12月17/18日と、東京品川にて
Biologics User’s Forum on RA
~抗TNF療法の最適化を目指して~
に参加してきました。
17日はリウマチ治療の在り方について討論する
18日は関節リウマチ治療のup to date
エビデンスに基づく生物学的製剤の適正使用
国内臨床試験から見るシンポニーの使用方法
などがお話しされました。
タイトルの通り、生物学的製剤シンポニーについてだけではなく、
日本でも16㎎まで増量可能となったMTX(リウマトレックス、メトレート)
をどのように使いこなすか、といったことにも大きな焦点があてられていました。
慶應義塾大学 竹内勤先生や、産業医科大学 田中良哉先生達は
関節破壊を最大限に抑制し、早期に必要な方に生物学的製剤を導入するため
関節リウマチの診断後、
MTX8㎎から開始し、寛解に至らなければ
4週目で12㎎
8週目で16㎎まで4㎎ずつ増量しているとのことです。
12週目(3か月)には、生物学的製剤の導入を判断することになります。
MTXは、現在では関節リウマチ治療のもっとも大切な
アンカードラッグであるとのコンセンサスが得られていますが、
同時に腎機能障害、骨髄抑制、リンパ増殖性疾患、肝障害、間質性肺炎など
適切なモニタリングが必要なお薬でもあります。
自分の経験でも、MTX週12㎎程度で白血球減少や肝障害などの副作用が増えてくる印象もあり、
患者さんの全身状態に合わせた処方が必要となります。
そのため、関節リウマチの患者さんでは通院ごとに採血、尿検査を行っております。
また、シンポニーは抗TNF-α抗体製剤であるという点では
点滴製剤レミケードや、皮下注射製剤ヒュミラと同様のお薬です。
一般的に抗TNF-α製剤は、MTXとの併用でより高い効果が得られることが知られており、
シンポニーはMTXと併用しつつ、50㎎と100㎎の各容量での使用が認められています。
イメージとしては、患者さんの体の中で
TNF-αという炎症性サイトカインが暴れている状態を火事に例えると、
ボヤ程度の炎症ならばMTXという消火器で十分に消火可能ですが、
多くのTNF-αが燃え盛っている、家一棟燃えているような場合には
生物学的製剤という消防車を持ってこなくては消火できないと考えるとわかりやすいでしょう。
現在容量調節が可能なTNF-α製剤は
レミケードとシンポニーの二つであり、
一般的には段階的に増量するstep upが行われますが、
特に炎症の強い患者さんにはシンポニー100㎎から使用し、
炎症を抑えたのちに50㎎にstep downする。
そして、シンポニーを中止し、bio free remissionを目指す
といった治療法も考えられるでしょう。
レミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ、オレンシア、
そして第6の生物学的製剤シンポニー
患者さんの年齢、病状、合併症、生活パターン、経済能力などに合わせて
医師と相談しながら選択することが大切ですね。