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テニス肘とは
テニス肘の正式名称は上腕骨外側上顆炎。肘の外側が痛くなります。俗語ではテニス肘と呼ばれていますが、テニスをしない人でもよく発症します。ゴルフやバレーボールでもよく見られ、パソコン作業の多い人や専業主婦の台所作業でも同じ筋肉を使い続けることで発症します。
テニス肘の症状は?
肘の外側の骨の出っ張りは上腕骨外側上顆と呼ばれそこが痛くなります。特に手首を反らす動作(背屈動作)や、指を伸ばす動作で肘の外側が痛くなります。
なぜ肘の外側が痛くなるの?
肘の外側には手首を反らす筋肉や指を反らす筋肉が付着しています。教科書にはその筋肉の使いすぎが誘因となり、肘外側の骨に付着する部分で腱が傷ついたり炎症が起こることが痛みの原因と記載されていますが、一方組織学的な検討をされた論文では血管新生は見られても炎症細胞は見られないと言う報告もあり、必ずしも炎症が痛みの原因ではありません。当院では使いすぎた筋肉が原因と考えて、ステロイドを注射せず筋肉の治療をすることで良好な成績を収めています。肘だけでなく、肩の周りの筋肉も治療が必要な患者さんも多いです。
テニス肘の検査は?
手関節や指の背屈動作で痛みがあるか、肘外側に圧痛があるかを診察し判断します。
超音波検査では肘外側に血管が増えていないか見るとともに、触診では硬く動きの悪くなった筋肉を探します。
どんな治療が良いですか?
一般的には肘の外側の痛みのある場所にステロイドを注射することが多いです。しかし論文的にはステロイドの注射は短期的には痛みが良くなるが、再発も多く、腱の組織障害性もあり推奨されないと記載されています。
そのため当院ではステロイドを使わない治療をお勧めしています。具体的には丁寧な触診により痛みの原因となっている筋肉を探して、ハイドロリリース注射(点滴のお水を硬くなった筋肉に注射してほぐします)を行ったり、リハビリを行います。
当院の検証では、週に1回の注射とリハビリを2ヶ月間行うことで、痛みが平均2/10になっていました(日本臨床整形外科学会、日本整形外科超音波学会で報告)。
論文では自然経過では1年〜2年かかると記載されていますから、筋肉自体へのハイドロリリース注射やリハビリの効果が高いことがわかります。テニス復帰、ゴルフ復帰も可能です。
他院でステロイドを注射していても再発してしまう人は当院までご相談ください。
自分でできることは?
痛めている筋肉に応じたマッサージやストレッチをお伝えしています。
この記事の執筆者プロフィール
経歴
1999年
国立浜松医科大学卒 国立国際医療センター 内科研修医
2001年
東京災害医療センター 救命救急レジデント
2002年
刈谷総合病院 整形外科
2006年
名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 / 名古屋医療センター 卒後教育研修センター指導医
2010年
Los Angeles Veterans Affairs hospital留学
2011年
さいとう整形外科リウマチ科を平和が丘に開院
主な著書
「あなたも名医! 運動器エコー 痛みの臨床」など6著書(共著含む)
当院で行える治療・処置のご紹介
当院では、様々な症状に合わせた治療・処置が可能です。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
慢性的な痛みや
他院で改善しなかった症状など一度当院へご相談ください
痛みと痺れの原因を多角的に鑑別診断し
内服・注射・リハビリだけでなく、栄養・生活習慣改善・姿勢改善・運動習慣改善など
様々なアプローチで改善に導きます。
どうぞお気軽にご相談ください。
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤 究
さいとう整形外科リウマチ科
院長 斉藤 究