院長の紹介
院長の経歴
1999年
国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医
2001年
東京災害医療センター 救命救急レジデント
2002年
刈谷総合病院 整形外科
2006年
名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 / 名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医
2010年
Los Angeles Veterans Affairs hospital留学
2011年
5月10日 さいとう整形外科リウマチ科を平和が丘に開院
著作
分担著作
こんな医院にしていきたいと思っています
出逢った人の
「楽しい!」明日のために
患者さんの痛みが取れた先にある、「楽しい!」明日をスタッフみんなで応援したい。そして患者さんはもちろん、仲間・家族・出逢った人全てに対して相手を喜ばせることのできる存在に成長してほしい。
そんな願いがこもった当院の理念です。
理念の由来となったお話をしますね。
当院の理念
出逢った人の「楽しい!」明日のために
の由来
さいとう整形外科リウマチ科を2011年に立ち上げたとき、スタッフと共有する理念として37歳の僕が考えたのは
【患者さんの「楽しい!」明日のために】
でした。
今日はその理念を当院に掲げようと思ったお話をしたいと思います。
そのきっかけは、勤務医としてリウマチ患者さんを診察していた時のことです。
僕の予約外来に、ある重症のリウマチ患者さんがいました。
関節は変形して、体が痛くて動けず、ベッドから起き上がれずにいました。
診察室には車椅子で入ってきていました。
リウマチ治療薬は僕が名古屋医療センターに勤めていた頃に、パラダイムシフトと呼ばれる大きな進歩を遂げ、その患者さんも恩恵を受けて、強い炎症も治まり、ベッドから自分で起き上がれるようになりました。
外来に来ると、
先生のお陰で痛みも取れて、ベッドから起き上がれるようになりました。
と言ってくれます。
僕は、
よかったですね。リウマチとても良くなっていますよ。
とお話していましたが、その患者さんは続けます。
でもね、先生
私はずっと寝たきりで、毎日天井ばかり見て過ごしてきていたから、今起き上がれるようになっても何をしたらいいのかわからないの。
その時僕は思いました。
いったい僕は何を治療していたんだろう。
30代の僕は、なんとお返事するのが正解かわかりませんでしたが、
いい本だって、いい映画だってあるし、旅行だって行けばいいじゃない。楽しいことはいっぱいありますよ。
と言うのが精一杯でした。
しかし、しばらくして嬉しいことがありました。その患者さんが
京都に行ってきました!
とおっしゃるのです。
わー!よかったですねえ。
と言うと、
車椅子だけど、娘達が新幹線で京都に連れて行ってくれた。
とのことでした。
京都駅に着いたら疲れちゃって、観光もせずに駅でご飯を食べるだけで帰って来たけど、娘と京都に行けたことだけで嬉しかった。
と言ってくれました。
僕の「旅行だって行けばいいじゃない」という何気ない言葉が、行ってみる勇気を後押ししたとのことでした。
その患者さんのことを思いながら、37歳で開業した僕は、当院の理念を
患者さんの「楽しい!」明日のために。
と決めました。
そこには、痛みや病気に悩む患者さんが治って終わりではない。
その先にある、「楽しい!」と思える明日を迎えられるようにお手伝いするサポーターでありたい。
そんな願いがこもっています。
現在は、患者さんだけでなく、院長・スタッフはもちろん、全ての出逢った人達に自分から元気を与えられる存在であって欲しい、という願いを込めて、
出逢った人の「楽しい!」明日のために
に変えました。
2011年の開業当初は1日に20人しか患者さんが来なかったため、
患者さんにお茶を出してずーっと世間話をしていることもありました。
おいしいお店の話をしたり、家族の話を聞いたりしていました。
院内の音楽を聴いた患者さんに、私もジャズが好きなの!と言われて会話が弾むこともありました。
その頃は、とてもたくさんのバレンタインチョコをもらったものです。
今は1日250人を超える患者さんが当院を選んできてくれています。
多くの患者さんの痛みを取り、望む生活に近づけてあげることができていると思う反面、患者さんが僕にかける言葉は、
忙しい先生の時間を取って申し訳ない。
に変わりました。
僕が患者さんと共有できる時間はとても少なくなりました。
バレンタインチョコもやっぱり少なくなりました。
短い診察時間の中で、一人一人の患者さんに心から満足いただける診療をするのは至難の業です。
それでも、長い時間待ってでも僕に会いに来てくれた患者さんには、
少しでも僕に会えてよかったなあと思ってもらえるように、
診断がついて安心した
少し痛みが取れた
良いこと聞いた
などのお土産を持って帰って頂けるように心がけています。
開業当初に僕がゆっくり聞いていた患者さんのお話は、
今は僕一人が受け止めるのではなく、
受付から診察、検査、レントゲン、リハビリ、そしてお会計へとつながる
点と点を結んだ線としてチームで受け止め、共有することで
開業時のような患者さんとの心のつながりを作っていきたい。
そして最後に受付の事務さんが「お大事にしてください」と笑顔で見送る瞬間に
ここに来てよかった。
と思ってもらえるように。
あの時のリウマチ患者さんを勇気づけてあげられるように。
2023.2.5 新宿のスタバにて。