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整形外科超音波診療セミナー

整形外科超音波診療セミナー

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今日は超音波整形外科診療で有名な、仙台の高橋周先生が行っているSIGMAX運動器エコー技塾というセミナーがありました。

その中の1コーナーである、
地域医師による日常でのエコー活用
という枠で15分の時間をいただいたので、当院でどのような場合に超音波を使用しているかご紹介してきました。

僕の専門であるリウマチはもちろん、整形外科的な痛みの診療にも超音波は多数活用しています。

従来のレントゲンは、関節や脊椎の変形度合いを見るためには今でも重要な役割を果たしますし、骨折や骨腫瘍など怖いものを見つけることもあります。

また、レントゲンはその人の痛みがどのような姿勢の歪みから来ているのかを判断するような広範囲の骨関節を評価するのには優れています。(これを、アラインメントといいます。)

MRIではレントゲンやCTのように骨をくっきりと見ることは適していませんが、筋肉、腱、神経、椎間板、脊柱管(脊椎後方の脊髄の通る穴)が評価できるため、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、半月板損傷、関節唇損傷、腱板断裂の他、腫瘍やレントゲンではわからない骨壊死、不顕性骨折や疲労骨折、子供の腰椎分離症などなど、MRIで見てわかる疾患や痛みの原因もたくさんあります。

しかし、どの画像も静止画であり、動きを見て診断することはできません。
その点、超音波では、その場で診断でき、予約も必要なく、コストも350円(1割)〜1050円(3割)と自己負担も安く、被曝もなく、何度もフォローアップできて、痛くもかゆくもない。
そして筋肉や腱、神経、血管まで評価できて、圧痛を触診しながら診断もできてしまう。
注射をするときにも正確に悪い場所に打つことができる。
そんなツールは他にありません。

高橋先生の調べた結果では整形外科の先生で超音波を使っているのはまだ半数程度だそうです。

運動器の超音波とMPSの診断、治療は、これからの体の痛み治療に必須になります。

今回の発表では、僕が日常診療で行っている肩こり、腰痛を含めたMPS治療、リウマチ超音波診療についてお話させていただきました。

全ての体の痛みの鑑別診断として、MPS筋膜性疼痛は忘れてはならないものです。

また、リウマチに超音波を用いることで採血で異常のない初期のリウマチでも診断することができます。関節が壊れることのない、真の超音波寛解を目指した治療にも、超音波は必須です。

これからもっと性能の良い超音波機器が安価に出回るようになり、より多くの先生がエコー診療を習熟し、患者さんを救ってくれると良いですね。

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この記事の執筆者プロフィール

さいとう整形外科リウマチ科

院長 斎藤究

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

院長紹介

日本整形外科学会専門医・日本リウマチ学会専門医・日本整形外科超音波学会会員

経歴

1999年

国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医

2001年

東京災害医療センター 救命救急レジデント

2002年

刈谷総合病院 整形外科

2006年

名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 /
名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医

2010年

Los Angeles Veterans Affairs hospital留学

2011年

さいとう整形外科リウマチ科平和が丘に開院

主な著書

あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床など6著書(共著含む)

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員