昨日まで3日間クリニックを離れ、新宿で経営の勉強会に参加していました。
そして今日は午前中の診療を終え、再び東京。品川です。
世界に先駆けて日本で使用可能となった関節リウマチ治療の新しいTNFα阻害薬
大正製薬 ナノゾラのお勉強会です。
ナノゾラはその名の通り分子量の小さいNanobody(VHH抗体)が特徴で
安定性が高く、Fc領域がなく、ヒト抗体とのアミノ酸配列相動性が高い
といった特性があります。
Nanobody薬は後天性血栓性血小板減少性紫斑病という病気で
リウマチに先んじて製薬化され、用いられています。
ナノゾラはレミケード、エンブレル(エタネルセプト)、ヒュミラ、シンポニー、シムジアに次いで6剤目のTNFα阻害薬で、月1回の皮下注射製剤です。
TNFに対する結合親和性はgorimumab(シンポニー)と同じくらいで、
Adalimumab(ヒュミラ)よりも早く炎症関節に移行するとのデータがあり、
皮下投与8時間後には関節内に移行しています。
TNFα阻害薬二次無効例でも有効性が認められています。
TNFαはJAK-STAT経路を介さない炎症性サイトカインです。
JAK-STATといえば、近年では内服
関節リウマチの患者さんではTNFαの血中濃度が上がっている人が3/4以上いらっしゃり、
血中濃度が高いほど関節破壊も進みやすいとの研究結果もあります。(C-OPERA)
十分なTNF阻害薬治療の継続で関節破壊された関節が修復されることもあることが示されています(ATTRACT)
オレンシアはseropositive(リウマチ因子陽性、または抗CCP抗体陽性)の患者さんで効果が高いことが知られていますが、TNFα阻害薬はseropositive/negativeで効果に差は認められません。
TNFα阻害薬はMTXとの併用で高い効果が認められており、MTXが使えない場合には効果が十分発揮できないことが多いです。
TNFα阻害薬は炎症抑制作用から、動脈硬化進展抑制効果も認められており、リウマチの心血管イベント(心筋梗塞など)も減少することが示されています。
ナノゾラ30㎎の治療成績は、
MTX併用の場合、16週間(約4か月)の投与でリウマチの症状が20%改善した人(ACR20)は79.6%。50%改善した人は55.9%、70%改善した人は34.2%。
これは他の生物学的製剤がおおむね70%、50%、30%程度なので、対象となった患者さんの背景が違うものの、今後の臨床成績にも期待が持てる数字です。
お勉強の後は北海道で開業する仲良しの先生とお食事。
先生行きつけの六本木のミュージックバーで
爆音のマイケルジャクソンやmaloon5を堪能しました。
その後1時過ぎからうどん屋さんのつるとんたん。
六本木の夜は眠らないんですね。
名古屋はみんな寝てますよー(*_*)
早くマスクも取れて、名古屋の夜も活気ずくといいですね!!
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤究
名古屋市名東区平和が丘1-10
052-776-3110