字観(座禅)と肩こり

今日の所さんの目がテン、
座禅の時の阿字観の姿勢が肩こりに効果的とお話しされていました。

番組では、阿字観の姿勢を取る前後での肩の力の入り方を、超音波エラストグラフィー(筋肉の硬さがわかる機械)で比べていました。

すると、阿字観の姿勢をとると、肩の僧帽筋の力が抜けて、血流が良くなっていました。

僕も以前京都の祇園にある建仁寺で座禅体験をしたことがあります。

その時の話を肩こりの患者さんに話していましたが、
僕の肩こり外来は、まず姿勢を見る所から始めます。

人も動物であり、筋肉は1日のうちで長時間とっている姿勢に従って体の形を覚えますから、診察室での姿勢が悪い方は、普段からそのような姿勢をとる時間が長いと思われます。

阿字観の姿勢は、
あぐらをかき、骨盤を立ててお尻の仙骨の頭側(尾底骨と逆です)を少し前に入れて、両方の坐骨で床に座ります。

あぐらは両足が上を向くと良いのですが、固くて無理であれば片方だけでもよいです。

そうして作った両膝と坐骨が体を支える土台となります。

そして、仙骨から伸びる背骨を立て、ちょうど手のひらに長い棒を立ててバランスを取っているように、体の前も後ろも右も左も力を抜いて、仙骨の上に立てた背骨のバランスをとります。

そうして立てた背骨の1番上に重い頭を乗せ、横から見た時に、仙骨、肩、頭が一直線上にあるポジションになれば正しく座れています。

そのまま首と肩の力を抜き、1番重い頭を筋肉ではなく、背骨と仙骨の骨格で支える状態を作ります。

これが阿字観の姿勢です。

座禅体験の時にお坊さんが教えてくれたのは、座禅は同じ姿勢で固まるイメージがあると思いますが、決してそうではなく、一本の大木のようにあぐらをかいた骨盤の土台をどっしりとさせ、木の幹は土台の上に健やかに伸び、先端である頭や肩、腕は、柳のようにしなやかに風にそよぐ。そうしたイメージです。とのことでした。

そして自然の力を取り込むように、ゆっくりと深い呼吸をして、横隔膜が下がり、たくさんの酸素が取り込まれる。
取り込まれたたくさんの酸素は、血流に乗って、体の隅々まで運ばれていきます、

座禅を組まなくても、椅子に座ったまま骨盤を立てて、この姿勢をとることもできます。

日頃パソコン仕事を行なっている時にも、2〜30分おきにこの姿勢をとり、前の方に突き出していた重い頭部を、仙骨の上に乗せるポジションに戻すだけでも、慢性の肩こり、頭痛、背部痛、腰痛に効果的ですよ(^-^)

この記事の執筆者プロフィール

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斎藤究

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

院長紹介

日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本整形外科超音波学会会員

経歴

1999年

国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医

2001年

東京災害医療センター 救命救急レジデント

2002年

刈谷総合病院 整形外科

2006年

名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 /
名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医

2010年

Los Angeles Veterans Affairs hospital留学

2011年

さいとう整形外科リウマチ科平和が丘に開院

主な著書

あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床など6著書(共著含む)

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員