今日は名古屋で開催された強直性脊椎炎の勉強会に参加しました。
強直性脊椎炎は、関節、筋腱の付着部、仙腸関節、脊椎などに炎症を起こす疾患です。
レントゲン上の変化は発症後5年で30%の人で見られるとのこと。
仙腸関節のレントゲンでは効果像やびらん、溶解像、癒合像が見られます。
腰椎レントゲンではshiny corner像やbamboo spineといった所見も見られます。
慢性のなかなか治らない腰痛の原因として考えなくてはならない腰痛の鑑別疾患の1つです。
当院でも開業5年の間に、慢性の腰痛で来院された患者さんの中から、数名がこの疾患の診断でした。
起床時に辛い腰痛や、動くと楽になる腰痛、関節の痛みを伴う腰痛などでは積極的に疑って診断していく必要があります。
なかには、指全体がソーセージのように腫れてしまう
指炎(dactilytis)と呼ばれる症状がある方もおられます。
検査としては、仙腸関節のMRI所見で炎症が見られたり、超音波で付着部の炎症所見が見られたりします。
NSAIDs(ロキソニンなど)を継続的に内服したほうが骨の変形を抑制できるとの報告もありますが、
最近はヒュミラなどの効果的な薬剤が出てきたため、勉強会も盛んになってきました。
MRIでは、ヒュミラ使用後に仙腸関節STIR像が改善していることも確認できます。
毎日非常に多く訪れる腰痛の患者さんの診断治療を行いながら、ほとんどは筋肉の起こす痛みが原因とはいえ、なかにはこのような重要な疾患が隠れていることを頭に置きつつ、診療に当たっています。