電話によるお問い合わせ

営業時間 8:30~11:30 / 15:30~18:00
休診日:水曜日午後・土曜日午後・日曜日・祝日

電話をかける

blog

リウマチ学会速報 脊椎関節炎

リウマチ学会速報 脊椎関節炎

初日のリウマチ学会では、脊椎関節炎のセッションを集中して聴講してきました。

こちらでまとめておきます。

リウマチ学会2018

片山整形外科クリニック
MRI骨髄浮腫は独立した関節破壊のリスクファクター

慶應義塾 高橋先生
288例のMTX-PGを検討
MTX6-10mgで75%
MTX投与量が10mgを超えるとMTX
BMI eGFR 負の関連因子
PG4 5では肝障害がでやすい
MTX PGは投与量に敏感に反応する。
肝障害は MTXPG105を超えるとでやすい

脊椎関節炎
東大 立石先生
PsAにおけるASDAS適用の検討
PsA97名
BASDAI 腰背部痛 指炎 付着部炎 朝のこわばり 全身倦怠感と相関

PsAにイクセキズマブはTNF効果不十分の人でもナイーブからそんなに劣らない成績が出る。
付着部炎には少しの効果
指炎には効果がある
IL17では口腔カンジダや水虫が出るが、IL17を注視する必要はない。うがい薬や外用薬を塗布しながら継続可能。

肥満、喫煙、アルコール、爪病変は乾癬の関節炎発症リスク
皮膚症状の疾患活動性と関節炎発症には相関はない。
炎症性腰背部痛とは有意差は無いが少し関連?

聖マリアンナ医大
SAPHOの診断 benhamouの診断基準
84例のSAPHO
関節炎が先なのは9.2%
CRP陰性例は30例
MTX40例で使用
SASP25例
PSL26例
抗生剤30例
バイオ10例 全例TNF スイッチは1例オレンシア
bioやめると悪化する

レミケード4回投与で手掌皮膚病変は寛解。やめると悪くなる。
MRIでは椎体内のインテンシティ変化も。
乾癬様皮疹が増悪してparadoxical reactionがあることも。
TNFにより骨関節病変は2〜4週で速やかに改善。
リウマチでも0.25%でTNFによるparadoxical reactionがみられる。
まだSAPHOの治療ガイドラインはない。効果判定も確立していない。

IBDの5〜20%に脊椎関節炎の合併
IBDにRF ACPA陽性例も。関節炎発症することもあり、SASPやMTX導入で寛解。
RA治療中にIBD発症することも。

鑑別 硬化性腸骨骨炎 仙腸関節ではなく、腸骨側に偏った硬化像

仙腸関節炎はSTIR またはt2fatsupでの診断が原則

乾癬では基本的には付着部炎による骨増殖性変化な病態。二次的に発生した滑膜炎が骨びらんもおこす。

末梢性SpA
rudwalet ARD2011 70 15-21
schet etal nat rev reumatol 2017
付着部の骨棘形成、骨増殖所見がみられることも。付着部炎のない人でも存在することもあるので注意は必要。
滑膜付着部複合体
機能的付着部 funational enthesisのdeep kebnel

小児のSpA
鑑別 付着部のスポーツ障害
→chronic traumatic arthritis

帝京大学皮膚科 多田弥生先生
乾癬 有病率0.3% 男:女 2:1
遺伝性もあり。
表皮の肥厚 分化異常 不全角化
真皮の下に過敏な樹状細胞がおり、TNFαがIL23 IL17とカスケードを進める。
現在はバイオも用いてPASI75ではなく90が治療ゴールとされる。
殿裂、へそ周り、肘膝の伸側も好発部位。
手では皮膚筋炎の皮膚症状とも鑑別難しい時があるが、爪周囲の虚血性病変は皮膚筋炎。
爪は爪母由来と爪床由来のものがある。
時に見た目は白癬との鑑別困難。顕微鏡検査を。
皮疹面積が大きいほど、関節炎の発症リスクは高いが、面積が少なくても否定はできない。
頭部乾癬病変は脂漏性湿疹と診断されていることもあるので注意。
軽い乾癬と脂漏性湿疹は病理検査でも鑑別困難。他の皮疹や関節症状と合わせて診断が必要。
皮膚病変にはPDE4阻害薬も用いられている。感染リスクは低い?PASI75ほ30%くらい。

SpAの眼病変
自己免疫性ぶどう膜炎は両側性が多い
片側はヘルペス感染が多い
急性前部ぶどう膜炎の病態をとる。
強い結膜充血や前房蓄膿
ブラッドオキュラーバリアを超えて免疫反応が起こってしまう。
炎症性腸疾患、反応性関節炎、乾癬、強直性脊椎炎でもぶどう膜炎起こる。
ステロイド点眼や結膜下のステロイド注射が主。ステロイド短期内服も。

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員