たけしの家庭の医学に
なかなか診断されない腰痛の原因として
殿皮神経障害が紹介されていましたね。
上殿皮神経は骨盤の腸骨を
腰から殿部にかけてまたいで
殿部の上の方の痛みを感じる知覚神経です。
同時に、下殿皮神経は
殿部の下の方の知覚を担う神経で
障害されると殿部の下の方の痛みとして感じます。
いずれもレントゲンやMRIなどの
画像診断ではわからない腰痛の原因になります。
痛みの診察で大切なのは
患者さん自身に、
痛みがある部位を指一本で指し示してもらうことで
患者さんが知覚している痛みの場所を
解剖学的に推測し、
患者さんが痛いと感じている場所自体が悪いのか
それともその場所は痛みを感じているだけで
本当に悪いのは他の場所にあるのか
診察で確かめていくことです。
殿皮神経障害は
痛いと感じる場所を押すと痛い、という
比較的わかりやすい腰痛の原因ですが
あまり知られていないため
的確に診断されることが少ないと
日本脊髄外科学会 殿皮神経
の項目にも書いてあります。
もし、この画像の青色で示されている
上殿皮神経の部分を圧迫して見て
痛いと感じるようであれば
腰痛の原因は殿皮神経障害の可能性があります。
その旨主治医の先生に伝えてみてはいかがでしょう^_^
加茂整形外科の加茂先生のブログでは、この診断は間違いで手術しても治らないと書かれています。(詳しくはブログを読んで頂きたいです)先生のお考えはどうでしょうか?
もやもや血管の先生も最近メディアによく出て来ていますが、どのようにお考えになられますか?
どの医師も自分の考えが一番正しいと言わんばかりの言い方のため、何が正解なんだか視聴者や患者の立場からは分かりかねます。
加茂先生は神経の絞扼性障害自体を否定されていますが、末梢神経にせよ、中枢の脊髄にせよ、直接潰されれば機能障害に陥るのはわかりますよね。
さらに、軽微な圧迫で神経自体が潰されなかったとしても、神経を血流する血管が圧迫されるのには十分な圧迫が加われば、神経の機能低下は起こります。
血流障害は不良姿勢や外傷、運動不足などによる筋膜のひきつれ、使いすぎた筋肉の短縮膨隆により周囲の筋膜が圧迫されることにより起こります。
正座で足が痺れることを考えればわかりやすいですね。
血流不足による神経の酸欠が起こった結果、太い抑制神経から機能障害に陥り、異常知覚であるビリビリジンジン感が生じて来ます。
最近徐々に広がりつつある治療としては、手術をするのではなく、注射で液体を注入することによりその神経を圧迫している筋膜自体を剥がして、血流低下を改善することで神経の機能障害を回復させようとするものです。
いずれ様々な知見が集約されていくのでしょうが、まだ慢性の痛みにはわからないことがたくさんあります。
私は筋や神経の血流不足が機能障害と痛みを引き起こすと考えているので、奥野先生のおっしゃるもやもや血管も、酸欠の部分になんとか酸素を送ろうと毛細血管が拡張して発達した結果だと考えれば、全ての筋道は通ります。