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牛田先生の痛みの話

牛田先生の痛みの話

今日は名古屋国際会議場にて
BONE MASTERS COURSEという勉強会に参加しました。

愛知医科大学 学際的痛みセンター教授の
牛田 享宏先生による
「疼痛の管理全般 及び それぞれ異なる疼痛に対する治療方法」
というお話でした。

体に受けたダメージは、
皮膚や筋膜、神経、骨などの侵害受容器から
電気刺激が神経線維を通って脳に伝わり
痛い!と感じます。

これが急性期の痛みです。

痛みは脳が感じているのです。

痛みは脳の体性感覚野で「痛い」と感じるだけでなく
同時に情動を司る大脳辺縁系にも影響し
痛いから苦しい、といった感情も生みます。

慢性的な痛みは
長時間に及ぶ持続する痛みが、
痛みの初発の場所が治癒した後にも
一種の記憶として神経回路に残ってしまい
さらなる複雑な痛みを発し続けます。

慢性痛には心理的・社会的な要因も関与し
家庭・職場の環境、経済状態、抑うつ気質のほか
交通事故で追突されたり、過去の医療への恨みなど
被害者意識が強く残る場合にも慢性痛に移行することがあります。

痛みを起こすことで周囲の方が優しい対応になることなど
注目を集めたり、知らず知らずの間に疾病利得が生じている場合もあります。

昼間に動いている間は痛みを感じないが、
夜寝るときに静かにしていると痛みが増強してくる、という背景には
気持ちが痛みに集中してしまい、痛みが増強することもあります。

痛いから動けない、動けないから気持ちがふさぐ。
鬱になると、より一層痛みが増強して悪循環に陥っていきます。
また、気持ちだけでなく、動かないことにより
関節は拘縮し、筋肉は硬くなり、筋力は落ちていきます。
そしてまた別の痛みを発生させてしまうのです。

医師は痛みを緩和する。
理学療法士は固くなった筋や関節を和らげ、動き方を指導する。
そして本人は痛みに囚われすぎないように前向きに楽しいことを考え
体を積極的に動かしていく。

それが、慢性痛を攻略する早道だと言えるでしょう。

PROFILE

さいとう整形外科リウマチ科 院長 斉藤究

日本整形外科学会専門医日本リウマチ学会専門医日本整形外科超音波学会会員

「牛田先生の痛みの話」への2件のフィードバック

  1. 私も、痛みが残像になって残ってしまい
    安静にしていないと、又あの痛みが再発するかも?
    なので、行動を規制してしまってました。
    歩き方まで病人らしくなってしまい・・・
    21日からボランティア再開します。
    痛くなったら、よろしくお願い致しますm(__)m

  2. Tibisyukeさん

    ボランティア再開、素晴らしいですね!
    前向きに歩き出したら、いい循環がやってきます。
    そのきっかけづくりとサポートが、僕らの役目です。

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