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なんのために本を読むか

なんのために本を読むか

お医者さんという仕事は、勉強したことがすぐに目の前の患者さんを救うことにつながる、とても楽しい仕事です。

その反面、勉強してもしても、治せない患者さんにもまだまだいっぱい出会うため、苦しい道でもあります。

開業してからも、もっともっと患者さんを治せる医者になるべく、新しい知識と技術を土日なく勉強していますが、それは患者さんを治すためであると同時に、自分の知的欲求を満たすためでもあります。

どんな仕事でも、ただいつもと同じことを繰り返すルーチーンワークとなってしまっては、時間を切り売りするだけになってしまいます。そしてそれは、そのうちAIに取って代わられてしまうでしょう。

今日は昨日から少しだけ何かを改善してみる。変化させてみる。チャレンジしてみる。

それが、振り向いたときにスゴイ成長になっているはず。

今回はメルマガ「魂が震える話」から、こんなお話のご紹介。

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中学生の男の子に、「電気もなかったむかし、ローソクやランプの油も買えなかった貧しい学生は、蛍の光や窓辺に積もった雪のあかりで本を読んだ」と話しますと、

「そもそも、よく本を買うお金があったね」と、いうのです。

しかし、むかしの学生は食べるものを切りつめてでも、本を買ったものです。

そんな苦労をしながら勉強しても、むかしの立派な人は学んだことを「飯の種」にはしませんでした。

弘法さんは、こういって嘆かれたといいます。

「いまの人は書物を読んで学んでいるが、それは、少しでも早く出世をして、高い地位と高い給料を手に入れたいためである」

それから千二百年を経た、現在の子供たちも同じですね。

みんな、一流大学を目指して塾へ通い、夜も眠らずに勉強しています。

一流の大学を卒業して、役所や一流企業に入って、高級官僚や重役に出世するためです。

そうなれば、より高い地位や名誉、より強い権力と、より多くの財産が得られるからです。

けれども、そんな考え方で勉強を続けていると、なにごとも損か得かで判断するようになってしまいます。

その結果、どれが正でどれが悪かの分別がつかなくなり、やがて自分の地位を利用した汚職や収賄事件を引き起こします。

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人生の悩みが消える空海の教え

大栗 道榮 著

三笠書房より

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損得で勉強し、損得で仕事をし、損得で人と付き合い、損得で結婚し、損得で別れ、損得で生きる・・・。

様々な選択を、損か得かで決めていたら、そういう人に見られますし、そういう人生になります。

損得で学ばされ、損得で仕事をもらい、損得で付き合ってもらい、損得で結婚され、損得で別れられ、損得で生かされる・・・。

損得で生きる人は、

ホテルの部屋を出るとき、誰が清掃するかは分からないけど、少しきれいにしてから帰るとか、

次に使う人のことも考えて、トイレのスリッパを揃えるとか、

スーパーの駐車場で、近くは老人や体の不自由な方に使ってもらうため、自分はちょっと遠くに停めるとか、

そういった「陰徳」の考え方は出てこないでしょう。

おそらく、お金を払っているのだから当然だと言わんばかりに気にしません。

自分が動けるうちはいいですよ。

でもいつか、ケガや病気で仕事が出来なくなってしまったらどうなるでしょう?

損得で接した人たちは、損得で全員去っていくのではないでしょうか・・・。

宮沢賢治さんの「雨ニモマケズ」という詩。

この有名な詩は、賢治さんが亡くなった後、賢治さんの手帳に書かれていたものをトランクの中から発見されたもので、発表されるためにつくられたものではありません。

賢治さんの理想の生き方だったのでしょう。

誰かが見ているからとか、有名になりたいとか、損得とかじゃなく、

純粋に、誰かのために優しく生きる生き方です。

「雨ニモマケズ」の現代語をご紹介して終わります。

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雨にも負けず 風にも負けず

雪にも夏の暑さにも負けず

丈夫な体を持ち

欲はなく決して怒らず

いつも静かに笑っている

1日に玄米4合と味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを自分を勘定に入れず

よく見聞きし 分かり そして忘れず

野原の林の下の蔭の

小さな萱ぶきの小屋にいて

東に病気の子供あれば

行って看病してやり

西に疲れた母あれば

行ってその稲の束を負い

南に死にそうな人あれば

行って怖がらなくてもいいと言い

北に喧嘩や訴訟があれば

つまらないからやめろと言い

日照りのときは涙を流し

寒さの夏はおろおろ歩き

皆にデクノボーと呼ばれ

ほめられもせず 苦にもされず

そういうものに私はなりたい

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損得でなく、王道を学んでいきたいですね!

 ↓ ↓ ↓

http://soul.jp.net/20170320/

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今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。

心より感謝します。
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発行責任者  「魂が震える話」けい
お問い合わせ kei@tamafuru.com
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PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員