背中が丸くなるのは年のせいでしょうか。
身長が若いときに比べて低くなったのはなぜでしょうか。
それには、骨粗鬆症が深く関わっています。
もちろん筋力が弱まったり、
椎間板がすり減ったりしても身長は低くなりますが、
身長が2㎝以上低くなっていたら
骨粗鬆症による脊椎の圧迫骨折があるかもしれません
骨がつぶれることによって、
背中が丸くなったり(円背)、身長が低くなったりするのです。
もちろん尻餅をついたときなど、
衝撃により圧迫骨折を起こすことはありますが、
骨粗鬆症が重度になると、転んでいなくても
朝起き上がる重力に負けて、背骨がつぶれることもあります。
痛みで気づいて来院すると発見されますが、
そういう方は圧迫骨折を起こしている方の30%に過ぎないとも言われます。
痛みがなく、知らない間に骨折していて
検診などで初めて圧迫骨折を見つける場合も多々あります。
日本人60歳代女性の10人に1人、70歳代女性の3人に1人に
圧迫骨折が発生しているとの調査もあります。
脊椎の圧迫骨折は、
骨粗鬆症による骨折の中でももっとも頻度の高い骨折です。
しかも一度骨折すると、また別の場所も骨折することも多いのです。
それだけ骨密度や骨質が低下しているということです。
背骨を骨折した際には、痛みで動けなくなることもあり
体を支える背骨の機能も弱まるため、コルセットを作って治療を行います。
骨が固まるまでには2か月程度のコルセット着用が必要です。
骨粗鬆症の治療も進歩してきています。
骨折してから嘆くより、
閉経を迎えたら骨粗鬆症検診などを利用して
若いうちから自分の骨密度を知っておくことが大切です。