マークマチニックさんが書いた
「後悔しない生き方」という本を読んでいます。
4つ目のお話し
正直な気持ちを打ち明ける
では
娘のジェシカちゃんが入園した時のエピソードがありました。
幼稚園の方針で読書を奨励しており、
一定数の本を読んだら年度末の表彰式で
特製のTシャツをもらい、園長先生と握手できる特典がありました。
娘は読書が大好きで、毎晩寝る前に本を読みながら、
「ねえ、本をたくさん読んだら、どうなるか知ってる?」
と聞いてきた。
そして私の答えを待たずに、
「園長先生と握手できるのよ。ホントなんだから。」
と嬉しそうに言うのである。
そして年度末の三か月前に目標を達成して、表彰式を心待ちにした。
しかし当日、副園長先生が舞台に上がり、
園長先生が都合により出席できなくなったため
自分が代わりに握手する旨を告げた。
その瞬間、会場は静まり返り、娘はわっと泣き出した。
思い悩んだ末、私は翌日に園長先生と会うことにした。
会議中だったが、少し退席して話を聞いてくださった。
園長先生は事情を知ってショックを受けた様子だった。
園児にとって、自分との握手がそんなに大きな意味を持っているとは
思いもよらなかったようだ。
園長先生はすぐさま遊戯室に行き、
私の娘を探してひざまずきながら言った。
「こんにちは、ジェシカ。この一年間、たくさんの本を読んだわね」
娘はそれを聞いて驚いた顔をした。
「昨日は表彰式に出られなくてごめんね。
たくさん本を読んだご褒美として、今ここで握手をしましょう」
そして握手をしながら
「これからもいっぱい本を読んでね」
と言った。
娘があんなに嬉しそうな顔をしているのを見たことがない。
園長先生に事情を聴いてもらったことで
私は自己主張の重要性を再認識した。
自分の心のうちを言葉で伝えなくても察してもらえると思ってはいけない。
もちろんそういう場合もあるが、
究極的に、私たちは言葉を通じてお互いの気持ちを理解し合うのだ。